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番外編SS
あゝ平和
しおりを挟む※騎士宿舎について……レイナルド邸の敷地に五棟あり、一棟におよそ百人が住んでいる。第一宿舎は北棟に黄金麦穂団、南棟に白銀魔女団と別れており、食堂兼娯楽室(最大百人収容可)は両団兼用である。(よって喧嘩はよくここで起こる)
※日勤・夜勤は一ヶ月交代。
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――これはとある平凡な一日の、ヴァンとピートのスケジュールである。
【日勤・ヴァン】
・AM6時、起床、身支度。
朝の六時になると大きな教会の鐘が町中に鳴り響く。寝起きのいいヴァンはそれを合図にスッと目覚め、大きな伸びをしてベッドから降りる。今まで寝坊したことはない。夢はあまり見ないタイプだが、見たとしても大体リュカの夢である。
朝の身支度は洗顔、ひげ剃り、歯磨き、ブラッシング(髪、尻尾)、着替えだ。洗面台が私室に備えられているため、すべて私室で行う。服を着る順番はシャツ、脚衣、ベルト、クラヴァット、ベスト、剣帯、そして騎士団の上着。なお寝るときでも騎士の指輪は外していない。
・AM6時半、黄金麦穂団早朝訓練。
「おはようございます!」
黄金麦穂団団員たちの揃った挨拶が騎士宿舎前の広場に響き渡る。ヴァンは皆の前に立ち「おはよう」と挨拶したあと、今日の訓練内容を指示する。
各隊に別れ点呼、身だしなみのチェックののち全員訓練。前半は陣形訓練、後半は個別の剣術訓練。ヴァンは主に指導に回る。
「剣先が高い。もっと敵のどこを狙うのか意識しろ」
「はい!」
「力で押し切ろうとするな! もう一度基礎の型からやり直せ!」
「はいっ!」
ヴァンの指導は厳しいが、それでも団員は国で随一の騎士である彼に直接指導をしてもらえると嬉しそうだ。
・AM8時、朝食。
訓練が終わると騎士宿舎の食堂で朝食。食堂はセルフサービス方式なので自分で料理を盛るが、団長、副団長の分は団員が用意する。なお、白銀魔女団とは朝食の時間がズレているので、この時間は黄金麦穂団だけである。
この日のメニューはライ麦パン、野菜と鶏のポタージュ、チーズ、塩漬け豚を茹でたもの、卵のソース、マッシュポテト(人参と豆入り)。騎士で肉食獣である彼らは朝からガッツリ食べるし肉は欠かせない。ヴァンは食後に蜂蜜を入れたカフェオレも飲む。
席順は決まっていないが、食後は自然と今日の予定確認になるため、ヴァンのテーブルには副団長のベッセルと各隊の隊長が集う。
「午前が一番隊・二番隊・三番隊の護衛、午後が三番隊・四番隊・五番隊の護衛になります」
「今日は天気がよさそうだ、ルーチェ様が外に出たがるだろう。中庭の護衛配置はどうなっている」
「計画済みです。ルーチェ様が部屋から出られるのを合図に配置Bにスイッチします」
ヴァンはカフェオレを嗜みながら護衛計画に不備がないか確認する。テーブルには屋敷の見取り図が広げられ、ベッセルが今日の警備の配置を説明していた。
護衛騎士団はリュカを守って戦うのが仕事であるが、普段は屋敷の――おもにリュカが過ごす三階と、会議室や中庭などリュカの行く先々の護衛にあたる。
しかし他にも屋敷を護衛する騎士はいるので、護衛騎士団は五分の三の団員を護衛につかせ、残りの団員は訓練時間となる。騎士として常日頃から訓練は欠かせないし、急遽人手が必要になったときのためすぐに動かせる人員は確保しておきたいからだ。
・AM8時半、部屋に戻り出勤支度、身支度の確認。
・AM8時45分、ヴァン及び黄金麦穂団出勤。
「今日もリュカ様の御身がご無事であるように! 黄金麦穂団は命を懸けてリュカ様をお守りする!」
宿舎入口前に整列しスローガンを唱和したあと、レイナルド邸本邸に出勤。ちなみに騎士宿舎から本邸までは徒歩三分。屋敷に着いたあとは各々持ち場へ。
・AM8時50分、執務室到着。
「おはようございます、リュカ様」
三階にある当主執務室に入り折り目正しく挨拶をすれば、まだ眠そうなリュカが「おはよう~」とゆるっとした笑顔で迎えてくれた。なんとも脱力しそうな主の姿ではあるが、平和そのものなリュカの顔を見てヴァンの騎士魂に火が着く。今日もこの笑顔を守らねば、と。
「護衛交代の時間だね。それじゃあお疲れ様、ピート」
「ああ、また夜な」
去り際にリュカのほっぺにチュッとキスをしていったピートを見て、ヴァンはもはや反射的にピートの胸ぐらを掴む。すかさず胸ぐらを掴み返してきたピートと一触即発の睨み合いをしていると、「朝から喧嘩しないの、もー」とリュカが割って入ってきたのでひとまずその場は収まった。
・AM9時、護衛開始。
周囲に警戒しつつ、ヴァンはリュカの書類仕事を手伝う。その間、理髪師が直しきれなかったリュカの寝癖を慣れた手つきでサックリと直した。
・AM10時、別室でサーサと遊んでいたルーチェがリュカに会いたくてやって来る。
「ュア、あっこして」
「はいはい、おいで」
リュカは慣れた手つきでルーチェを膝に載せながら書類の決裁を進める。ヴァンがハイチェアを持ってくるとルーチェはリュカの隣でお絵かきを始めた。以降、ルーチェを構いつつ書類仕事。書庫に行くついでにルーチェと屋敷内をお散歩。
・AM11時、定例会議。
一階の会議室にて、レイナルド領の大臣らと会議。おもに領内の出来事の報告と問題解決の話し合い。ヴァンはリュカの後方に控え護衛。リュカから意見を求められない限りは口を出さない。
・PM1時、昼食。
昼食はルーチェも一緒に食べるため、会議が長引いても必ず一時にとる。場所はダイニングルーム、ひとつのテーブルをリュカとルーチェとヴァンで囲む。本来従者である騎士は主と同じテーブルにはつかないのだが、ルーチェが生まれてからリュカはヴァンやピートを同席させている。これはルーチェに家族団らんの温かさを教えたいリュカの教育方針だ。
本日のメニューは、オート麦と卵の粥、チーズと野菜のパイ、白身魚のオーブン焼き、子牛の煮込み、ハーブソーセージ。リュカの食事は基本、レイナルド邸の皆と同じだ。王様だからといって特別豪華な訳ではない。
「お腹空いたねえ、ルーチェ。いっぱい食べようね」
「ルー、バニャニャたべゆ」
「バナナはご飯を全部食べてからですよ、ルーチェ様」
「ルーおにゃかいっぱい」
相変わらずバナナ大好きでご飯を食べたがらないルーチェに、リュカもヴァンもほとほと困り果てる。それでもなんとか宥めすかし、気分を盛り上げ、ひと口食べるごとに拍手喝采し褒めちぎって、どうにかこうにかお皿の三分の二を食べさせることに成功したのだった。
・PM2時、謁見・接見。
ルーチェがサーサと従者たちと中庭で遊んでいる間、リュカは客人や陳情団の話を聞く。もちろんヴァンはそばに控え、客人らに不審なところがないか目を光らせる。
「リュカ様、どうかうちの地区の定礎式へお越しください」
「うーん、再来月の安息日でもいい?」
「はい!お待ちしております!」
客人の頼みを安請け合いするリュカに、ヴァンがたまらず脇から肘で突っつく。
「リュカ様! そうやってほいほいなんでも引き受けてるとまた休みがなくなりますよ!」
「でもあの地区はまだ視察に行ったことなかったし、一度見ておかないとって思ってたから」
「なら平日に行ってください! これで三ヶ月安息日に休みナシじゃないですか」
「平日は一年先まで予定いっぱいだし……」
ヴァンは溜息をつかずにはいられない。領主として王として、リュカ以上に相応しい者はいないと思っていたが、最近では一周回ってリュカには不向きな気がしてきた。人を助ける立場にいる者としてあまりに心が優しすぎる。
「先ほどの定礎式には代理の者を、地区には調査団を派遣します。それでいいですね」
「でも約束しちゃったし……」
「私が話をつけてきます」
うかうかしていると、リュカは再び八年間無休という失態を犯しかねない。ヴァンは同じ轍を踏まないよう厳しくリュカのスケジュールにも目を光らせるのであった。
・PM3時半、休憩。
書類仕事に会議に謁見と座りっぱなしのため、リュカは少し運動をする。黄金麦穂団の訓練に混ぜてもらい、ストレッチと軽いランニング、短剣術を習う。相手するのはもちろんヴァンだ。
「リュカ様はお体が柔らかいですね」
ストレッチの最中、ヴァンに所用があってやって来たベッセルが、ぺたんと開脚でふたつ折りになったリュカを見て言う。
「そう?」
「僕の知る限り、キツネ族でそんなに柔らかい方は初めて見ました」
イヌ科はネコ科獣人に比べると体が硬い。ネコ科には負けるが、九十度以上脚が開き深く前屈できるリュカの体の柔らかさは相当のものだった。
「普段からストレッチをされているのですか?」
「いや、別に……」
ベッセルに尋ねられ答えようとしたリュカはハッとして顔を赤らめる。大きな体躯を脚の間に入れるうちに股関節がよく開くようになり、圧し潰されるように抱かれるたび膝が胸につくほど体をふたつ折りにされてきたのだ。
なんとも破廉恥なストレッチの賜物だと気づいたリュカは真っ赤になりながら「な、なんもないよ。なんもしてない、なんも」とモゴモゴ口籠る。
リュカの背中を押していたヴァンもハッと同じことに気づき、頬を赤らめつつ咳払いすると「ベッセル、無駄話をしていないで仕事に戻れ」と弟を追い払った。
リュカとヴァンはリフレッシュのはずの時間なのに、どうにもムラムラした気持ちを抱いてスッキリとは程遠い気分で運動を終えたのだった。
※PM3時より、黄金麦穂団は護衛についていた隊と訓練(控え)の隊の交代。(一部護衛継続)
・PM4時、会議。
午後の会議はレイナルド領だけでなく、ワレンガ領、ガルドマン領、ヴェリシェレン領の代表者を交えての報告と会議、つまり国王としての会議である。
わりかし平和な午前の会議と打って変わって、午後の会議では各代表者の主張が激しい。
「我が領の収穫率は前年を下回る予想です。国王、および各領にはご支援を賜りたい」
「ヴェリシェレン領の収穫率が低いのは毎年のことではないか。うちとて今年は害獣が頻発して予算は逼迫している、よそを構っている暇などない」
「悪天候も害獣もリュカ様がなんとかしてくださる。どちらも支援は不要」
「リュカ様をなんだと思っているんですか。神のお力を軽々しく使おうとしないでください。リュカ様が世界に干渉されるのは大規模な災害や流行り病だけですよ」
たまらず反論したレイナルド領の大臣を、リュカは「ま、まあまあ……」と宥めた。
森羅万象の力を得てから、どうもリュカを便利屋扱いするものが一定数いる。悪天候も害獣も当事者は大変だが、そんなに細々とした面倒まで見ていたらキリがない。それにリュカは大きく人命に関わる以外は、自然にはなるべく干渉したくない。自然には自然の理というものがあるのだ。
「森羅万象の力をあてにしないで、まずはできることをしようよ。ヴェリシェレン領は貯水池の新設と、作物の改良は進んでるの? ワレンガ領の害獣対策は継続できそう? 有識者が必要ならうちからも派遣するよ」
どうにかこうにか場を治めるが、全領会議はいつも疲れる。王として全領をひとつにまとめるのは大変だと、リュカはしみじみ思った。
・PM7時、夕食。
この日は各領の代表団が来ていたので、彼らと晩餐会。食事をとりつつ話を聞く。
本日のメニューは、季節の野菜のクリームポタージュなどスープ二種類、燻製やレバーなど前菜三種類、魚介のゼリー寄せなど魚料理三種、ラムのカツレツ、鹿肉のパイなどアントレ三種、フィレ肉のソテー、野鳥のグリルなどロティ三種類、アーティチョークのサラダなどアントメル二種類、洋ナシとプラムなどコンポート二種、レモンのタルトなど焼き菓子二種。客との晩餐なので豪華だ。
しかし豪華なのはいいが、体の小さなリュカは胃の容量も大きくないのでコース料理はお腹いっぱいになってしまう。客の手前、極端に盛りを少なくすることもできず、もちろん苦しい顔をすることもできず、おもてなしの晩餐はリュカにとってなかなかしんどいものであった。
公式の場では側近騎士は当然テーブルを共にしない。ヴァンは正餐室で護衛に徹する。
なお晩餐会などないときは昼食同様ダイニングルームで三人でテーブルを囲む。
・PM8時、執務室。
議事録係がまとめておいてくれた会議や晩餐の会談の書類を確認。明日の定例会議の提案をあらかじめ検討。稟議書の決裁。ヴァンもお手伝い。
「お腹苦しい……」
「ボリュームありましたね、今日の晩餐。もう少しリュカ様の盛りを減らせるよう皿など工夫するよう厨房に申しつけましょうか」
「そうして~」
リュカは幼児のようにポンポコリンになったお腹を法衣の上から撫でさすりつつ、仕事をする。ヴァンもリュカを心配してお腹を撫でてあげたが、なんだか妙な劣情が湧き上がってきたので手を離した。
・PM8時45分。
まもなく護衛交代の時間。リュカは時計を見上げると椅子から立ち上がり、ヴァンのもとまで行って彼の服を引っ張って「ん」と顔を上げる。
それが何を意味するのか理解しているヴァンは腰を屈め、ためらうことなく口づけた。
日勤の護衛勤務の場合、イチャイチャする時間は皆無だ。もちろんベッドにもつれ込む時間もない。そんなときはどちらともなくこうしてキスをねだって、僅かでも恋人としての時間を楽しむのだ。
チュッチュと触れ合うだけだったキスは、やがて甘さと深さを増していく。互いに舌を伸ばし絡め合い、口腔をねぶり合った。ヴァンの牙にリュカの舌が掠って、チリっとした痛みが焼きつく。
ヴァンはとても名残惜しそうに唇を離し、リュカの頭を、頬を大きな手で包むように撫でる。
「今日も一日お疲れ様です。どうかあまり無理をせずに……あなたは優しすぎる。自分を何より大切にしてください」
「うん、心配かけてばっかりでごめんね」
そうして書類を夜勤のピートが引き継ぎやすいようにまとめていると、部屋にノックの音が響いた。
・PM9時、退勤。
「おはようございます。護衛交代の時間です」
「ュア、ねんねよ~」
部屋に入ってきたのはピートと、その腕に抱かれているルーチェだ。大体は夜勤担当やサーサに寝かしつけられるルーチェだが、三日に一回くらいはリュカがいいと駄々を捏ねて寝ない。今日はその日のようだ。
「おはよう、ピート。今日もよろしくね。じゃあヴァン、お疲れ様。明日もよろしく」
挨拶をするとリュカはピートからルーチェを受け取り、いったんルーチェの寝室へと向かう。寝かしつけてからまた執務室に戻ってくるのだ。
その間、ヴァンとピートは簡単な業務の引継ぎをする。
「まだ商工会関連の稟議書がきていない。十時までに来なければ請求に行ってくれ、ピスァ大臣が担当だ」
「はいよ。あー訓練所の改修工事、二十日からでいいかって確認が来てたぜ。詳しい書類はベッセルに回してある」
「わかった。……今日は晩餐会があってリュカ様はお疲れだ。お休みの邪魔になるようなことはするなよ」
「へっ、よけーなお世話だ。俺には俺の休ませ方があるんだよ」
ふたりは一瞬火花を散らしたが、揉めてもリュカの疲れを増長させるだけなので、舌打ちをして顔を反らし合った。
それからヴァンは執務室を出てルーチェの寝室に寄り、小声で「おやすみなさいませ、リュカ様。ルーチェ様」と告げてから屋敷をあとにした。
・PM9時10分、宿舎帰宅。
ヴァンおよび黄金麦穂団団員、本邸から帰宅。
部屋に戻ったヴァンは制服の上着を脱ぐ。なお騎士団員の服は専用の使用人が洗濯を担っていて、夕方には綺麗に洗われた服が籠に入って部屋前に置かれる。帰宅後ヴァンはそれを部屋に入れ、きちんとクローゼットにしまう。
・PM9時15分、夕食。
リュカと夕食をとらない日は、帰宅後に食堂でとる。団員たちも日勤の場合はこの時間が夕食となる。
メニューはライ麦パン、鹿肉の煮込み、鱈とジャガイモのサラダ、茹で野菜、ブラッドソーセージ、デザートにヘーゼルナッツのケーキ。夜もガッツリである。
食堂は休憩所も兼ねているので、夕食後のみ酒の持ち込みを許可している。食後のワインを楽しむ者もいるが、お行儀のよい黄金麦穂団には酔って騒ぐような輩はいない。
朝食同様ヴァンのテーブルにはベッセルや隊長が集まり、食後は本日の報告会となる。
「ルーチェ様、今日はご機嫌そうに中庭で遊ばれていました。芝生を毟るのに夢中になって、僕にも毟った芝生をくださったんですよ。ほら」
朝とは違い勤務が終わったリラックス感からか、たわいのない話題も混じる。ベッセルがベストのポケットから萎れた芝を出すと、テーブルにいた皆が「ルーチェ様からのプレゼントとは羨ましい」と目を細めた。
「ルーチェ様は優しい子に成長なさっている。安全もお心も我々がお守りせねばな」
ヴァンも勤務を無事に終えた安心感と我が子の愛らしさに、思わず頬が緩んだ。それからリュカのことを思い出し、「ああ、そうだ。厨房に新しい皿の注文を申しつけておきたい」とベッセルに申請書を出しておくよう命じた。
・PM10時、訓練。
朝の訓練では指導側に回り、日中はリュカの護衛をしているヴァンはなかなか自分の訓練時間が取れない。しかしストイックな彼は寝る間を惜しんででも鍛錬を欠かすことはないのだ。
一時間ほど速度を落とさず走り込んだあとは、みっちり剣の稽古。どれほど腕が上達しても基礎を疎かにしてはいけない。時々はベッセル相手に打ち込みの訓練もする。
・AM0時、風呂、就寝支度。
宿舎に戻り、部屋にあるシャワーで汗を流し、尻尾の手入れ、歯磨きをして就寝。シャワー時に体を洗う順番は上から順に。寝間着はリネンの長いシャツと下着(短い脚衣)。貴族のオーソドックスタイルである。
性欲旺盛なのでリュカを想いながら自己処理。眠りに落ちるまでリュカのことを考えている。
・AM1時、就寝。
【夜勤・ピート】
・PM5時起床、身支度。
ノッカーアップ(目覚まし係)が扉を叩く音で起床。寝起きは良くもなく悪くもなく。わりと夢をよく見るタイプ。昔のことだったり今のことだったりリュカのことだったり色々。大欠伸をしながらベッドから降りる。
目覚ましのため軽くシャワー、髭剃り、歯磨き、髪のセット、尻尾の手入れ、着替え。部屋にシャワー、洗面台があるのですべて自室で済ませる。着替える順番は、シャツ、脚衣、剣帯、ナイフ用剣帯、アクセサリー(ピアス・ネックレス)、制服上着。騎士の指輪は就寝中も装着。
・PM5時45分、朝食。
夜勤の場合、PM5時から食堂で料理の提供が始まるので、団員は5時~6時半までに各々食事をとる。
メニューはライ麦パン、鹿肉の煮込み、鱈とジャガイモのサラダ、茹で野菜、ブラッドソーセージ、デザートにヘーゼルナッツのケーキ。その日の日勤の夕飯と同じものだ。
「おはよーっス、団長」
「おはようございます、団長」
「ん、はよ」
席は決まっていないが大体ロイが寄ってくるし、予定確認があるので副団長と隊長もやって来る。
「昼間は特に異常なしだそうです。本日は客人が二階に宿泊されるので、二階の警備体制が少々変わってるとのことです。我々はいかがいたしましょう」
「念のため階段周辺にそれぞれ警備増やしとけ、五番隊から四人引っ張ってこい」
「承知しました」
夜勤も基本的には日勤と同じ体制だ。五分の三ほどの団員が警備にあたり、残りは訓練である。ただし夜中に訓練場で大声を出すのは憚られるので、〇時以降は室内訓練場での筋トレがメインとなる。
・PM6時半。出勤前訓練。
日が暮れると騎士宿舎前の広場には魔法石のランプが灯される。集合した白銀魔女団の団員は整列し、野太い声で「今日も我ら白銀魔女団、リュカ様のために命張ります!」と唱和する。
訓練はおもに走り込みと、一対複数による模擬線。体力向上と実践を見据えた訓練に重きを置くのが白銀魔女団の訓練だ。ピートもまた、全体訓練のときは指導側に回る。
「そこ、モタモタしてんじゃねえぞ! 気合入れて走れ!」
「ウッス!」
「おら、チンタラしてんじゃねーよ。まだ寝ぼけてんのか」
「サーセン!」
ヴァンに比べてピートの指導は荒っぽい。しかし怒鳴られようと尻を叩かれようと、白銀魔女団でぶっちぎりの強さを誇るピートを恨む者などいない。誰もが皆、団長のように強くならねばと自分を戒めるのだ。それに。
「ティッチ、フルーレの扱いだいぶうまくなったな」
「はい! 軽くて動かしやすいです!」
ピートは団員ひとりひとりの特性をよく見てくれている。騎士団の剣は通常ロングソード、大柄な者は一部ブレードソードを使うのが一般的だが、ピートは白銀魔女団の小柄な者にはレイピアやフルーレを使わせた。
白銀魔女団は黄金麦穂団と違い種族が多種多様だ。素早さや器用さを買われて入団した小柄な者や非力な者もいる。ピートはそんな者たちには軽い武器や補助武器の使用許可をリュカに申請した。おかげで彼らは己の攻撃力をうまく引き出せるようになったのだ。
厳しいところもあるが、すべての団員に目をかけてくれる団長のことを嫌いになる団員などいない。それにピートはよく怒るがよく褒めてもくれるのだ。
・PM7時半、出勤支度。
団員はPM8時半まで訓練を続けるが、ピートはひと足先に抜け出して身支度を整えたあと本邸へ向かう。
・PM7時45分、出勤。
「ィーオ!」
「おー、ルーチェ。お利口にしてたか~?」
夜勤で出勤してまず向かうのはリュカの執務室ではなく、ルーチェの部屋である。
部屋で従者とボール投げをしていたルーチェは、ピートがやってきたのを見て満面の笑みで駆け寄っていく。
「ルーあしょぶ、ィーオとあしょぶ」
「そーかそーか、んじゃあ今日もブクブクで遊ぼうな」
夜勤が取り掛かるまず最初の仕事はルーチェの入浴だ。本来は勤務外時間なのでやらなくてもよいのだが、夜勤はルーチェと触れ合う時間が少ないのでピートもヴァンも自ら入浴の世話を担っている。
三階にある浴室にはすでにルーチェの入浴の準備ができている。子供用の小さなバスタブに浅めに湯が張られ、ピートはそこに液体石鹸を入れると手でかき混ぜ泡立ててみせた。
「ブクブク!」
あっという間に泡だらけになった湯船を見てルーチェは大喜びだ。
「ほら、今日はどれと入る? 舟か? 魚か? クラゲか?」
「うーんとねールーねー……うーんとねー」
木や布でできた風呂用のおもちゃを選んでいる隙に、従者がルーチェの服をサッと脱がせる。気まぐれルーチェはお風呂に入るのが嫌なときは大暴れなので、とにかく機嫌を損ねないようにサクッと済ませるのが大事なのだ。
ルーチェがようやくクラゲのおもちゃを選んだときには、いつの間にやら丸裸だ。ピートは「じゃあいくぞ、ざぶーん!」とルーチェを高く抱き上げてから、優しく泡風呂に体を沈める。
「ほーら、ブクブクだ」とピートはルーチェを泡まみれにしながら、さりげなく体を洗っていく。ルーチェはキャアキャアと大はしゃぎだ。
その手際の良さに、手伝いをしている従者たちも「ピート団長はルーチェ様の扱いがお上手だ……」と感心の目を向けるのだった。
・PM8時半、ルーチェの寝支度。
風呂から上がったルーチェは体を拭かれ、髪を拭かれ、尻尾を拭かれる。この頃になってくると眠くなってきて、機嫌の扱いの難易度がグンと上がる。
「ルーチェ様、もっと大きくあーんしてください」
「やー! はぶらしきゃい!」
寝る前の歯磨きを嫌がるルーチェに、専属の歯科医も、逃げようとするルーチェを押さえる従者も大弱りだ。ピートもあれこれ宥めすかすが、眠いときのルーチェはどうにもならないのだ。
ほぼ力づくで歯を磨かれたルーチェはグズグズだ。特に今日はご機嫌斜めになってしまったようで、ピートが抱っこしても「や! ィーオいや! ュア! ュアあっこ!」と逃げだそうとする。
本来ならこのまま寝かしつけに移行するところだが、こうなってしまうともうリュカ以外の手には負えないのであった。
・PM8時50分、護衛勤務開始。
「おはようございます。護衛交代の時間です」
「ュア、ねんねよ~」
泣きやんだものの、まだグズっているルーチェを抱えてピートは執務室へ入る。リュカは「おはよう、ピート。今日もよろしくね。じゃあヴァン、お疲れ様。明日もよろしく」と挨拶を済ませると、ルーチェと共に寝室へ向かった。
リュカがルーチェを寝かしつけている間に引継ぎをし、煩わしいヴァンが執務室から出ていくとピートは大きく伸びをしてから「さーて、やるか」と気合を入れた。
・PM10時半、リュカ入浴。
ルーチェを寝かしつけてきたリュカは再びデスクワークに戻り、黙々と書類を片づけていく。ピートは周囲に警戒しつつそれを手伝い、ようやくひと区切りした十時半「今日はここまで~」とリュカは伸びをしながら立ち上がった。
ピートは魔法のかかっているベルを鳴らし、従者に風呂の支度を始めるよう合図する。
「お疲れ様。今日は忙しかったか?」
「晩餐会があったからちょっとね。明日に引き継ぐ議題もあるし……」
無意識にコキコキと首を鳴らすリュカを見て、ピートはその小さな肩を軽く揉む。
「凝ってんな。風呂でよくあっためてもらいな」
「うん。あ~ピートの手、きもち~」
ピートは肩揉みも上手いのだから、なんでもできてしまうなとリュカは感心する。そうこうしているうちに風呂の準備が整ったと従者が報せにきて、リュカは浴室へ向かった。
リュカの入浴中、ピートは浴室で護衛だ。浴室とはいっても広い普通の部屋である。床は大理石でカーペットは敷かれていないが、排水溝などがあるわけではない。リュカはここで服を脱ぎ、バスタブの中で体を洗われ、出てからは寝椅子に座り尻尾や爪の手入れをされる。浴室と脱衣所と休憩所がひとつになっているような形状だ。
リュカを洗う従者は専門にいるので、ピートはただ護衛に徹する。恋人がすぐそばで裸になっていると思うとつい目が向いてしまいそうになるが、護衛騎士としてそれは不敬なので耐える。
・PM11時半、リュカ就寝。
ゆったりと風呂に浸かり隅々まで綺麗にして、毛量の多い尻尾を乾かしていたらあっという間に一時間が過ぎる。ようやく寝支度の整ったリュカは欠伸をしながら寝室へ向かった。
ふたりきりの寝室でベッドに腰かけたリュカは「ん」とピートに向かって腕を伸ばす。ピートはそれに応え口づけながらリュカを押し倒したが、少し考え込んだ。
多忙なリュカとベッドを共にできるのは、基本的にこの時間だけだ。当然ピートは可能ならば毎晩だって抱きたい。しかしさっきヴァンが言っていたことが頭をよぎる。
「体、疲れてないか?」
尋ねると、リュカは「んー……」と考えてから眉尻を下げて微笑んだ。
「疲れたっていうか、晩餐会があったからちょっとお腹が重い」
「ああ、そーいうことか」
納得してピートも微笑むと、寝間着のシャツを捲ってそっとリュカのお腹を撫でた。スベスベのお腹は確かにいつもより丸みを感じて張りがある。
「腹いっぱいじゃ俺の×××はもう食えねーな」
おどけて言いながらお腹や腰の辺りを撫でれば、リュカは「んッ……は、」と短く吐息を零した。したくない訳ではなさそうだ。
「今日は口でしてやるよ。あんま体に負担かけない方がいいだろ」
そう言ってピートはリュカの下着を下げ、太腿や脚の付け根に口づける。リュカはビクッと体を震わせながら「そんな、悪いよ」と首を振った。
リュカは正直なところムラムラきているが、だからといってピートに性欲処理だけしてもらうような真似はさせたくない。そんな横暴な主ではないつもりだ。
するとピートは「じゃあこうしようぜ」とさっさと上着を脱ぎ捨て脚衣を寛がせ、リュカに覆い被さった。
「ん、ん……ぅ、んッ」
ピートは小さな唇をねぶりながら、リュカと自分の竿を擦り合わせた。露が滴ってくるとそれを潤滑油に、手で二本をしごく。
「あッ、あ……ピートのちんちん熱い、硬い……」
「これがいつもあんたの中に入ってるんだぜ」
そうしてリュカはピートの巧みなテクニックで二発も吐精し、ほどよい疲労感でぐっすり眠りについたのだった。
・AM0時、護衛兼雑務。
リュカが寝入ってしまうと、ピートは寝室の隅のデスクで書類仕事に取り掛かる。
リュカの負担を減らすために、側近騎士のふたりにはある程度リュカの代理としての権限が与えられている。ピートはその範囲内で片づけられる決裁をこなし、バラバラの報告書の内容をまとめ、明日リュカが速やかに業務しやすいように整えておく。
それ以外にも騎士団の訓練メニューを考えたり、備品や予算の記録を確認したりと団長としての雑務も細々とある。仕事を片づける時間は幾らあっても足りないのだ。
・AM2時、夜食。
白銀魔女団の団員が、ピートに夜食を運んでくる。警備をしている他の団員はレイナルド邸二階にある従者用の食堂に交代で夜食を食べに行くが、ピートはリュカのそばから離れない。
この日のメニューは酢漬けニシンのサンドイッチと鹿肉フレークのサンドイッチ、チーズとミルクのポタージュ、野菜のグリル、ホットチョコレートだ。
レイナルド家の朝食から深夜勤務の夜食まで賄うため、レイナルド邸の料理人も二勤制である。おかげで深夜でも温かい料理が食べられるのはありがたかった。
食事休憩を挟んで団員たちは警備の隊と訓練の隊が入れ替わる。団員がこの時間までの報告書を持ってきて異常がないのを確認したら、ピートは再び書類仕事へ。
・AM7時、リュカ起床。
「おはよ~」
「おはよう。よく寝れたか?」
朝の七時になると侍従がリュカを起こしにやって来る。カーテンを開け、洗面桶とタオルを持ってきてリュカの顔を拭いたり、目覚めの紅茶を淹れたりするのだ。そうしてテキパキとリュカは朝の身支度を整えられて、あっという間にいつもの法衣姿になるのだ。
ちなみにリュカは寝起きがイマイチよくない。気合が入ってるときはシャキッとするが、普段はしばらくフニャフニャしている。
・AM7時半、朝食。
ルーチェも起床し、朝食はリュカ、ルーチェ、ピートの三人でダイニングルームで食べる。今朝のメニューはダンプリングのコンソメスープ、とうもろこし粉の蒸しパン、ベイクドビーンズ、ひき肉を詰めた鶏のグリル、りんごとヨーグルトだ。
ルーチェはりんごとヨーグルトとパンにしか手をつけず、リュカが他のものを「あーん」で食べさせようとしても口を絶対に開けない。
しかしリュカ自身も朝はそんなに食が進む方ではなく、盛りは至って少ない。しっかり大盛りを平らげているのはピートだけだ。
・AM8時、リュカ業務開始。
八時からリュカは執務室へ向かい、昨日の書類仕事の続きを始める。夜のうちにピートが稟議書を片づけてくれたり報告書をまとめてくれたりしたので、スムーズに作業が進む。ピートは引き続きリュカの護衛とサポートだ。
まだ眠いのか、ルーチェはリュカから離れない。机に向かうリュカに抱っこされた状態でしがみついている。
八時四十五分になり、ピートはルーチェがウトウトしている隙を衝いてリュカとキスをする。
「今日も一日頑張れよ、王サマ」
「うん、頑張る」
眠たそうだったリュカの顔に、ようやく活気が漲ってきた。
・AM9時、退勤。
「おはようございます、リュカ様」
八時五十分になり、今日も今日とてキッチリした身なりのヴァンがやって来る。
「おはよう、ヴァン。今日もよろしくね」
ピートは書類仕事の引継ぎを端的に済ませる。そうしていると秘書官が部屋にやって来て、今週のスケジュールをリュカと側近騎士のふたりに共有した。三人で軽く打ち合わせをしているうちに、九時を過ぎる。
「あ、時間だね。ピートお疲れ様でした」
「ああ、また今夜な」
そう言うとピートは、リュカの懐で甘えているルーチェをヒョイッと抱き上げた。
「ルーチェ、中庭の散歩にいこーぜ。この時間なら鳥が見れるぞ」
「とり……みる……」
ピートが仕事の邪魔にならないようさりげなくルーチェを引き剥がしてくれたことに、リュカは感謝して笑顔で小さく手を振る。ピートはそれにウィンクで返して、「そんじゃお疲れ」と執務室から出ていった。
・AM9時半、宿舎帰宅。自主訓練。
中庭で遊んでルーチェがすっかり目を覚ましたあとはサーサに託し、ピートは騎士宿舎に帰ってきた。
ピートはリュカと共に朝食を済ませてきたが、夜勤だった団員たちは食堂で朝食という名の夕食を食べている。
ピートは部屋で制服の上着を脱ぐと、中庭に出てランニングと筋トレを始めた。ヴァンと同じく全体訓練のときは指導側に回るピートは、自主訓練も欠かせない。
すると朝食を終えた団員がチラホラと中庭へやって来た。
「団長、俺たちも一緒にいいですか?」
部下に好かれやすいピートは宿舎にいると誰かしらが寄ってくる。ピートと一緒に訓練したい者らが集まってきて、和気あいあいとしながらもトレーニングを続けた。
「こんだけいるなら丁度いいや、お前ら相手しろ」
いつのまにか十人を超えていた団員たちに、ピートは実地訓練を命じる。団員たちは団長との手合わせに嬉々として挑んだが、一対十でも負けないのがピートなのである。
・AM11時半、就寝支度。
しっかり汗を流したピートは部屋に戻りシャワーを浴びると、裸のままベッドに倒れ込む。
「あ~ねみ……」
寝落ちしてしまいそうになるが、体を起こしてピアスとネックレスを外し、下着の脚衣だけ身につける。全裸で寝ても個人的には構わないが、もし就寝中に有事があって全裸で飛び出したら黄金麦穂団の面々がうるさそうだ。ヴァンに『下品だ』とギャーギャー言われるのも癪なので、下着くらいは穿いておく。
寝ぼけまなこで歯を磨き、濡れている髪をタオルドライして絡まないように梳かしてから、再びベッドへダイブする。キツネやオオカミと違って毛量の多くない尻尾はすぐ乾くのが、ありがたい。
そして仰向けに寝そべると右手の甲にキスをして、「おやすみ、リュカ」と瞼を閉じた。
・PM0時、就寝。
―――こんな毎日の繰り返しでリュカとレイナルド邸は安全が守られ、今日も今日とて平和な日々が送れるのであった。
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