浮気な彼氏

月夜の晩に

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【浮気な彼氏#8-2】

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両手に袋あれこれ下げて百貨店を後にした。食材とかも色々。


そんなにいる?ってくらい色々買ったけど、これって・・
 

「僕、いても2日とか3日の予定ですよ・・?」

「え?今後ずっとでしょ?さっきそう決めたじゃん2人で。やだなあもう忘れちゃったの?おじいちゃんめ」
                  

「僕よりあなたの方が歳上ですけど!?」
「突っ込むとこそこなのかよ」




キイ~ッてなっている僕を、彼は楽しそうに見下ろした。そしてノロい人置いてくよ!と車へ向かって走り出す。

待ってとその背中を追った。

暁都さんはカッコいいし好きではあるけど、僕は時々すごく振り回されている気が、する・・。





 
家に帰る車の運転中。赤信号で止まると、暁都さんはポケットから携帯を取り出し通知をチェックした。彼のではなく、僕の。


「お、元彼からすげLINE来てんなあ。『さっきの奴、新しい男?』って。恋人だって俺言っただろうが。
それ以外は特になし。以上」



機嫌良く携帯をしまおうとしたので、返してとダメ元でその手に飛びついてみた。
しかしサッとかわされ、そして助手席に押し戻された。



「俺運転中の身なので!やめてもらえます~?
俺に構って欲しければそこで俺へのラブレター朗読してね。まあそれかどっか駐車場止めて車でイチャイチャしても良いし」


「しませんけど!?・・携帯返してくださいよお・・」
「無理」


青信号に変わってブウンと外車は走り出す。僕はうわあと揺られながら家へ再度連れ帰られた。





 
夜。暁都さん家で僕は食事係に任命され、じゅうじゅうと焼いていた。たこ焼きを。



「こんな庶民的なもの食べるんですか・・?」

「うん?俺たこ焼きもお好み焼きも好きだし食うよ。まあ好きな子が四苦八苦してるの見たいだけってのが今は大きいけどね」


「じゃあ手伝ってくださいよお・・!」



そうなんだ。わざわざ今日買ったたこ焼き機を前に、僕は四苦八苦していた。


僕たこ焼き返すの下手だから、わりとぐちゃぐちゃになってしまっている。



「絶望的な状況だよねえこれ。好きな子が困ってる顔って最高だなあ・・」
「何言ってんるんです!?」




カラカラと酒のグラスを回して上機嫌に暁都さんは言った。僕をつまみに飲みたいとか、訳わかんないことを言って・・。



でもその顔は幸せそうな感じで、本当何で?って感じ・・。こんな平凡でつまらない僕を何故こんな気に入ってくれているのか、やっぱり今だ僕は腑に落ちないでいた。


・・やっぱ気まぐれ、だよなあ・・。
それか金持ちの遊び?暇つぶし・・?


 
なんて思いが渦巻く一方。彼は時折僕の携帯の通知をチェックしては難しそうな顔をして、そしてまたポケットにしまっていた。

それが物凄く気になっていたが、頑なに内容は教えてくれなかった。




 


続く
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