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【浮気な彼氏#7-2】
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食事を終え、ご馳走様でしたと店を出て言うと彼は良いよと笑って答えた。
それじゃ・・と帰ろうとしたら、ちょっと待ってよと呼び止められる。
「最後に俺のお願い聞いてくんない?」
こんな高いもの奢られといて、イヤって言えなかった。
「俺ん家まで一緒に来て欲しいな。コーヒーふたりで飲みたいだけなんだよな~」
「うわっずる!」
「良いだろお。それに君ちょっと酔い回ってるでしょ?少し休んだ方が効率良いんじゃない、仕事の納期迫ってるって昨日言ってたしさあ」
うっ自分のついた嘘に首を絞められる辛さよ・・!
何やかんやと言いくるめられ、結局僕は一緒に暁都さん家に行くことにした。
『次は我慢しないよ』なんて言われてる人の家に。なんてことだ・・。
久しぶりに連れてこられた暁都さんの家。
相変わらず綺麗に片付いていて、ほこりひとつ落ちていなかった。
聞けばたまに業者の人呼んで掃除やってもらってるらしかった。だからかあと納得した。それにしてもお金余ってるんだなあ・・。
促されるままに、僕はキッチンで2人分のコーヒーを淹れる。機嫌よく後ろにくっついてきて邪魔する暁都さん。
「変なとこ触んないで・・っ!」
「良いじゃん海外のホームドラマとか大体こんな感じでしょ?カップルでやたらイチャイチャしてさあ。スゲーよね」
「ここ日本ですよお。あと僕らカップルじゃn」
「あ~何も聞こえないな~」
結局ずっとくっつかれたまま、何とかコーヒーを淹れ終えた。どうぞとテーブルに置き、向かい合って座った。
「良いねえ君。俺の奥さんみたいで」
「家政婦でしょ?」
「え、住み込みしてくれるの!?」
「しませんけど!?」
なんて軽口を叩いて見せたものの、2人っきりの家。なんか突然どうにかされたらどうしよう・・なんて警戒心が内心解けなかった。
だから早々にコーヒーを飲み終えて、僕は帰ろうとした。立ち上がると、え~もう?と残念そうな暁都さん。
渋々玄関先まで見送りに来てくれたんだけれど。
それじゃと僕が扉を開けて帰ろうとしたら、呼び止められた。
「ね、これなーんだ?」
彼がひらひらと振ってみせたのは・・僕の財布、と携帯!?いつの間に・・キッチンか!
「か、返して!」
飛びつくと、彼は飛びのいてモノを宙にかかげてみせた。そして彼は、にやにやと家の奥までそれらを持って走って逃げて見せた。
「ちょっと!?」
雑に靴を脱いでまた家に上がった。彼に飛びついた。僕を片手で抱き止めて彼は言った。
「やだね返さない。君の決心つくまで俺ん家にいてよ」
「どういうこと!?」
「君さあ、俺と元彼でずっと迷ってるでしょ?俺待つの性に合わないんだよね。だからさ、俺と一緒にしばらく住もうよ?そうすれば君は俺に傾かざるを得ない」
「そんな・・っ」
言うや否や、僕をぽんとソファに押し倒しその足でどっか別の部屋に足速に駆けて行った。
待ってと追うと、戻ってきた彼にぶつかった。
「財布は金庫にしまってきた。これで帰れないね。・・ま、金のことで不自由はさせないからさ、安心してよ」
ニコと笑って彼は言った。絶句した僕。
「携帯はしばらく俺が預かる」
暁都さんがそういった丁度そのタイミングで、元彼から電話が掛かってきた。
来た、とばかりにニッと笑うと彼は勝手に電話に出た。
「もしもし?俺の恋人にもう電話して来んなよ?そんじゃな」
ブツリと電話を切った。ごめんねえと彼は言ったが、反省の色なんかまるで無かった。
退路を塞がれ、僕は冷や汗が背中を伝うのを感じていた。
続く
それじゃ・・と帰ろうとしたら、ちょっと待ってよと呼び止められる。
「最後に俺のお願い聞いてくんない?」
こんな高いもの奢られといて、イヤって言えなかった。
「俺ん家まで一緒に来て欲しいな。コーヒーふたりで飲みたいだけなんだよな~」
「うわっずる!」
「良いだろお。それに君ちょっと酔い回ってるでしょ?少し休んだ方が効率良いんじゃない、仕事の納期迫ってるって昨日言ってたしさあ」
うっ自分のついた嘘に首を絞められる辛さよ・・!
何やかんやと言いくるめられ、結局僕は一緒に暁都さん家に行くことにした。
『次は我慢しないよ』なんて言われてる人の家に。なんてことだ・・。
久しぶりに連れてこられた暁都さんの家。
相変わらず綺麗に片付いていて、ほこりひとつ落ちていなかった。
聞けばたまに業者の人呼んで掃除やってもらってるらしかった。だからかあと納得した。それにしてもお金余ってるんだなあ・・。
促されるままに、僕はキッチンで2人分のコーヒーを淹れる。機嫌よく後ろにくっついてきて邪魔する暁都さん。
「変なとこ触んないで・・っ!」
「良いじゃん海外のホームドラマとか大体こんな感じでしょ?カップルでやたらイチャイチャしてさあ。スゲーよね」
「ここ日本ですよお。あと僕らカップルじゃn」
「あ~何も聞こえないな~」
結局ずっとくっつかれたまま、何とかコーヒーを淹れ終えた。どうぞとテーブルに置き、向かい合って座った。
「良いねえ君。俺の奥さんみたいで」
「家政婦でしょ?」
「え、住み込みしてくれるの!?」
「しませんけど!?」
なんて軽口を叩いて見せたものの、2人っきりの家。なんか突然どうにかされたらどうしよう・・なんて警戒心が内心解けなかった。
だから早々にコーヒーを飲み終えて、僕は帰ろうとした。立ち上がると、え~もう?と残念そうな暁都さん。
渋々玄関先まで見送りに来てくれたんだけれど。
それじゃと僕が扉を開けて帰ろうとしたら、呼び止められた。
「ね、これなーんだ?」
彼がひらひらと振ってみせたのは・・僕の財布、と携帯!?いつの間に・・キッチンか!
「か、返して!」
飛びつくと、彼は飛びのいてモノを宙にかかげてみせた。そして彼は、にやにやと家の奥までそれらを持って走って逃げて見せた。
「ちょっと!?」
雑に靴を脱いでまた家に上がった。彼に飛びついた。僕を片手で抱き止めて彼は言った。
「やだね返さない。君の決心つくまで俺ん家にいてよ」
「どういうこと!?」
「君さあ、俺と元彼でずっと迷ってるでしょ?俺待つの性に合わないんだよね。だからさ、俺と一緒にしばらく住もうよ?そうすれば君は俺に傾かざるを得ない」
「そんな・・っ」
言うや否や、僕をぽんとソファに押し倒しその足でどっか別の部屋に足速に駆けて行った。
待ってと追うと、戻ってきた彼にぶつかった。
「財布は金庫にしまってきた。これで帰れないね。・・ま、金のことで不自由はさせないからさ、安心してよ」
ニコと笑って彼は言った。絶句した僕。
「携帯はしばらく俺が預かる」
暁都さんがそういった丁度そのタイミングで、元彼から電話が掛かってきた。
来た、とばかりにニッと笑うと彼は勝手に電話に出た。
「もしもし?俺の恋人にもう電話して来んなよ?そんじゃな」
ブツリと電話を切った。ごめんねえと彼は言ったが、反省の色なんかまるで無かった。
退路を塞がれ、僕は冷や汗が背中を伝うのを感じていた。
続く
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