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【浮気な彼氏#4-2】
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『新しい男できた?』 『俺はずっと好きだから』
それは何人の女の子に同じこと言ってるんだい・・?無性に虚しかった。
同じ画面を覗き込むアキトさんは言った。
「あ、コイツ?前の男。すげ諦めないね~。新しい男出来た?ってお前が新しい女いんだろって俺が返信してやりたいくらいだわ」
アキトさんの声が遠くに聴こえる。
なんだかな。感情がぐちゃぐちゃだ。 元彼なんかもう良いって思ってたのに、こんなにもショック受けてる。
僕はいつになったら本当に自由になれるのだろう・・。
ふいに、パッとアキトさんは僕の携帯を取り上げ電源を切って自身のポケットにしまった。
「何するんですか!」
「携帯があるからそうやって落ち込んだよ。俺が海に捨ててきてやろうか」
「そんな、困ります」
「じゃあ俺が持っててやるよ。それにな、元彼をブロック出来ないんだから、誰か他の奴と一緒にいた方がいいぜ。じゃないと君、コイツにまた会っちまいそう」
ってことで今から俺ん家で飲み直そうぜと、割と強引にそのまま僕は連行された。
訪れたのはコンクリート打ちっぱなしの近代的なデザインのマンション。
部屋に入ると、抽象的な絵が何点か飾られている以外はモノがほとんどない。掃除も行き届いていて埃もない。
生活感のまるでない家だった。
彼の少し神経質そうな雰囲気の出どころがわかった気がした。
「何飲む?」
通されたリビングには対面のキッチン。
その整理されたキッチンには、お酒のボトルやリキュールがずらり。本当にお酒が好きらしい。
とりあえずとハイボールを頼んでみた。 ちょっと待ってなとお酒を準備する姿はサマになった。
『俺のこと試してみない?』
昨日の台詞を頭をよぎる。
そう言って初めて会った日に手を繋いでくるような男の人の家に、来て良かったんだろうか・・?
間接照明に浮かぶ彼の美しい横顔にどきりとする。よくないドキドキを誤魔化すように僕は聞いた。
「・・そういえば、どんな小説書いてるんですか?」
「純文学っていう、娯楽性よりも芸術性を追求したキザ~な文章書いてるよ。一応代表作はね・・」
そう彼がいくつか挙げた小説名は疎い僕でも知っていた。有名な賞取ったとか話題になったやつだ。
あの作家名ってAkitoだったよな。だからか。素性が不明って言われてたけど、目の前にいるこんな男性だったんだな。
アキトさんが入れてくれたお酒で乾杯とグラスを合わせた。高そうなグラス。
ふかふかな皮張りのソファに並んで座る。
「まあそんな訳でさ、前の男はもう辞めよ。とりあえず俺と付き合ってみれば良いと思うし」
とんでもないことをサラリと言ってくる。
「や、そんなとりあえずとか、無理です」
「柔軟に生きないとあっという間に君ハゲちゃうよ? それに偽装結婚から本物の愛が芽生える、みたいな小説とかあるし?俺たちも案外そうなるかもよ?」
「あれは小説だからでしょ!」
「あ、そんなツレないこと言うと君が主人公の官能小説書いちゃうよ?相手俺。
『無骨な手がその柔らかなソコを撫で・・』」
「!?ヤダヤダ辞めて下さい!!」
いきなりの朗読に顔がカアッと熱くなって慌てて相手の口を塞いだ。
「ソコってへそのことだよ?何考えてんだかやだね~」
くすくすと彼は意地悪そうに笑った。弄ばれている、くそぉ・・
「ね?俺といると退屈しないでしょ?やっぱ俺にしときなよ」
そう言って僕の手の甲にキスをした。またひとつ心臓がどきりと跳ねた。
続く
それは何人の女の子に同じこと言ってるんだい・・?無性に虚しかった。
同じ画面を覗き込むアキトさんは言った。
「あ、コイツ?前の男。すげ諦めないね~。新しい男出来た?ってお前が新しい女いんだろって俺が返信してやりたいくらいだわ」
アキトさんの声が遠くに聴こえる。
なんだかな。感情がぐちゃぐちゃだ。 元彼なんかもう良いって思ってたのに、こんなにもショック受けてる。
僕はいつになったら本当に自由になれるのだろう・・。
ふいに、パッとアキトさんは僕の携帯を取り上げ電源を切って自身のポケットにしまった。
「何するんですか!」
「携帯があるからそうやって落ち込んだよ。俺が海に捨ててきてやろうか」
「そんな、困ります」
「じゃあ俺が持っててやるよ。それにな、元彼をブロック出来ないんだから、誰か他の奴と一緒にいた方がいいぜ。じゃないと君、コイツにまた会っちまいそう」
ってことで今から俺ん家で飲み直そうぜと、割と強引にそのまま僕は連行された。
訪れたのはコンクリート打ちっぱなしの近代的なデザインのマンション。
部屋に入ると、抽象的な絵が何点か飾られている以外はモノがほとんどない。掃除も行き届いていて埃もない。
生活感のまるでない家だった。
彼の少し神経質そうな雰囲気の出どころがわかった気がした。
「何飲む?」
通されたリビングには対面のキッチン。
その整理されたキッチンには、お酒のボトルやリキュールがずらり。本当にお酒が好きらしい。
とりあえずとハイボールを頼んでみた。 ちょっと待ってなとお酒を準備する姿はサマになった。
『俺のこと試してみない?』
昨日の台詞を頭をよぎる。
そう言って初めて会った日に手を繋いでくるような男の人の家に、来て良かったんだろうか・・?
間接照明に浮かぶ彼の美しい横顔にどきりとする。よくないドキドキを誤魔化すように僕は聞いた。
「・・そういえば、どんな小説書いてるんですか?」
「純文学っていう、娯楽性よりも芸術性を追求したキザ~な文章書いてるよ。一応代表作はね・・」
そう彼がいくつか挙げた小説名は疎い僕でも知っていた。有名な賞取ったとか話題になったやつだ。
あの作家名ってAkitoだったよな。だからか。素性が不明って言われてたけど、目の前にいるこんな男性だったんだな。
アキトさんが入れてくれたお酒で乾杯とグラスを合わせた。高そうなグラス。
ふかふかな皮張りのソファに並んで座る。
「まあそんな訳でさ、前の男はもう辞めよ。とりあえず俺と付き合ってみれば良いと思うし」
とんでもないことをサラリと言ってくる。
「や、そんなとりあえずとか、無理です」
「柔軟に生きないとあっという間に君ハゲちゃうよ? それに偽装結婚から本物の愛が芽生える、みたいな小説とかあるし?俺たちも案外そうなるかもよ?」
「あれは小説だからでしょ!」
「あ、そんなツレないこと言うと君が主人公の官能小説書いちゃうよ?相手俺。
『無骨な手がその柔らかなソコを撫で・・』」
「!?ヤダヤダ辞めて下さい!!」
いきなりの朗読に顔がカアッと熱くなって慌てて相手の口を塞いだ。
「ソコってへそのことだよ?何考えてんだかやだね~」
くすくすと彼は意地悪そうに笑った。弄ばれている、くそぉ・・
「ね?俺といると退屈しないでしょ?やっぱ俺にしときなよ」
そう言って僕の手の甲にキスをした。またひとつ心臓がどきりと跳ねた。
続く
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