浮気な彼氏

月夜の晩に

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【浮気な彼氏#3-2】

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1人で外でご飯食べて、宿に戻って。パソコンを開いて、僕は仕事を始めた。


デザインの仕事をめちゃくちゃやることにした。趣味で副業してて本当良かった。生活費、稼がなきゃね。

仕事漬けにしてしまえば、きっと彼のことも忘れられる、そう思った。




カチャカチャとキーを打つ音が響く。

ハッと気づけばあたりは薄暗くなっていた。もう夕方か。

今日は大分進んだし、もう良いかな。

コーヒーでも飲むかと立ち上がる。
お湯を沸かしている間、ふと浮かんだのは・・


ーLINE、見ろよな!


あんなこと言ってたな。



・・僕にどんなメッセージ、送ってるんだろう・・?

いや、もう言い訳なんか見たくないし。言いくるめられるのがオチだ、きっと。


そう分かってるはずなのに、どうしてもLINEが気になってしまった。



珍しく切羽詰まっていた彼。あの電話の声を聞かなければ、LINEを見ようかなんて思いもしなかっただろうけど。


・・見るだけなら、良いかな?


部屋掃除したり温泉入りながら、
迷いに迷いにまよって。

その日の夜、僕はおそるおそる、彼のLINEのブロックを解除した。





解除した途端、すぐにメッセージが来た。

『会いたい』

やばい、既読にしちゃった。

慌ててアプリを閉じた。

でも通知がどんどん携帯にくる。


『ブロック解除してくれたんだ?ありがと』

『この間の子、本当に何でもないんだ』



『付き合ってくれって言われてずっと断ってたんだけど。付き合ってくれないなら死んでやる!って脅されてさ。
恋人いるからって断ってたんだけどしつこくてさ。

一晩裸であっためてくれたらそれで諦めるからって言うから仕方なく泊めただけ。誓って何もしてない。俺を信じてよ』



『大好きだよ』




次々に来るメッセージに、釘付けになってしまった。心臓がソワソワしてしょうがなかった。


脅し、なんだ。そうだったの?ならやり直してもいいんじゃない?という僕と。


いや嘘に決まってるだろ。裸であっためるだけで終わりとかないでしょ。という僕と。



信じたい僕と、自分を守りたい僕がせめぎ合っていた。




『お前がいなくなって、お前の大事さが本当によく分かったよ』

『俺にはお前しかいない』

心臓がドキンと跳ねた。



ずっと欲しかった言葉がずらずらと並んでいたんだ。


『今どこにいるの?会いに行くから』



そのメッセージを見て、僕は携帯を放り投げた。こんなんじゃダメだ。ダメなんだ。会っちゃいけない人なんだから彼は。





もういっそ寝てしまおうと頭から布団をかぶった。でもどうにも胸がざわざわして寝付けなかった。それに時間も早かったし。


1人の部屋ではポツンとさみしくて。



誰でも良いから、人のいる場所に行きたい。そう思って僕は出かけることにした。夜22時。




続く
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