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【浮気な彼氏#9-1】元彼に諦めてもらうには既成事実が必要?
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照明を落とし、ぼんやりとした間接照明のみ点けた暁都さんの寝室で。
「ねえそんな怒らないでよお」
と、猫撫で声が聞こえる。
床に敷いた布団から、ニヤニヤと笑いを噛み殺した暁都さんが話しかけてきた。
僕はそのすぐ隣のベッド潜りつつ、もそりと彼に背を背けた。そして冷たく一言。
「もう暁都さんなんか知りません」
さっき、元彼と三者面談とか無理です!てちゃんと断ったのに。
言ったそばから、暁都さんは僕も同席すると元彼に即ラインしちゃったんだ。さすがに僕もキレていた。
だからこうして寝る間際になっても僕らは険悪な雰囲気な訳なんだけど・・
暁都さんは終始あんな感じでへらへらしてて、僕だけが怒ってるっていうのが正しい表現だった。それが更に僕を苛つかせていた。
反省の色ゼロの猫撫で声は続く。
「ねえってばー」
「・・・」
「何か言ってよお。おじさん寂しいわあー」
「・・・」
無視無視。
「ねえー!俺も一応反省してさあ、ちゃんと寝床分けたじゃん。それで許してよ」
「それは当たり前ですけど!?」
「あ、やっと口聞いてくれた♪」
くそ・・!
「大体ね、小さいことでカリカリしちゃダメだよもしかして更年期?
・・って来るなら俺が先かあ」
って言って自分でケラケラ笑う暁都さん。
「この・・っ!」
人をおちょくるのも良い加減にしてって言おうと思って起き上がって振り返った。間接照明のみの薄暗闇の中、悪戯な瞳が僕を見つめていた。
「あ、やーっとこっち見た。君の負け」
彼はニッと笑った。そして僕が何か言う前に、ダダッと勢い良く布団から出てきたかと思うとベッドに潜り込んできた。
どさくさに紛れて布団の下で抱きしめられて・・!
「俺やっぱこっちで寝よーっと♪」
「最低!離して!邪魔!!」
「何でだよ元は俺のベッドだろうがよお」
「く・・!」
彼の首元からフワと何とも良い匂いがした。
シャンプーとか香水とかじゃない、多分本人の体臭。それが僕の鼓動をどきどきと押し上げた。
ベッドで2人きりって、これは余りにもやばい・・!そう思って布団の下もそもそと暴れた。なのに全然拘束が解けなくて!
僕は悲痛な気持ちで叫んだ。
「も・・悪ふざけが過ぎますよ!離して!」
すると突然、僕の視界はぐるんと周り虚を突かれた。暁都さんが僕を組み敷いていた。押さえつけられて動けない!
「・・ところでさあ、元彼に諦めてもらうには既成事実が必要だと思わないか?」
真剣な声音。怖いくらいに。今までのふざけた空気は一瞬にして消え去り、彼はじっと僕を見下ろしていた。
「・・変な冗談はやめて・・」
「冗談じゃねえ。茶番はおしまい」
続く
「ねえそんな怒らないでよお」
と、猫撫で声が聞こえる。
床に敷いた布団から、ニヤニヤと笑いを噛み殺した暁都さんが話しかけてきた。
僕はそのすぐ隣のベッド潜りつつ、もそりと彼に背を背けた。そして冷たく一言。
「もう暁都さんなんか知りません」
さっき、元彼と三者面談とか無理です!てちゃんと断ったのに。
言ったそばから、暁都さんは僕も同席すると元彼に即ラインしちゃったんだ。さすがに僕もキレていた。
だからこうして寝る間際になっても僕らは険悪な雰囲気な訳なんだけど・・
暁都さんは終始あんな感じでへらへらしてて、僕だけが怒ってるっていうのが正しい表現だった。それが更に僕を苛つかせていた。
反省の色ゼロの猫撫で声は続く。
「ねえってばー」
「・・・」
「何か言ってよお。おじさん寂しいわあー」
「・・・」
無視無視。
「ねえー!俺も一応反省してさあ、ちゃんと寝床分けたじゃん。それで許してよ」
「それは当たり前ですけど!?」
「あ、やっと口聞いてくれた♪」
くそ・・!
「大体ね、小さいことでカリカリしちゃダメだよもしかして更年期?
・・って来るなら俺が先かあ」
って言って自分でケラケラ笑う暁都さん。
「この・・っ!」
人をおちょくるのも良い加減にしてって言おうと思って起き上がって振り返った。間接照明のみの薄暗闇の中、悪戯な瞳が僕を見つめていた。
「あ、やーっとこっち見た。君の負け」
彼はニッと笑った。そして僕が何か言う前に、ダダッと勢い良く布団から出てきたかと思うとベッドに潜り込んできた。
どさくさに紛れて布団の下で抱きしめられて・・!
「俺やっぱこっちで寝よーっと♪」
「最低!離して!邪魔!!」
「何でだよ元は俺のベッドだろうがよお」
「く・・!」
彼の首元からフワと何とも良い匂いがした。
シャンプーとか香水とかじゃない、多分本人の体臭。それが僕の鼓動をどきどきと押し上げた。
ベッドで2人きりって、これは余りにもやばい・・!そう思って布団の下もそもそと暴れた。なのに全然拘束が解けなくて!
僕は悲痛な気持ちで叫んだ。
「も・・悪ふざけが過ぎますよ!離して!」
すると突然、僕の視界はぐるんと周り虚を突かれた。暁都さんが僕を組み敷いていた。押さえつけられて動けない!
「・・ところでさあ、元彼に諦めてもらうには既成事実が必要だと思わないか?」
真剣な声音。怖いくらいに。今までのふざけた空気は一瞬にして消え去り、彼はじっと僕を見下ろしていた。
「・・変な冗談はやめて・・」
「冗談じゃねえ。茶番はおしまい」
続く
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