浮気な彼氏

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【浮気な彼氏#7-1】気になる人の家に行ってコーヒーだけで済むわけなかった

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『仕事お疲れ~昼飯食いにちょっと出てこない?旨いもん食べに行こ』


翌日10時。めげずに暁都さんから来たメッセージに僕はすこしホッとしていた。


昨日は車出してもらってコスモス見に行って1日デートして、その癖そっけなかった僕に暁都さんは愛想つかしちゃったかな、なんて内心で心配していたから。



その気持ちに応える勇気はないけれど、でも好かれてはいたい最低な僕・・。

迷ったけど、行きますとだけ返信した。ランチくらいなら良いよね?

・・って思ったんだけど、それが大いなる間違いだったんだ。









財布と携帯をお尻のポッケに差し込んで、僕は出かける準備を整えた。

12時頃、旅館前まで迎えに来た暁都さん。

昨日とはまた打って変わってカジュアルな服装だったが、それでも渋くてカッコ良かった。結局顔が良いってのが一番のお洒落なのかもしれない。平凡な僕には縁のない話だが・・。





何だか気後れしていたら、向こうからお疲れ~と声を掛けられてそのまま捕まった。

僕が行ったことのない道を2人並んで歩き出す。何話したら良いか分からず、しどろもどろで切り出した。



「今日もお洒落なんですね」

 「うん?そう?君もその白のニット良いじゃん俺好きだよそういうの」

 「え、そうですか?」
             


パッと顔を上げた。センスの良い人に褒められると嬉しいな、なんて思ってたのに。
       


「まあ君が裸が一番だと思うけどね」
 「・・!!」



ぺしんとその肩を打ってやった。ケラケラと暁都さんは笑った。



「何でそうセクハラばっかり言うんですか?黙ってれば只のイケメンなのに」

「男っていうしょうもねえ生き物だからだよ。好きな子にちょっかい出してないと死んじゃうんだよねえ俺」
「・・だっさ!!」




そう言い返してやった。日常会話に告白を混ぜ込んでくるのってイケメンの常套手段なんだろうか。




「まあまあ怒んないでよ」 

軽い調子で彼は言い、続けた。

「今日旨い釜飯屋さん連れてくし俺の奢りだからさあ許してよ?そこ刺身もうまいし。ちょっと高めだから人も少なくて静かでさ、俺のおすすめだよ」


「お店でまた変なこと言ったら途中で帰りますからね?」


わあかったよおと残念そうに彼は言った。 さっきのお詫びにあんみつも付けることで合意した。





その後お店への行きの道中、やいやいと話し合ったものの、暁都さんは『僕に今後セクハラを言わない&しないこと』に関しては頑なに同意しなかった。





案内されたお店は和風の雰囲気の良いところだった。静かだし、落ち着くし、確かに良い場所だった。


ただメニューの値段みたらちょっと高いどころじゃなかったんで冷や汗でたけど・・!



僕自分で出しますから!と言ったら、俺に素直に奢られとけよと封じられてしまった。


申し訳ないがありがたく食事を頂いた。そして昼からビールまで飲んじゃった。彼が勧めてくるままに、そのまま冷酒も・・。午後仕事進むかなあ・・?なんてぼんやりした頭で思った。




他愛もない話で笑い合う。一緒にいるのはやっぱり楽しい人だ。カッコいいし、頭も良いし、僕も好ましくは思ってる。迷わず飛び込めたら、良いんだろうけれど・・。




ただ時折机の下で時折ちょっかい出してくるのは辞めて欲しかった。恥ずかしいから・・。







続く
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