浮気な彼氏

月夜の晩に

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【浮気な彼氏#2-1】浮気した彼氏から逃げて逃げて逃げた先

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深夜のファミレスには、訳ありな雰囲気の人が多いような気がする。


あの子もあの人も、どうしてこんな時間に1人でいるんだろう。


家に帰れない、だけど1人にはなりたくない人が、結構いるものなのかもしれない。僕以外にも・・。


随分薄味のアイスティーを前に、僕はここ数時間ぐるぐる考えていたことをようやく決心した。



家を出よう。 彼ともう終わりにしよう。
そして仕事も辞めて、どこか遠い場所で人生をやり直そう。


そう決めた。


後は明日の朝になるまでここで粘って、彼が会社に出た頃を見計らい、荷物を整理してしまおう。

ファミレスのいやに強力な冷房に震えながら過ごす夜、残り7時間・・







会社に今日は休みますとまずは一報を送った。


そして絶対に彼が会社に行っています様にと祈りながらそうっとドアを開けた。


彼の革靴がないことを確認して、ものすごくほっとした。


もともとそんなに私物は多くないし、整理はすぐに終わるだろう、そう思ってはいたのだが・・。



久しぶりにある僕の収納ボックスを開けたら中のものはなくなってて、代わりに女の私物が詰め込まれていた。


なんか凄くいかがわしい下着、ヘアアイロン、ワンデーコンタクト・・それから生理用ナプキン。


バン!と音を立てて箱をしまった。怒りに任せてドカンと蹴ってしまった。


一度収まっていた怒りと悲しみが溢れて、涙が止まらなくなってしまった。


ふうふうと荒い息を吐いて、荷物の整理を続けた。
ーいつからだろう?

いつからあの女、家に上がり込んでいたんだろう? 昨日が初めてじゃなかった?


もしかして、僕がすこし出かけてる間とか、実家にちょこっと帰ってる時とかも、来てたー・・?



彼とやり直したいなんて甘っちょろい事考えてた過去の自分を心の中で強く強くビンタした。


昨日手土産を投げ捨てたゴミ箱は、カラになってた。そこには、くちゃくちゃの紙屑と封をあけたゴムの袋だけポツンと落ちてて・・



吐き気まで込み上げる。頭がガンガンと痛い。
最後に嫌なもん見るんじゃなかった!


本当に必要なものだけ持って、もう何もわき目も振らずに家を出た。

2人で暮らした思い出の家。さようなら。 これからはあの女と暮らせば良いさ。おしあわせに。





そして逃げ込んだ電車で1時間程のところにある安いビジネスホテル。


しばらくここが僕の根城。 荷物多いから汗だくだった。


冷たいアイスティーを一気飲みして一息ついて。
殺風景な部屋で、ポツンと1人。


彼と付き合い始めた日のことが頭に浮かんだ。あんなに好きって言ってくれたのに・・。




急にまた泣けてきて、どうしようもなく僕はわんわん泣いた。




続く
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