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【ヤンデレメーカー#15】嫉妬で窒息

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僕を見るなり立ち上がって駆け寄ってきた。

「…良かった、藍!」

息も出来ないくらいに強く抱きしめられた。

「連絡取れないからどっかでどうにかなってんじゃないかって…ずうっと心配だった!撮影が長引いて抜けれないしで俺は…!」


ぐいとテディの体を押して引き剥がした。

「…藍?」
「心配させちゃってゴメン、本当。…その、亜蓮さんと一緒にいたんだ」
「亜蓮のやつ、また無理やり藍を…!」
頬に手を添えられるのをそっと引き剥がした。
「違うよ、自分の意志…」
「…藍…」


その時のテディのショックと哀しみに打たれたような顔はずっと忘れられそうもない。失恋させてしまっただろうか。ごめんよテディ。
僕は見ていられなくて下を向いた。

「亜蓮の方がすき…?」
「……ん」
「亜蓮がすき…?」
「……」

頷いちゃったらこの子どうなっちゃうんだろうと思って僕はただ俯いたまま。

「そんなの…絶対許さない…」

震える声が頭上で聞こえた。調子良く一緒にいた僕のこと呆れたかな。ぶん殴られちゃうかなと身を固くした。

「こっち来いよ、藍!」

憎しみまじりの哀しい声が廊下に響いた。
殺されるより酷い目に遭うぞと本能が叫んだ。




***




押し込まれるようにして連れてこられたのはテディの部屋。離してもやめても言えぬまま、僕はバスルームにそのまま押し込まれた。

寒々しいバスルームの床に座らされ、本気でブチギレているテディを見上げた。

「どうして亜蓮なの?1番最初に知り合ったのも、1番仲良しだったのも俺じゃん!」

キレすぎた目の淵がほんのり赤い。

「俺の方が先に好きって言ったよね!?…なのに藍は俺の想いに応えてくれなかった!」

胸が苦しくなる。確かにテディはテディなりに僕に懐いて好意を寄せてくれていた。


何もいえない僕に、テディはしゃがみ込んできた。辛くて呼吸もままならないみたいな様子で彼は言った。

「俺…マミーいないって言ったじゃん。3歳の時に死んじゃったんだよ。俺に温もりをくれよお藍」

そういって僕に縋るみたいにして抱きついてきたテディ。

「…ぼ、僕は君のお母さんにはなれないよ」
「マミーになって欲しいんじゃない。…マミーみたいにやさしい藍に側にいて欲しい。ただそれだけ。俺の方を向いてよお、藍」


さらにギュウと抱きしめられる。それだけ寂しかったんだなあと肌で伝わる辛さ…。

「亜蓮のにおいがする。こんな藍は大っ嫌いだ。嫉妬で俺、息も出来ない」

ズキッと胸を刺す。そうだよね、こんな曖昧で良い加減な奴、だいっきらいだよね。

「…亜蓮の匂い、今すぐ消さなきゃ」

シャワーを出すと、服着たままの僕にそのまま湯を浴びせてきた!

「や、ちょっと!」

ザバアアア!と勢いよく服の上からシャワー浴びせられていく。あっという間にお湯を含んで重くなっていく洋服。ずっしりと鉛を着ているみたいだ。


「それで、それでさ。亜蓮のこと全部綺麗に忘れられるまでここで一緒に過ごそ、ね?」
狂気がギラつく瞳が僕を捉えていた。
 



 
 
続く
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