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終章 いざ! 世界征服へ!
50話 白石伊志子との対話
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バナナ遊園地に行った土曜日の騒動から二日が経った。
イビルンを倒した私たちは、先輩との交渉のうえ、魂の食事から一時延期を言い渡してやった。
まずイビルンを制圧し、先輩の説得するのには骨が折れた。しかし何とか説得に応じて貰えた。
その理由は、先輩との関係を更新することだった。すなわち結婚を前提としたお付き合い。
こうすれば、親族の魂喰らいが一時的に中断されることにあった。それと契約内容の見直しだ。
元の契約内容は私たちクレヴァナルのメンバーの成長であったが、これからはクレヴァナルのメンバーとして卒業後も世界征服に励ことにあった。
こういういきさつから先輩を無事に悪魔界から救出することに成功した。
その後はビーブリオテーカ様とソリトゥス様とクリスチャンと遊園地のオーナーさんと合流した。
なんとか警察沙汰にはならずに済んだということだ。
そして帰って早々夜のこと、クレヴァナルのメンバーのラインのやり取りで、私が先輩と恋人同士になることに驚き、祝福してくれたのだった。この時の私はあまりの恥ずかしさにベットで悶絶していたのだ。
そして次の日の日曜日は動画の編集作業に明け暮れた。午前8時から、午後の24時まで掛かった。しかしこれで当分は動画のストックが出来たので安心できた。
そして今日の月曜日、学校で授業を受け、お昼ご飯を食べ、放課後に部活動、もといクレヴァナルの集会に参加する予定だ。
放課後の廊下の窓から野球部が走り込みをしているのが見える。階段の踊り場の窓から陸上部が準備運動をしているのが見えたりする。
時刻は午後の16時、私はいつものようにゴスロリファッションでバステトを連れて歩いていたところで、これからオカルト研究部、もとい大邪神殿に向かっているところだった。
その時、正面から同じ学年で同じクラスの少女が現れた。彼女の名前は白石伊志子、通称――守護天使カトリック――がカッポカッポと歩いてきた。
「ごきげんよう」
私は挨拶をしていた普段ならすれ違う程度で済ませた今日は気分が良かったので声を掛けてみた。
「こんにちは黒井さん」
この子は実は言うとこの御剣星座標学園の理事長の一人娘であるらしく教師すらたじろいでしまうほどの威圧感を持っているのだが、
(どうしたんだろう。無表情なのに凄くご機嫌に見えるのは気のせいかしら)
「……見ましたわ。あなたの動画、バナナ遊園地で随分ご活躍されたみたいですね。母からも聞きました。バナナ遊園地のオーナーさんから連絡があり、廃墟として放置した遊園地を再園させるようですね」
「それは本当かしら!」
「ええ、昨日連絡がありましたの。それで、あなた方を今度招待したいと申してましたわ。いつ頃になるかはまだ未定みたいですけど……」
「どこか、嬉しそうね。まさかあなたも招待されたりしたのかしら」
「まさか……私はですね、これでも喜んでいるんですよ。あなた方オカルト研究部が学内ではなく、学外に奉仕活動に行ったことを」
「あら、いつもは剣幕な表情で私たちの大邪神殿に足を踏み入れてくるというのに……」
「そう、敵視しないでください。私の噂ぐらい知っています。おっかない次期生徒会長……いつもの剣幕も学校のことを考えてのことなんですから……それとその邪神殿というところにはもう足を踏み入れてきましたから……」
「何か用事でもあったのかしら」
「オカルト部の件についてですよ……廃部が近いと言ったでしょう……? ちょっとした報告をしに行きました」
「報告?」
「今後も学外による奉仕活動を続けるのであれば、オカルト部の存続を認めましょうということです」
「そう……それはいい報告だわ」
「…………」
「なぁに? 人の顔をまじまじ見て」
「いえ、実際の黒井さんは動画の性格とかけ離れているので、口にしづらいというか、何と言うか、凄く新鮮な気分で……」
「あなた、もしかして私の動画を見ている使い魔だったりするの? 例えばチャンネル登録者だったり、ツイッターのフォロワーだったり……」
「――さてと、それはどうでしょうね」
(はぐらかすということは何かあるわね)もしかして、今回の遊園地の一件を持ち出した機関の工作員なのではなくて……」
「ふふふ、そちらの方がデイネブリスパピヨンらしいです。お会いできて光栄です」
「私の質問は無視かしら……」
「ご想像にお任せします。ふふふ、本当はサインを書いてほしいところですけどあいにく持ち合わせもありませんしいずれということで……お願いしますね」
「その様子からすると今朝投稿した動画も見られてしまっているのかしら……」
「恐怖のバナナ遊園地シリーズ第一弾、お化け屋敷のお化けを退治してみた。ですか? ええ見ましたよ。よくできたCGですね。見てて退屈しなかったです。叫び声も結構かわいかったですよ」
「思い出させないでちょうだい。呪うわよ」
「ふふふ、それは困ります。では、私はこの辺で、恐怖のバナナ遊園地シリーズ第二弾も期待していますから、その調子で頑張ってください。では失礼します」
そうして守護天使カトリックは過ぎ去っていった。
(……私にツイッターで助言をしたのが、彼女…………やっぱりそんな偶然ありえないわね)
私もその場を去ることにした。向かうは廃部を阻止したオカルト研究部、もとい大邪神殿であった。
イビルンを倒した私たちは、先輩との交渉のうえ、魂の食事から一時延期を言い渡してやった。
まずイビルンを制圧し、先輩の説得するのには骨が折れた。しかし何とか説得に応じて貰えた。
その理由は、先輩との関係を更新することだった。すなわち結婚を前提としたお付き合い。
こうすれば、親族の魂喰らいが一時的に中断されることにあった。それと契約内容の見直しだ。
元の契約内容は私たちクレヴァナルのメンバーの成長であったが、これからはクレヴァナルのメンバーとして卒業後も世界征服に励ことにあった。
こういういきさつから先輩を無事に悪魔界から救出することに成功した。
その後はビーブリオテーカ様とソリトゥス様とクリスチャンと遊園地のオーナーさんと合流した。
なんとか警察沙汰にはならずに済んだということだ。
そして帰って早々夜のこと、クレヴァナルのメンバーのラインのやり取りで、私が先輩と恋人同士になることに驚き、祝福してくれたのだった。この時の私はあまりの恥ずかしさにベットで悶絶していたのだ。
そして次の日の日曜日は動画の編集作業に明け暮れた。午前8時から、午後の24時まで掛かった。しかしこれで当分は動画のストックが出来たので安心できた。
そして今日の月曜日、学校で授業を受け、お昼ご飯を食べ、放課後に部活動、もといクレヴァナルの集会に参加する予定だ。
放課後の廊下の窓から野球部が走り込みをしているのが見える。階段の踊り場の窓から陸上部が準備運動をしているのが見えたりする。
時刻は午後の16時、私はいつものようにゴスロリファッションでバステトを連れて歩いていたところで、これからオカルト研究部、もとい大邪神殿に向かっているところだった。
その時、正面から同じ学年で同じクラスの少女が現れた。彼女の名前は白石伊志子、通称――守護天使カトリック――がカッポカッポと歩いてきた。
「ごきげんよう」
私は挨拶をしていた普段ならすれ違う程度で済ませた今日は気分が良かったので声を掛けてみた。
「こんにちは黒井さん」
この子は実は言うとこの御剣星座標学園の理事長の一人娘であるらしく教師すらたじろいでしまうほどの威圧感を持っているのだが、
(どうしたんだろう。無表情なのに凄くご機嫌に見えるのは気のせいかしら)
「……見ましたわ。あなたの動画、バナナ遊園地で随分ご活躍されたみたいですね。母からも聞きました。バナナ遊園地のオーナーさんから連絡があり、廃墟として放置した遊園地を再園させるようですね」
「それは本当かしら!」
「ええ、昨日連絡がありましたの。それで、あなた方を今度招待したいと申してましたわ。いつ頃になるかはまだ未定みたいですけど……」
「どこか、嬉しそうね。まさかあなたも招待されたりしたのかしら」
「まさか……私はですね、これでも喜んでいるんですよ。あなた方オカルト研究部が学内ではなく、学外に奉仕活動に行ったことを」
「あら、いつもは剣幕な表情で私たちの大邪神殿に足を踏み入れてくるというのに……」
「そう、敵視しないでください。私の噂ぐらい知っています。おっかない次期生徒会長……いつもの剣幕も学校のことを考えてのことなんですから……それとその邪神殿というところにはもう足を踏み入れてきましたから……」
「何か用事でもあったのかしら」
「オカルト部の件についてですよ……廃部が近いと言ったでしょう……? ちょっとした報告をしに行きました」
「報告?」
「今後も学外による奉仕活動を続けるのであれば、オカルト部の存続を認めましょうということです」
「そう……それはいい報告だわ」
「…………」
「なぁに? 人の顔をまじまじ見て」
「いえ、実際の黒井さんは動画の性格とかけ離れているので、口にしづらいというか、何と言うか、凄く新鮮な気分で……」
「あなた、もしかして私の動画を見ている使い魔だったりするの? 例えばチャンネル登録者だったり、ツイッターのフォロワーだったり……」
「――さてと、それはどうでしょうね」
(はぐらかすということは何かあるわね)もしかして、今回の遊園地の一件を持ち出した機関の工作員なのではなくて……」
「ふふふ、そちらの方がデイネブリスパピヨンらしいです。お会いできて光栄です」
「私の質問は無視かしら……」
「ご想像にお任せします。ふふふ、本当はサインを書いてほしいところですけどあいにく持ち合わせもありませんしいずれということで……お願いしますね」
「その様子からすると今朝投稿した動画も見られてしまっているのかしら……」
「恐怖のバナナ遊園地シリーズ第一弾、お化け屋敷のお化けを退治してみた。ですか? ええ見ましたよ。よくできたCGですね。見てて退屈しなかったです。叫び声も結構かわいかったですよ」
「思い出させないでちょうだい。呪うわよ」
「ふふふ、それは困ります。では、私はこの辺で、恐怖のバナナ遊園地シリーズ第二弾も期待していますから、その調子で頑張ってください。では失礼します」
そうして守護天使カトリックは過ぎ去っていった。
(……私にツイッターで助言をしたのが、彼女…………やっぱりそんな偶然ありえないわね)
私もその場を去ることにした。向かうは廃部を阻止したオカルト研究部、もとい大邪神殿であった。
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