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第二章 御剣星座標学園のオカルト研究部
18話 廃部阻止の作戦
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白石伊志子も去り、今回の部活動はダークネス・カイザー様の最後の一言で幕を下ろした。その一言とは……
『良いか!! 必ず我らの悲願を、世界征服を達成するために、廃部の対策を講じるのだ!!』
そう言って、メンバーの各々は部室から、もとい邪神殿から去って行った。
そして夕暮れ時の帰り道で私はクリスチャンと話し込んでいた。
「どうしましょうアゲハちゃん! 私、部の存続の危機に対してのアイディアが何一つ思い浮かばないんです!」
コンビニ、もとい魔道具屋さんで買い込んだオレンジジュースを片手に騒いでいた。
「要するに何か学園にとって、いえ、ダークネス・カイザー様にとって有益な働きが出来ればいいだけよ」
「それが何なのか思いつかないんです! どうしましょうこのままでは廃部ですよ! ああ! もう私の青春がぁ……」
(オカルト研究部で青春なんて味わえるのかしら……)
ブラックコーヒーを口にする私、肩にはバステトが乗っかていて、私以外の人には見えないデビルンがあちらへこちらへと行ったり来たりしている。
「このままでは、アゲハちゃんの恋が叶わなくなってしまいます! いったいどうすればぁ……」
「――ぶふぅっ!?」
私はブラックコーヒーを口から噴き出してしまった。
「――目的はそれ!? あなたオカルト研究部の、邪神官としての自覚がないの?」
「――そんなのあるわけないでしょう。私はただ恋するアゲハちゃんを近くで見ていたいだけなんですからね」
(この子ときたら、もう……)
「ああぁ……もう黒条先輩の頬を赤らめるアゲハちゃんの顔も、顔を接近されてドキドキするアゲハちゃんの顔も見られなくなってしまうなんて……白石さんは横暴です! 地位を利用した職権乱用です!」
「理事長、もとい聖天使カトリエルの娘、もとい手先、守護天使カトリック……法と秩序しか見えていない愚か者、今も戦争は続いているというのに……何故私たちの必要性に応えてくれないのか? 疑問だわ」
「私は世界征服なんてどうでもいいの! 心臓バクバクさせているアゲハちゃんが見たいのにぃ~~」
「会話になっていないわよ。クリスチャン」
「けど、好きなんでしょう! 黒条先輩のことが好きなんでしょう……?」
「ま、まぁ///」
「そうだ! ボランティア部に、白石さんの言うようにボランティア部に改名すれば部の存続が出来るかもしれません」
「そんなことはあのお方の望みではないわ。却下よ却下」
「ええ~~~~、いい案じゃないですか……?」
(おばか、私は先輩のカッコいい所に惚れているの。コンタクトレンズを取って、メガネ姿にゴミ拾いに勤しむ先輩なんて見たくないわ)
「……じゃ、私はこっちが帰り道だからお別れだね。アゲハちゃんまた明日……バイバイ」
「バイバイ」
私とクリスチャンは手を振りながら別々の道がある交差点を前にさよならの挨拶を交わした。
帰路を少し進んでいるとバステトが声を掛けてきた。
「主様、このままでは黒条氏と結ばれる契約もなかったことにされてしまうのでは……?」
「そんな未来にはさせないわ。先輩と私が結ばれない未来なんて絶対に阻止するわ」
「お前、あんなひねくれ者のどこがいいんだ……?」
デビルンも人気が無くなったことでこちらにやって来て聞いてきた。
「――もちろん全てよ」
「あれとくっつかない限り、俺様の契約は延長だっけ……」
「違うわ。世界征服を成したあかつきには……よ」
「戦争を無くすだっけ……」
「あと内乱もね……」
「そんないつまで掛かるかわからない契約なんてやってられるか! 俺様は違う人間に乗り換えるぞ!」
「それは出来ないと、契約書には書いてあったじゃないの……?」
「うぅ~~、はぁ~~、なんでこうなるかなぁ~~」
頭を抱える大悪魔デビルン。
「悔やんでも遅いわ。デビルン」
「……あの~~、それでいかがされますか? 学園の利益になる奉仕活動なんて想像にも及びませんが……」
「フフフ、一ついい案があるわ。バステト……」
私はスマートフォンをちらつかせながらこう宣言をした。
「何のためにダークネス・カイザー様は、フォロワー、もとい使い魔を集めよと言ったのよ。こんな時の為でしょう……?」
『良いか!! 必ず我らの悲願を、世界征服を達成するために、廃部の対策を講じるのだ!!』
そう言って、メンバーの各々は部室から、もとい邪神殿から去って行った。
そして夕暮れ時の帰り道で私はクリスチャンと話し込んでいた。
「どうしましょうアゲハちゃん! 私、部の存続の危機に対してのアイディアが何一つ思い浮かばないんです!」
コンビニ、もとい魔道具屋さんで買い込んだオレンジジュースを片手に騒いでいた。
「要するに何か学園にとって、いえ、ダークネス・カイザー様にとって有益な働きが出来ればいいだけよ」
「それが何なのか思いつかないんです! どうしましょうこのままでは廃部ですよ! ああ! もう私の青春がぁ……」
(オカルト研究部で青春なんて味わえるのかしら……)
ブラックコーヒーを口にする私、肩にはバステトが乗っかていて、私以外の人には見えないデビルンがあちらへこちらへと行ったり来たりしている。
「このままでは、アゲハちゃんの恋が叶わなくなってしまいます! いったいどうすればぁ……」
「――ぶふぅっ!?」
私はブラックコーヒーを口から噴き出してしまった。
「――目的はそれ!? あなたオカルト研究部の、邪神官としての自覚がないの?」
「――そんなのあるわけないでしょう。私はただ恋するアゲハちゃんを近くで見ていたいだけなんですからね」
(この子ときたら、もう……)
「ああぁ……もう黒条先輩の頬を赤らめるアゲハちゃんの顔も、顔を接近されてドキドキするアゲハちゃんの顔も見られなくなってしまうなんて……白石さんは横暴です! 地位を利用した職権乱用です!」
「理事長、もとい聖天使カトリエルの娘、もとい手先、守護天使カトリック……法と秩序しか見えていない愚か者、今も戦争は続いているというのに……何故私たちの必要性に応えてくれないのか? 疑問だわ」
「私は世界征服なんてどうでもいいの! 心臓バクバクさせているアゲハちゃんが見たいのにぃ~~」
「会話になっていないわよ。クリスチャン」
「けど、好きなんでしょう! 黒条先輩のことが好きなんでしょう……?」
「ま、まぁ///」
「そうだ! ボランティア部に、白石さんの言うようにボランティア部に改名すれば部の存続が出来るかもしれません」
「そんなことはあのお方の望みではないわ。却下よ却下」
「ええ~~~~、いい案じゃないですか……?」
(おばか、私は先輩のカッコいい所に惚れているの。コンタクトレンズを取って、メガネ姿にゴミ拾いに勤しむ先輩なんて見たくないわ)
「……じゃ、私はこっちが帰り道だからお別れだね。アゲハちゃんまた明日……バイバイ」
「バイバイ」
私とクリスチャンは手を振りながら別々の道がある交差点を前にさよならの挨拶を交わした。
帰路を少し進んでいるとバステトが声を掛けてきた。
「主様、このままでは黒条氏と結ばれる契約もなかったことにされてしまうのでは……?」
「そんな未来にはさせないわ。先輩と私が結ばれない未来なんて絶対に阻止するわ」
「お前、あんなひねくれ者のどこがいいんだ……?」
デビルンも人気が無くなったことでこちらにやって来て聞いてきた。
「――もちろん全てよ」
「あれとくっつかない限り、俺様の契約は延長だっけ……」
「違うわ。世界征服を成したあかつきには……よ」
「戦争を無くすだっけ……」
「あと内乱もね……」
「そんないつまで掛かるかわからない契約なんてやってられるか! 俺様は違う人間に乗り換えるぞ!」
「それは出来ないと、契約書には書いてあったじゃないの……?」
「うぅ~~、はぁ~~、なんでこうなるかなぁ~~」
頭を抱える大悪魔デビルン。
「悔やんでも遅いわ。デビルン」
「……あの~~、それでいかがされますか? 学園の利益になる奉仕活動なんて想像にも及びませんが……」
「フフフ、一ついい案があるわ。バステト……」
私はスマートフォンをちらつかせながらこう宣言をした。
「何のためにダークネス・カイザー様は、フォロワー、もとい使い魔を集めよと言ったのよ。こんな時の為でしょう……?」
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