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第二章 御剣星座標学園のオカルト研究部
16話 オカルト研究部は廃部の危機
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「え、えっと、誰だった?」
ソリトゥス様が訪問者に向けて問いかけた。
「私は御剣座標学園の理事長の娘! 白石伊志子です! いい加減に覚えておきたいものですね。来翔メイカ先輩」
「ひ、ひぃ……」
白石伊志子、もとい守護天使カトリックはソリトゥス様をにらみつけた。
「ごめんなさい。うるさくしてしまって……白石さん」
ビーブリオテーカ様はダークネス・カイザー様のスマートフォンを片手にいじりながら謝罪を述べた。
一方のダークネス・カイザー様はまだ、机の上で黒いコートをばたつかせている。
「――何の用かな! 守護天使カトリックよ! 我々の計画の邪魔をしに来ただけなら帰りたまえ!」
「守護天使……その呼び方、いい加減やめてください」
「我が名ダークネス・カイザーも、いい加減覚えてもらいたいのだがなぁ」
「はぁ~~、会話になりません。とにかく机からその足を退けてください」
少々の沈黙の後、ダークネス・カイザー様は机から降り立ち、スマフォもビーブリオテーカ様から取り返していた。
「今宵は何の用かな? 我らの邪神聖な会議に興味でも示し、堕天使になる決心でもつけて来たのかなお嬢さん……?」
「言っていることが意味不明。もう疲れるなぁ~~、私の用は子のオカルト研究部に重大発表をしに来たんです」
「――キミのフォロワー数でも明かしてくれるのか?」
「はぁ……?」
呆れた調子で守護天使カトリックが言う。
「我々は今、ツイッターのフォロワー数で競い合ていたのだよ!」
「――くだらないですね。それでは私があなた方に悲報をお伝えします。よく聞きなさい黒条先輩、幹久先輩、来翔先輩、離岸さん、黒井さん、残念な報告です」
一呼吸の後に話を始める。
「――今月を持って、オカルト研究部は廃部となります。今のうちに荷物をまとめておいてくだいね」
白石伊志子、もとい守護天使カトリックは邪神殿に難なく侵入し、闊歩して真っ黒いカーテンまで近づいて光を差し込ませようとしたとき――
「待ちたまえ、この邪神域に足を踏み入れた時点でキミは呪いにかかってしまった。解きたくば我らの指示に従ってもらおうか!」
「はぁ……何言って――ゲホゲホ――な、何ですか!? 埃まみれじゃないですかこの部室……!? ――ケホケホ――最後に掃除したのは何時ですか!?」
「ごめんなさい白井さん。ここ、掃除なんてしたことないの」
「――な、何という不潔、やっぱりお母さんに言ってこの部を今すぐに廃部にします!」
「いかがされました。主様……」
ふと――バステトが話しかけて来た。
「(――だって、廃部の危機なのよ。このまま見過ごせないわ)」
「はいぶのきき?」
バステトは理解できていないようだった。
「――と言うか、あの娘は天使なのか!? いかん! この身を隠さねば――」
デビルンは机の下に隠れた。白石伊志子は真っ黒いカーテンを掴みながら咳き込んでいる。
「空気の入れ替えくらいしなさいよ……」
「――待って、カトリックさん」
私は昼間の光が差し込むのを止めてみた。
「何ですか? 黒井アゲハさん……?」
「まずはこれを見てちょうだい」
私は白井さんに傍らに置いてあった機械を見せてみた。暗がりに目を凝らすカトリック。
「……これは空気清浄機ですか?」
「――一応この邪神殿の空気は正常よ、それは保証するわ」
「……これはあなたの私物ですね。まぁ、いいでしょう」
「ねぇ、どうして廃部になってしまうのか教えてくださる?」
「……そうですね。まずはあなた方の部活動でも見学して指摘してあげましょうか?」
白石伊志子は真っ黒いカーテンを放してホワイトボードへと向かった。まじまじと秘密結社クレヴァナルのシンボルマークを見ていた。
ソリトゥス様が訪問者に向けて問いかけた。
「私は御剣座標学園の理事長の娘! 白石伊志子です! いい加減に覚えておきたいものですね。来翔メイカ先輩」
「ひ、ひぃ……」
白石伊志子、もとい守護天使カトリックはソリトゥス様をにらみつけた。
「ごめんなさい。うるさくしてしまって……白石さん」
ビーブリオテーカ様はダークネス・カイザー様のスマートフォンを片手にいじりながら謝罪を述べた。
一方のダークネス・カイザー様はまだ、机の上で黒いコートをばたつかせている。
「――何の用かな! 守護天使カトリックよ! 我々の計画の邪魔をしに来ただけなら帰りたまえ!」
「守護天使……その呼び方、いい加減やめてください」
「我が名ダークネス・カイザーも、いい加減覚えてもらいたいのだがなぁ」
「はぁ~~、会話になりません。とにかく机からその足を退けてください」
少々の沈黙の後、ダークネス・カイザー様は机から降り立ち、スマフォもビーブリオテーカ様から取り返していた。
「今宵は何の用かな? 我らの邪神聖な会議に興味でも示し、堕天使になる決心でもつけて来たのかなお嬢さん……?」
「言っていることが意味不明。もう疲れるなぁ~~、私の用は子のオカルト研究部に重大発表をしに来たんです」
「――キミのフォロワー数でも明かしてくれるのか?」
「はぁ……?」
呆れた調子で守護天使カトリックが言う。
「我々は今、ツイッターのフォロワー数で競い合ていたのだよ!」
「――くだらないですね。それでは私があなた方に悲報をお伝えします。よく聞きなさい黒条先輩、幹久先輩、来翔先輩、離岸さん、黒井さん、残念な報告です」
一呼吸の後に話を始める。
「――今月を持って、オカルト研究部は廃部となります。今のうちに荷物をまとめておいてくだいね」
白石伊志子、もとい守護天使カトリックは邪神殿に難なく侵入し、闊歩して真っ黒いカーテンまで近づいて光を差し込ませようとしたとき――
「待ちたまえ、この邪神域に足を踏み入れた時点でキミは呪いにかかってしまった。解きたくば我らの指示に従ってもらおうか!」
「はぁ……何言って――ゲホゲホ――な、何ですか!? 埃まみれじゃないですかこの部室……!? ――ケホケホ――最後に掃除したのは何時ですか!?」
「ごめんなさい白井さん。ここ、掃除なんてしたことないの」
「――な、何という不潔、やっぱりお母さんに言ってこの部を今すぐに廃部にします!」
「いかがされました。主様……」
ふと――バステトが話しかけて来た。
「(――だって、廃部の危機なのよ。このまま見過ごせないわ)」
「はいぶのきき?」
バステトは理解できていないようだった。
「――と言うか、あの娘は天使なのか!? いかん! この身を隠さねば――」
デビルンは机の下に隠れた。白石伊志子は真っ黒いカーテンを掴みながら咳き込んでいる。
「空気の入れ替えくらいしなさいよ……」
「――待って、カトリックさん」
私は昼間の光が差し込むのを止めてみた。
「何ですか? 黒井アゲハさん……?」
「まずはこれを見てちょうだい」
私は白井さんに傍らに置いてあった機械を見せてみた。暗がりに目を凝らすカトリック。
「……これは空気清浄機ですか?」
「――一応この邪神殿の空気は正常よ、それは保証するわ」
「……これはあなたの私物ですね。まぁ、いいでしょう」
「ねぇ、どうして廃部になってしまうのか教えてくださる?」
「……そうですね。まずはあなた方の部活動でも見学して指摘してあげましょうか?」
白石伊志子は真っ黒いカーテンを放してホワイトボードへと向かった。まじまじと秘密結社クレヴァナルのシンボルマークを見ていた。
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