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第二章 御剣星座標学園のオカルト研究部
11話 朝食の時間
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(夜中だけで再生数50万かまずまずかしら。全盛期は動画1本で1千万は余裕で行ったから……まぁ、この動画では無理ね……コメント見る限りCGバレてるみたい)
午前4時、深夜の部屋でパソコンを眺めてコメントを一つ一つ黙読していく。
――突風、ヤバくね。
――召喚術の陣、光り輝いてるな。
――召喚されたバステト完全CGに見えるんだけど。
――もし、CGならアメリカ超えてる技術だわ。デイネブリス様、ヤババ。
――日傘いるか? これ。
――儀式の後、デイネブリス様が懸命にチョークで書いた魔法陣を消してるかと思うとウケる。
――流石に、バイト雇ってると思うわ。
――バステトちゃん可愛い。動物用のカメラまた使ってくれないかなぁ。
――デイネブリス様の詠唱を子守歌に保存しておくわ。
――いつもみたいにバステトを抱きかかえるシーンが欠けているからCGだと思ふ。
――スマフォ置くデイネブリス様のお姿が、マジ尊い。マジエモい。
(…………やはり、霊体は映らないようになっているから、どうしても違和感はぬぐえないわね。特にこのバイバイのシーンなんて…………ふぁ~~~~、う~~~~ん、むにゃむにゃ…………)
――そこで私は寝落ちした。
「――――――――っ!」
何か聞こえて来た。
「――主様! 主様!」
「――な、なんにゃ……」
バステトの声に私は目を見開いた。
「――もう7時半でございます。そろそろ学校に行く支度をしなくてはいけません」
「何だ……バステトか。7時半と言っても、私の通っている御剣星座標学園は遅刻は気にしないわ。だから何時から登校してもいい……昼まで寝かせてくれないかしら」
「その様子から察するに、主様は夜更かしをされていたようですね」
「ま、まぁ……」
「だからお母さまが心配なさるのです。これでは生活リズムに狂いが、体調も壊してしまいます。やはり本家に帰られた方がよろしいかと……」
「わかった。わかった。今起きるからその話題はやめてちょうだい」
起動しっぱなしのパソコンをスリープ状態にして、私は椅子から立ち上がり背筋を伸ばした。
直ぐに着替えを済ませ――やはりゴスロリファッション今回はブルーをイメージしている――荷物をまとめ、部屋を後にして一階へと足を進める。バステトが私の右肩に乗っかてきた。
「使い魔バステト。客人の様子はどうなのかしら……?」
「それは……見た方が早いかと……」
一階のリビングに到着し、朝食を取るためそのままダイニングへと足を進めていると、冷蔵庫を貪る大悪魔が視界に映った。
(何をしているのかしら……この大悪魔さんは……?)
そこには冷蔵庫をぶっしょくしまくるデビルンの姿があった。生のソーセージを食べている途中で、冷蔵庫の中身も床に散乱していた。
「――っ!? おおっ! アゲハか勝手に食って悪いな。お腹が空いていたんだ」
「――直ぐに片付けなさい」
昨日のお菓子といい、今日の朝食といい、礼儀知らずな大悪魔だった。大悪魔デビルンはしぶしぶ落ちていたキャベツやにんじん、生肉や卵を片付けていく。その際にはサイコキネシスのような力でことを成していた。
「コーヒーを入れて一緒に飲みましょう」
私はそう言い伝えると大悪魔デビルンは、
「うげ~~、もうコーヒー豆を食ったからいらない。苦くて口に入れられたものじゃない」
「いいわ、ミルクと砂糖を用意してあげるから、そうすれば飲めるはずよ。豆をそのまま食べるなんてお馬鹿さんなのね。デビルンは……」
直ぐに二人分のコーヒーを用意した。
「バステトの朝食はこちらよ」
「――はい」
バステトにキャットフードの入った皿を用意。私の朝食はコンビニで買っておいたアップルパイ。
(まずは銘柄選びから、今朝はこれでいいわ。次にコーヒーメーカーに豆を入れて焙煎と、それからお湯で抽出と……よし、完成だわ)
「うげ~~飲みたくな~~い」
「ふふふ、貴方に見せてあげるわ。これでもラテアートくらいは出来るのよ」
デビルン用のコーヒーにミルクを注ぎ猫の形を作って見せた。
「う、うおおおぉ! す、すげぇ、器用だなぁ……」
「はい、砂糖よ、好きに入れると言いわ。貴方、甘党みたいだからたっぷり入れなさいね。私はもちろんブラック派よ」
砂糖の入った容器をデビルンに差し出した。
「これ入れればおいしくなるのか。じゃあ全部で……」
「――ちょっ!?」
遅かった。しかし、
「――ごくごく、う、うまいなぁ~~これは、ごくごく、うん、いけるいける、ごくごく」
甘すぎるのが丁度いいみたいで、すぐに飲み干してしまうデビルンだった。
午前4時、深夜の部屋でパソコンを眺めてコメントを一つ一つ黙読していく。
――突風、ヤバくね。
――召喚術の陣、光り輝いてるな。
――召喚されたバステト完全CGに見えるんだけど。
――もし、CGならアメリカ超えてる技術だわ。デイネブリス様、ヤババ。
――日傘いるか? これ。
――儀式の後、デイネブリス様が懸命にチョークで書いた魔法陣を消してるかと思うとウケる。
――流石に、バイト雇ってると思うわ。
――バステトちゃん可愛い。動物用のカメラまた使ってくれないかなぁ。
――デイネブリス様の詠唱を子守歌に保存しておくわ。
――いつもみたいにバステトを抱きかかえるシーンが欠けているからCGだと思ふ。
――スマフォ置くデイネブリス様のお姿が、マジ尊い。マジエモい。
(…………やはり、霊体は映らないようになっているから、どうしても違和感はぬぐえないわね。特にこのバイバイのシーンなんて…………ふぁ~~~~、う~~~~ん、むにゃむにゃ…………)
――そこで私は寝落ちした。
「――――――――っ!」
何か聞こえて来た。
「――主様! 主様!」
「――な、なんにゃ……」
バステトの声に私は目を見開いた。
「――もう7時半でございます。そろそろ学校に行く支度をしなくてはいけません」
「何だ……バステトか。7時半と言っても、私の通っている御剣星座標学園は遅刻は気にしないわ。だから何時から登校してもいい……昼まで寝かせてくれないかしら」
「その様子から察するに、主様は夜更かしをされていたようですね」
「ま、まぁ……」
「だからお母さまが心配なさるのです。これでは生活リズムに狂いが、体調も壊してしまいます。やはり本家に帰られた方がよろしいかと……」
「わかった。わかった。今起きるからその話題はやめてちょうだい」
起動しっぱなしのパソコンをスリープ状態にして、私は椅子から立ち上がり背筋を伸ばした。
直ぐに着替えを済ませ――やはりゴスロリファッション今回はブルーをイメージしている――荷物をまとめ、部屋を後にして一階へと足を進める。バステトが私の右肩に乗っかてきた。
「使い魔バステト。客人の様子はどうなのかしら……?」
「それは……見た方が早いかと……」
一階のリビングに到着し、朝食を取るためそのままダイニングへと足を進めていると、冷蔵庫を貪る大悪魔が視界に映った。
(何をしているのかしら……この大悪魔さんは……?)
そこには冷蔵庫をぶっしょくしまくるデビルンの姿があった。生のソーセージを食べている途中で、冷蔵庫の中身も床に散乱していた。
「――っ!? おおっ! アゲハか勝手に食って悪いな。お腹が空いていたんだ」
「――直ぐに片付けなさい」
昨日のお菓子といい、今日の朝食といい、礼儀知らずな大悪魔だった。大悪魔デビルンはしぶしぶ落ちていたキャベツやにんじん、生肉や卵を片付けていく。その際にはサイコキネシスのような力でことを成していた。
「コーヒーを入れて一緒に飲みましょう」
私はそう言い伝えると大悪魔デビルンは、
「うげ~~、もうコーヒー豆を食ったからいらない。苦くて口に入れられたものじゃない」
「いいわ、ミルクと砂糖を用意してあげるから、そうすれば飲めるはずよ。豆をそのまま食べるなんてお馬鹿さんなのね。デビルンは……」
直ぐに二人分のコーヒーを用意した。
「バステトの朝食はこちらよ」
「――はい」
バステトにキャットフードの入った皿を用意。私の朝食はコンビニで買っておいたアップルパイ。
(まずは銘柄選びから、今朝はこれでいいわ。次にコーヒーメーカーに豆を入れて焙煎と、それからお湯で抽出と……よし、完成だわ)
「うげ~~飲みたくな~~い」
「ふふふ、貴方に見せてあげるわ。これでもラテアートくらいは出来るのよ」
デビルン用のコーヒーにミルクを注ぎ猫の形を作って見せた。
「う、うおおおぉ! す、すげぇ、器用だなぁ……」
「はい、砂糖よ、好きに入れると言いわ。貴方、甘党みたいだからたっぷり入れなさいね。私はもちろんブラック派よ」
砂糖の入った容器をデビルンに差し出した。
「これ入れればおいしくなるのか。じゃあ全部で……」
「――ちょっ!?」
遅かった。しかし、
「――ごくごく、う、うまいなぁ~~これは、ごくごく、うん、いけるいける、ごくごく」
甘すぎるのが丁度いいみたいで、すぐに飲み干してしまうデビルンだった。
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