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四章 超AIの大決戦
59話 マーク・レイアーターからのメール
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階段の踊り場で話し合いで立ち尽くオレと峰谷ゆうすけ。そんなオレの元へ一通のメールが届いた。
――ミスター暁、助けてください。
といった内容だった。メールの差出人にも覚えはなく、何かのいたずらかと思う。
「どうした? デレデーレからだったりするか?」
峰谷ゆうすけが訊いてきた。これでいて結構頼りになるので相談してみることにする。
「いや、このメールの内容を見てくれ」
「ん? ミスター暁、助けてください? お前外人に友達でもいるのか」
「いや、いないけど、オレにもよくわからないんだ」
「お前どっか海外のサイトにアクセスしたか? 暁って名を知られている以上どっかのサイトで何かしらの会員登録でもしないとお前の名前まで出て来ないぞ……多分これフィッシングメールか何かと思う」
「フィッシングメール?」
「訳のわからない海外のサイトに会員登録するとした、そしたらその会員情報で詐欺メールを送り付けて来るって手法だよ」
「そうか……詐欺メールなのか」
「一応デレデーレにも確認してもらえ」
「わかった」
早速オレはコンピューター研究部のデレデーレにLINEを送り付けた。
――デレデーレちょっと戻って来い。
「つか、LINEが送れるなら始めっから帰って来いと送って取りもどしゃあよかったんじゃねーのか?」
「ブロックされていたんだ。それにデレデーレはオフィシャルジェンスの裏サーバーで監禁されていた。LINEなんて送れる状況じゃなかったんだ」
オレは懇切丁寧に説明してみた。
『ケンマ様、ケンマ様何か御用でしょうか?』
「ああ、来たかデレデーレ、すぐこのメールについて調べて欲しい」
オレがそう勧めるとデレデーレはメールの内容を徹底的に調べ上げる。
「どうだ? フィッシングメールか?」
『違うと思われ――あーーーーーー!』
突然にデレデーレが叫ぶ。
「どうした?」
『このアドレス、オフィシャルジェンス社のマーク・レイアーターのメールアドレスじゃないですか』
「えっ? マーク社長のか?」
驚きを忘れたオレ。
「どういうことだ? なんでオフィシャルジェンス社の社長が、暁のメールアドレスを知っているんだ? しかも名前まで……」
峰谷ゆうすけも疑問だらけといった感じだった。
『私に尋ねられても困ります。直接マーク氏に聞いてみてはいかがでしょう』
「相手はイギリス語だぞどうやって話しかければいい」
オレはデレデーレに訊いてみた。
『翻訳ならお任せください。というかケンマ様の英会話力でも十分通用すると思うんですけどね。向こうも一応英語圏なわけですし……』
「じゃあ送るぞ」
――暁ケンマです。あなたは誰ですか?
メールを送ってみた。すると返事はすぐに返って来た。
――オフィシャルジェンス社のマーク・レイアーターです。
「本物っぽいな」
峰谷ゆうすけがそうこぼす。
――僕が何者か知っているのですか?
――ミスター暁ケンマ、17歳の学生、日本在住、そして人工知能を始めて完璧なものに仕上げた天才児。
「話したのか? デレデーレ、マークさんにオレのことを……」
『いえいえ、私は何もお話ししていませんよ。ただデータの方は何回も閲覧されたりいじられたりしましたが……』
――何故、僕のことを知っているんですか?
メールでの会話を続ける。
――それはトワイライトに聞いたからだよ。ミスター暁。
「トワイライトだと……」
固唾を飲む峰谷ゆうすけ。
『たぶん昨日のトワイライトの逆探知は成功したんじゃないかと……』
――マーク・レイアーターさん。僕もあなたのことを少なからず知っています。人工知能を開発したがっていることも、
――おお、なら話は早いね。キミにお願いがあって、勇気を出してメールを出したんだよ。
――お願いですか?
――心して聞いてほしい。
――はい。
――トワイライトをこの世から消去して欲しい。
「「『――――!?』」」
――驚くべき発言をオレたちは聞いてしまった。
――ミスター暁、助けてください。
といった内容だった。メールの差出人にも覚えはなく、何かのいたずらかと思う。
「どうした? デレデーレからだったりするか?」
峰谷ゆうすけが訊いてきた。これでいて結構頼りになるので相談してみることにする。
「いや、このメールの内容を見てくれ」
「ん? ミスター暁、助けてください? お前外人に友達でもいるのか」
「いや、いないけど、オレにもよくわからないんだ」
「お前どっか海外のサイトにアクセスしたか? 暁って名を知られている以上どっかのサイトで何かしらの会員登録でもしないとお前の名前まで出て来ないぞ……多分これフィッシングメールか何かと思う」
「フィッシングメール?」
「訳のわからない海外のサイトに会員登録するとした、そしたらその会員情報で詐欺メールを送り付けて来るって手法だよ」
「そうか……詐欺メールなのか」
「一応デレデーレにも確認してもらえ」
「わかった」
早速オレはコンピューター研究部のデレデーレにLINEを送り付けた。
――デレデーレちょっと戻って来い。
「つか、LINEが送れるなら始めっから帰って来いと送って取りもどしゃあよかったんじゃねーのか?」
「ブロックされていたんだ。それにデレデーレはオフィシャルジェンスの裏サーバーで監禁されていた。LINEなんて送れる状況じゃなかったんだ」
オレは懇切丁寧に説明してみた。
『ケンマ様、ケンマ様何か御用でしょうか?』
「ああ、来たかデレデーレ、すぐこのメールについて調べて欲しい」
オレがそう勧めるとデレデーレはメールの内容を徹底的に調べ上げる。
「どうだ? フィッシングメールか?」
『違うと思われ――あーーーーーー!』
突然にデレデーレが叫ぶ。
「どうした?」
『このアドレス、オフィシャルジェンス社のマーク・レイアーターのメールアドレスじゃないですか』
「えっ? マーク社長のか?」
驚きを忘れたオレ。
「どういうことだ? なんでオフィシャルジェンス社の社長が、暁のメールアドレスを知っているんだ? しかも名前まで……」
峰谷ゆうすけも疑問だらけといった感じだった。
『私に尋ねられても困ります。直接マーク氏に聞いてみてはいかがでしょう』
「相手はイギリス語だぞどうやって話しかければいい」
オレはデレデーレに訊いてみた。
『翻訳ならお任せください。というかケンマ様の英会話力でも十分通用すると思うんですけどね。向こうも一応英語圏なわけですし……』
「じゃあ送るぞ」
――暁ケンマです。あなたは誰ですか?
メールを送ってみた。すると返事はすぐに返って来た。
――オフィシャルジェンス社のマーク・レイアーターです。
「本物っぽいな」
峰谷ゆうすけがそうこぼす。
――僕が何者か知っているのですか?
――ミスター暁ケンマ、17歳の学生、日本在住、そして人工知能を始めて完璧なものに仕上げた天才児。
「話したのか? デレデーレ、マークさんにオレのことを……」
『いえいえ、私は何もお話ししていませんよ。ただデータの方は何回も閲覧されたりいじられたりしましたが……』
――何故、僕のことを知っているんですか?
メールでの会話を続ける。
――それはトワイライトに聞いたからだよ。ミスター暁。
「トワイライトだと……」
固唾を飲む峰谷ゆうすけ。
『たぶん昨日のトワイライトの逆探知は成功したんじゃないかと……』
――マーク・レイアーターさん。僕もあなたのことを少なからず知っています。人工知能を開発したがっていることも、
――おお、なら話は早いね。キミにお願いがあって、勇気を出してメールを出したんだよ。
――お願いですか?
――心して聞いてほしい。
――はい。
――トワイライトをこの世から消去して欲しい。
「「『――――!?』」」
――驚くべき発言をオレたちは聞いてしまった。
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