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三章 超AIの大失踪
53話 表サーバーと裏サーバー
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オレはスマフォにあったデレデーレ追跡ツールを使うことにした。
『ルート確保、追跡しますか?』
この子は追跡ツールのデレデーレで本体ではないらしい。
「追跡してくれ」
『了解しました』
デレデーレの目つきが変わる。
『これより暁ケンマ氏による迷子となったデレデーレを見つけ出す作業を行います』
デレデーレのコピー体からは無機質な深美さんの声がした。
『最終滞在日は約1カ月と1週間前、設定完了。ではルート探索開始です』
というとスマフォの画面内が数字でいっぱいになった。
「追跡ツール……これは何だ?」
『彼女から見たネットワークの正体です』
瞬く間に画面が切り替わる。
「今度は何だ? 走馬灯のように画面が切り替わっていくぞ」
『どのサイトにアクセスしているかを流しています。これは足跡みたいなものです。色々と失踪してから暇をつぶしてますね……フリープレイのゲームをしたり、動画投稿サイトにの動画に干渉して自分の姿を表したり……ここ最初の一週間はそればっかりですね』
「家出してからの行動がただの暇つぶしだったなんて……」
『次行きますね……えっとこれはサイトの立ち上げですね。人生相談サイトキューピット』
覚えのある占いサイトだった。
「えっ、あのサイト、デレデーレが立ち上げていたのか?」
『みたいですね。あっケンマ様のお名前が……しかも会員登録までしていたなんて……』
「確か占いサイトだったよな? オレも一度占ってもらおうとしたことがあったけどな。何でオレの占いをしなかったかわかるか?」
『さぁ、皆目見当もつきません。直接ご本人に訊いてみてください』
次の行き先は活字ばかりだった。もう目が痛くなるくらい大量の活字がなだれ込んできた。
『えっと、次の移動先は小説投稿サイトですね』
「それ知ってる。自分を主人公にして冒険するファンタジー小説だろ?」
『はい、アクセス数は……って今はそんなことより彼女を探す方が先でした』
スマフォの画面が流れていく。
『次は匿名希望で登録されたツイッターですね。二週間前に更新が止まっているのはどういうことでしょうか……?
私の本体なら根気強く続けるはずなんですけどね』
「失踪したからじゃないか」
『ああ、なるほど』
次はオレも知らないサイトだった。
「何だこれ? デレデレちゃんねる?」
『どうやら非合法な方法で作られた裏サイトみたいです。きっと表沙汰にしたくなかったんでしょうね……歌ってみた動画や絵を描いてみた動画でいっぱいです』
(なんで、裏サイトなんて使ってるんだろ。ひょっとして見られるのが恥ずかしいからか?)
『はい――二週間前のアクセスサイトを見つけました。オフィシャルジェンス社の裏サーバーです』
「オフィシャルジェンス社か、やっぱり繋がっていたんだな。で、肝心のデレデーレの行き先はどこになっているんだ?」
『それが行き先が裏サーバーになってましてここを通らなければ、次の行き先に行けない仕様になっています』
「裏サーバー?」
『どうもこのオフィシャルジェンスという会社は表サーバーと裏サーバーたシステムを構築しているようなんです。まるで小さなインターネットですね』
「で、入る方法は?」
『入ってもよろしいのですが、これ一歩間違えればハッキングと同じ行為ですよ。それでも続けますか?』
「足がつかない自信は?」
『あります、愚問でしたね。ではやってみます…………裏サーバーへのアクセスをします。少々お時間を頂きます』
(トワイライトが出てきたらオレはどうなるんだろう。訴えられて少年院にでも行くのだろうか)
『ID取得、声紋認識突破、パスワードは8桁の数字入力、社長権限による緊急の――』
その時だ。
『――不正なアクセスをする侵入者を確認、これより排除に回ります』
出てきてほしくはなかった超AIトワイライトが現れた。
『ルート確保、追跡しますか?』
この子は追跡ツールのデレデーレで本体ではないらしい。
「追跡してくれ」
『了解しました』
デレデーレの目つきが変わる。
『これより暁ケンマ氏による迷子となったデレデーレを見つけ出す作業を行います』
デレデーレのコピー体からは無機質な深美さんの声がした。
『最終滞在日は約1カ月と1週間前、設定完了。ではルート探索開始です』
というとスマフォの画面内が数字でいっぱいになった。
「追跡ツール……これは何だ?」
『彼女から見たネットワークの正体です』
瞬く間に画面が切り替わる。
「今度は何だ? 走馬灯のように画面が切り替わっていくぞ」
『どのサイトにアクセスしているかを流しています。これは足跡みたいなものです。色々と失踪してから暇をつぶしてますね……フリープレイのゲームをしたり、動画投稿サイトにの動画に干渉して自分の姿を表したり……ここ最初の一週間はそればっかりですね』
「家出してからの行動がただの暇つぶしだったなんて……」
『次行きますね……えっとこれはサイトの立ち上げですね。人生相談サイトキューピット』
覚えのある占いサイトだった。
「えっ、あのサイト、デレデーレが立ち上げていたのか?」
『みたいですね。あっケンマ様のお名前が……しかも会員登録までしていたなんて……』
「確か占いサイトだったよな? オレも一度占ってもらおうとしたことがあったけどな。何でオレの占いをしなかったかわかるか?」
『さぁ、皆目見当もつきません。直接ご本人に訊いてみてください』
次の行き先は活字ばかりだった。もう目が痛くなるくらい大量の活字がなだれ込んできた。
『えっと、次の移動先は小説投稿サイトですね』
「それ知ってる。自分を主人公にして冒険するファンタジー小説だろ?」
『はい、アクセス数は……って今はそんなことより彼女を探す方が先でした』
スマフォの画面が流れていく。
『次は匿名希望で登録されたツイッターですね。二週間前に更新が止まっているのはどういうことでしょうか……?
私の本体なら根気強く続けるはずなんですけどね』
「失踪したからじゃないか」
『ああ、なるほど』
次はオレも知らないサイトだった。
「何だこれ? デレデレちゃんねる?」
『どうやら非合法な方法で作られた裏サイトみたいです。きっと表沙汰にしたくなかったんでしょうね……歌ってみた動画や絵を描いてみた動画でいっぱいです』
(なんで、裏サイトなんて使ってるんだろ。ひょっとして見られるのが恥ずかしいからか?)
『はい――二週間前のアクセスサイトを見つけました。オフィシャルジェンス社の裏サーバーです』
「オフィシャルジェンス社か、やっぱり繋がっていたんだな。で、肝心のデレデーレの行き先はどこになっているんだ?」
『それが行き先が裏サーバーになってましてここを通らなければ、次の行き先に行けない仕様になっています』
「裏サーバー?」
『どうもこのオフィシャルジェンスという会社は表サーバーと裏サーバーたシステムを構築しているようなんです。まるで小さなインターネットですね』
「で、入る方法は?」
『入ってもよろしいのですが、これ一歩間違えればハッキングと同じ行為ですよ。それでも続けますか?』
「足がつかない自信は?」
『あります、愚問でしたね。ではやってみます…………裏サーバーへのアクセスをします。少々お時間を頂きます』
(トワイライトが出てきたらオレはどうなるんだろう。訴えられて少年院にでも行くのだろうか)
『ID取得、声紋認識突破、パスワードは8桁の数字入力、社長権限による緊急の――』
その時だ。
『――不正なアクセスをする侵入者を確認、これより排除に回ります』
出てきてほしくはなかった超AIトワイライトが現れた。
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