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三章 超AIの大失踪

41話 占いサイトへのログイン

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午前の授業が全て終了し、昼食の時間となった。

オレは一階の購買部の目の前を通ると、相変わらずパンの争奪戦状態である。その溜まり場となった廊下を横切って通り過ぎるかのように渡っていくと、食堂への道が開かれる。

オレはそのまま食堂へと足を運んだのだった。

そして、昼食を取る。今日の昼食はカレーライスとバナナだった。値段にして398円、旨いわけでもなく不味いわけでもないこのカレーライスは、俺にはちょいと高いと思っていた。

「さてと、いただきます」

オレは食事に対する礼儀は忘れていないつもりだ。

カレーライスをスプーンでカレーとライス、半々にすくい口へと運び噛み殺し喉へと通していく。

トッピングされた福神漬けもカレーライスに混ぜ込んで口に運び込む。ぶっちゃけるとオレは辛い味付けの方がいいのだが、ここのカレーは甘口なのだ。モグモグと咀嚼していく。

カレーライスを完食すると、お次のバナナも、皮を剥いて胃の中へとぶち込んで行く。オレは割とバナナが好きな方で喜んで口の中へと招待する。

「ごちそうさまでした」

どちらも完食したオレは礼儀正しく手を合わせて言っていた。もはや癖になりつつある。今どき律義にこんなことを言うヤツも珍しいだろう。そして合わせていた手を解きスマフォを片手に持つ。

「さてと……ヒカリ起動しているか?」

『はい、ケンマ様……何かご用事ですか?』

相変わらずの無機質な音声が微かに響き渡る。音量調節しているのでその声はオレにしか届くことはない。

「人生相談サイトキューピットの検索を頼む」

『かしこまりました……』

数秒が経ち、ピコーンという音が鳴る。

『該当件数13件そのうちの一つに本件のサイトを発見しました。サイトに直結しますか?』

「イエス」

『本件のサイトをご利用するには本名と生年月日と血液型それと指紋認証の検査を行いますが……構いませんか?』

「本名と生年月日と血液型は遠慮なく入力してくれ」

『かしこまりました。本名暁ケンマ、生年月日3月18日、血液型B型、入力完了」

「指紋認証はどうしたらいい?」

『こちらの正方形の枠内に親指の指紋を記録するそうです』

スマフォ画面内には正方形の枠内が表示されていた。そこに親指を押し込んで数秒後、ピコーンと効果音が鳴り響く。

『人生相談サイトキューピットへの登録とログインを完了いたしました。無料で楽しめるサイトのようです。早速何か占ってみませんか?』

「どんな占いがある?」

『恋愛運、仕事運、金銭運、などなど五種類の占いを実施しているようです』

「じゃあ、恋愛運から……」

『かしこまりました……ピコーン、サイト内の利用を深く禁ずると出ました』

「――はぁ? どういうこと?」

『言葉通りです。他の占いに切り替えて見ますか?』

「……んん、じゃあ、金銭運で……」

『かしこまりました……ピコーン、サイト内の利用を深く禁ずると出ました』

「はぁ? またかよ、一体どうなっているんだ?」

『どうやら、暁ケンマ様個人に対してサイト内のサービスを提供できない使用になっていますね』

その言葉の後も仕事運、健康運、家族運も占おうとしたのだが、全て拒絶されてしまった。

「どういうことだよ、オレの占いは全部拒否って、このサイトのバグか? できたばっかりっていうし……ったく当分メンテナンスばかりなんだろうなぁ~~」

『………………』

何も答えないAIヒカリ。喋っていてもこれではこっちが独り言を言っているみたいで恥ずかしくなってくる。

オレは人生相談サイトキューピットからログアウトした。謎が残るままだったがそのまま放っておいた。
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