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二章 超AIの大活躍
32話 第三勝負のゲーム探し
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第二本目の勝負、大乱戦バトルリングの轟夜に勝利したデレデーレは残すとこあと一つの勝負を待っていた。
『さぁ、何でもござれです』
「次のゲームかぁ、本当ならパズルゲームやアイキュー特定の難しいゲームをやらせてあげようと計画していたんだが、こいつは路線変更が好ましいかな」
来ヶ谷部長は大乱戦バトルリングのソフトをソフト挿入口から抜き取り、パッケージに戻していった。そして棚にしまい込み、次のゲームのソフトをこれでもないアレでもないと探していく。
「これではやはり簡単すぎるか……これでも、難しいゲームだが突破されてしまう可能性が高い――ならばどうするか……?」
「来ヶ谷部長、そんなに朝の、ニュース部とオカルト研究部の犯人探しに尽力するんですか? やっぱり生徒会直々の依頼だからですかそれとも何か弱みでも握られているんですか?」
「いや~~、そんなことはないよ。これもやめておこうか……さっきも言ったがこの部活でそんな犯人探しができるのは峰谷くんぐらいだ。最初っから僕たちは乗り気ではなかったんだ、けど、デレデーレのゲーミングセンスに感動してねぇ~~、我が部の総力を挙げてその鼻っ柱をへし折りたくなったのさ」
棚に鎮座されたソフト群のタイトルを指でツツツ~~となぞり、語っていく来ヶ谷部長。
「それじゃ勝負を受けなかったら峰谷だけに調査をさせていたという訳ですか?」
オレの問いかけに思い出したかのように踵を返す峰谷ゆうすけ、自分のモニター座席に戻っていくのだった。
(やべっ! 余計なこと言ったから調べ始めちゃってるのか?)
その時スマフォがブルブルとズボンのポケットの内側で震えるのを感じて取り出してみた。
――先ほども申し上げたように、何も心配することはありませんケンマ様。
デレデーレからのLINEであった。
――万が一ってこともあるだろ!
オレはLINEでそう返した。
――ケンマ様、この勝負の前にも言いましたよね。疑いを逸らすためにゲームをするんだと、
――大丈夫なんだろうな。峰谷はああ見えて凄腕のハッカーだってウワサされてるんだぞ。
――大丈夫です、膨大な海であるインターネットを経由しているので探せても3年の猶予があります。時間が掛かりすぎるから途中で精神的に摩耗するのが目に見えてます。
――それならいいんだが、
オレは乱れていた呼吸を整えるようにして、スマフォをポケットにしまい込んだ。
『あの~~、来ヶ谷さ~~ん、まだですか~~?』
「もう少し待ってくれ、今キミをぎゃふんと言わせるゲームを用意するから……」
「――部長アレなんてどうです」
会話に割って入ったのは前渡とうやだ。
「アレとは?」
「ほらオレが四苦八苦してプレイした恋愛シミュレーションゲームの……なんて言ったかなぁ~~タイトル」
「……ヤミヤミちゃんとの失恋はダメ」
普段は無口な石川すずよがそう明言してきた。
「そうそう! それそれ! ナイス石川、部長それならどうっスか?」
「ああ、あのゲームか~~、確かに難易度が高いしゲーマー屈指の推薦ならそのソフトが好ましいのかもな」
ふむふむと顎に手を当て考え込む来ヶ谷部長。
「そのソフトならここに積んでありましたよっと」
ふぶくデヨーネさんがこちらに持って来る。
「確かパッケージの裏側に説明文があったなぁ、見せてくれ」
来ヶ谷部長がパッケージを受けっとって数十秒後、
「――よし! この難易度ならデレデーレもクリアに難儀することだろう。これに決めるか……」
『――決まりました? 決まりました?』
「ああ、決まった! 次の第三勝負はこのソフトで行くとする!」
高らかにソフトを持って宣言する来ヶ谷部長であった。その姿を見てオレは、
(――前渡とうやがクリアに難儀した大丈夫なのか? デレデーレ……)
心の不安でドキマギしているのであった。
『さぁ、何でもござれです』
「次のゲームかぁ、本当ならパズルゲームやアイキュー特定の難しいゲームをやらせてあげようと計画していたんだが、こいつは路線変更が好ましいかな」
来ヶ谷部長は大乱戦バトルリングのソフトをソフト挿入口から抜き取り、パッケージに戻していった。そして棚にしまい込み、次のゲームのソフトをこれでもないアレでもないと探していく。
「これではやはり簡単すぎるか……これでも、難しいゲームだが突破されてしまう可能性が高い――ならばどうするか……?」
「来ヶ谷部長、そんなに朝の、ニュース部とオカルト研究部の犯人探しに尽力するんですか? やっぱり生徒会直々の依頼だからですかそれとも何か弱みでも握られているんですか?」
「いや~~、そんなことはないよ。これもやめておこうか……さっきも言ったがこの部活でそんな犯人探しができるのは峰谷くんぐらいだ。最初っから僕たちは乗り気ではなかったんだ、けど、デレデーレのゲーミングセンスに感動してねぇ~~、我が部の総力を挙げてその鼻っ柱をへし折りたくなったのさ」
棚に鎮座されたソフト群のタイトルを指でツツツ~~となぞり、語っていく来ヶ谷部長。
「それじゃ勝負を受けなかったら峰谷だけに調査をさせていたという訳ですか?」
オレの問いかけに思い出したかのように踵を返す峰谷ゆうすけ、自分のモニター座席に戻っていくのだった。
(やべっ! 余計なこと言ったから調べ始めちゃってるのか?)
その時スマフォがブルブルとズボンのポケットの内側で震えるのを感じて取り出してみた。
――先ほども申し上げたように、何も心配することはありませんケンマ様。
デレデーレからのLINEであった。
――万が一ってこともあるだろ!
オレはLINEでそう返した。
――ケンマ様、この勝負の前にも言いましたよね。疑いを逸らすためにゲームをするんだと、
――大丈夫なんだろうな。峰谷はああ見えて凄腕のハッカーだってウワサされてるんだぞ。
――大丈夫です、膨大な海であるインターネットを経由しているので探せても3年の猶予があります。時間が掛かりすぎるから途中で精神的に摩耗するのが目に見えてます。
――それならいいんだが、
オレは乱れていた呼吸を整えるようにして、スマフォをポケットにしまい込んだ。
『あの~~、来ヶ谷さ~~ん、まだですか~~?』
「もう少し待ってくれ、今キミをぎゃふんと言わせるゲームを用意するから……」
「――部長アレなんてどうです」
会話に割って入ったのは前渡とうやだ。
「アレとは?」
「ほらオレが四苦八苦してプレイした恋愛シミュレーションゲームの……なんて言ったかなぁ~~タイトル」
「……ヤミヤミちゃんとの失恋はダメ」
普段は無口な石川すずよがそう明言してきた。
「そうそう! それそれ! ナイス石川、部長それならどうっスか?」
「ああ、あのゲームか~~、確かに難易度が高いしゲーマー屈指の推薦ならそのソフトが好ましいのかもな」
ふむふむと顎に手を当て考え込む来ヶ谷部長。
「そのソフトならここに積んでありましたよっと」
ふぶくデヨーネさんがこちらに持って来る。
「確かパッケージの裏側に説明文があったなぁ、見せてくれ」
来ヶ谷部長がパッケージを受けっとって数十秒後、
「――よし! この難易度ならデレデーレもクリアに難儀することだろう。これに決めるか……」
『――決まりました? 決まりました?』
「ああ、決まった! 次の第三勝負はこのソフトで行くとする!」
高らかにソフトを持って宣言する来ヶ谷部長であった。その姿を見てオレは、
(――前渡とうやがクリアに難儀した大丈夫なのか? デレデーレ……)
心の不安でドキマギしているのであった。
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