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二章 超AIの大活躍

24話 ラスボス、ビッグサテライター!

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オレは息をのんだ。なにせ次は最終ステージのラスボスのお出ましだからだ。

「――名をビッグサテライター」

そう口をこぼしたのはゲーマー前渡とうや。

『まだかな♪ まだかな♪』

余裕の表情でラスボスを待ち構えるのは、オレの作り出した超AI通称デレデーレ。今か今かとラスボスの登場を待ちながら、雑魚敵を撃墜しゲームを楽しんでいた。

それは刹那の瞬間だった。

――太陽の光で満たされていたモニター内の幻想的な空間が一瞬にして消え、純黒の真なる黒の空間が突如として現れた。

『きたーーーーーーーー!!』

ラスボスの登場と同時に、デレデーレは残機1の機体から弾幕を張る。

姿そして形はまるで卵のような楕円形の物体が横に寝転がっているかのようだった。その中心部には主砲と思われる大きな砲台があり、ところどころには小さな砲台もついていた。

ビッグサテライターの攻撃が始まる。小さな砲台は全部で20程あった、そこからレーザーやミサイルや弾幕が襲い掛かる。
そのすべての攻撃を華麗に避けながら確実に相手にダメージを当てていくデレデーレ。いいペースに持ち込めたような気がしたが、デレデーレは奥歯を噛み締めていた。

『背後に集中攻撃と言うことは何かありますね。例えばあの主砲――』

言ってるそばからビッグサテライターの主砲から大きな爆弾のようなものが発射された。そして――

ドゴーーーーーーーーン!! と大爆発を鳴らせる。モニター内画面ギリギリの大爆発である。

「デレデーレ!!」

オレは咄嗟に叫んだ。

『大丈夫ですケンマ様! 画面はじにてやり過ごしました!』

「ふぅ~~、これは何だ! 初見殺しもいい所ですよ!」

来ヶ谷部長に詰め寄った。

「いや、僕に言われても……開発者は学校のOBだし、それにどんな攻撃を仕掛けてくるラスボスかなんて知らなかったんだよ」

またもドゴーーーーーーン!! という効果音が聞こえてくる。さっきまでデレデーレが居た位置を中心に大きな爆発が巻き起こっていた。

『厄介ですね……狙い撃ちの大砲撃ですか……?』

またもドゴーーーーーーン!!という音が部室中に響き渡る。画面内の半分を占める爆発だった。
デレデーレはこの砲撃の攻略法をすぐ看破していた。まずビッグサテライターからの弾道爆弾が発射される、それを縦横に逃走するでなく斜めに逃走するのである。そうすることでこのゲームの盲点、縦横移動のスピードを斜め移動によって克服するのである。しかも斜め移動の方が画面内に円状に広がる爆発から、安全地帯を確実に確保できるという点である。すなわち爆発の隙間に居座れる。

『弾道されたこの爆弾の制限時間は3秒十分避けられますけど……問題は避け方ですね……これ大回りしないとすぐに詰む仕様になっていますね』

またもドゴーーーーーーン!! という爆発音が鳴り響く。しかし着実にダメージを張り続けるデレデーレ、その恐ろしいプレイはプロ顔負けであった。ドゴーーーーーーン!! ドゴーーーーーーン!! ドゴーーーーーーン!! ドゴーーーーーーン!! と立て続けに爆発が起きても、デレデーレは難なく回避していた。

「……もう攻略したも同然だな」

デレデーレのプレイを見る前渡とうやのお墨付きと在ればそうなんだろう。しかし問題は時間だった。すでにラスボス戦に入って1分は経過している。
このまま大回りの逃走劇だと、ビッグサテライター本体にダメージが全然通らないのだ。そこでデレデーレが考えたのは――

『――演算完了』

デレデーレの取った作戦はいたってシンプルだった。まず、ビッグサテライターの目前まで迫り、主砲から出てくる爆弾を自機のいた位置へと誘導し、自分は最低限後方に下がりながら、弾幕を張っていく戦法。もし縦の幅に計算違いがあれば撃墜はま逃れなかったのだが――

――ドゴーーーーーーン!! 何とかモニター内3センチというギリギリのところで止まってくれた。

これを覚えたデレデーレは主砲の前までは進んで、爆発寸前まではフィールド内のところで止まるように繰り返していた。そしてほどなくして――

『やったーーーーーー!!』

バゴゴゴーーーーン!! と音を鳴らしてラスボス第一形態を倒したのだった。

(残る形態は二形態……そして残り時間4分48秒、行けるかデレデーレ)
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