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二章 超AIの大活躍
19話 一面のボス顔面隕石
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「ディスクセット、エンターキープッシュ! では、スタート!」
来ヶ谷部長の宣言と共に開始されたシューティングゲーム、コズミックシューティングスターのオープニングが始まる。
デデデデーーーーン!! デッデデーーン!!
壮大なBGMと共にコンピューターゲーム、コズミックシューティングスターのタイトルロゴがモニター内に出現した。自機であろう宇宙船も直進しつつ七色の尾を引いていた。背景は星々が煌めく広大な宇宙。ちなみにCG多様ゲームである。
「やば、プロの犯行じゃん。これで賞取れないってどいうこと?」
オレは今にも飛び出してきそうなタイトルロゴに圧倒されつつ口を零した。
「……難易度だよ。まぁけどOBたちは挑戦者だったからこそ伝説のゲームを作ったのさ。妥協せず納品ギリギリまでデバック作業をしていたというよ」
「へ~~」
デバックとはゲーム内のバグを取り除き修する作業のことである。
『――では、ニューゲーム!』
その合図と同時にニューゲームの表示がピカピカ点滅しゲームが始まる。
「すげーーエンタキーを押さずに勝手にゲームが始まった」
吐露する前渡とうや。
ちょっとしたナレショーンが入り、このゲームがどういう内容化を教えてくれる。簡単に言うと地球人vs宇宙人である。何がどうなって自機一つで敵陣に飛び込まなくてはならないのか意味不明だった。
「既存のゲーム内容と似たような点がいくつかありますね、このシナリオ……」
「まぁ、ストーリーの方は模倣したらしいよ、昔ながらの縦スクロール型ゲームを連想させるシナリオって評判もあるし……おい、目頭! プレイ動画の保存は頼んだよ!」
「……はいはい」
しぶしぶ自分の席へと戻っていく目頭副部長。
「プレイ動画なんか取ってどうするんですか?」
オレは首を傾げる。
「このゲームは未だ攻略した人は居ないとさっき言ったね。クリアで来たらその参考動画になればと思ってね」
来ヶ谷部長は目線をモニターに移動させる。
モニターではすでにデレデーレの尋常離れしたプレイが披露されていた。
「一面前半、その段階でもう一万スコアかよ」
廃人ゲーマーの前渡とうやが流し目に見ていた。
「ところでこの搭乗機に乗ってるのってデレデーレちゃんじゃない?」
ふぶくデヨーネさんの言う通り、よく見れば窓ガラスには髪をたなびかせるデレデーレの姿がそこにはあった。
デレデーレのプレイには見ごたえがあり、隕石があるのだが開始数秒で壊しにくいという理由から回避に専念し、敵宇宙船は一機たりとも逃さずに駆逐していった。
そして、一面のボス戦、顔面隕石というボスが顔を表した花火のように広がる弾幕の嵐を華麗に回避するデレデーレ、それでいてこちらの攻撃は一発も無駄にせず撃ち込んでいく。
「そろそろ来るぞ……」
前渡とうやが口を零していた。
そうすると顔面隕石の目と口から青い線が放出される。それは必殺技の合図。
みるみる線は大きな波動砲に切り替わりデレデーレに迫りくる。ここまで無駄弾を避けてきたデレデーレは回避に専念されるのかと思いきや目と口の波動砲の間を縫うように通り抜け必殺の一撃を難なくやり過ごす。ここまで無駄弾はない。
「やるじゃん、俺それ攻略するまで50回は撃ち落されたっつーのに」
ピュ―と口笛を鳴らす前渡とうや。
回避は自機がギリギリ潜り抜けられるラインしか残っていない。針に糸を通すかのごとく。
搭乗者のデレデーレは周りの波動砲の光線で前方しか見えてないはずだ。なのに飛びこんだ。これには訳がある。このゲーム厄介なことに時間制限らしきものがある。モニターの右下に数字が表示されているのだ。
「来ヶ谷部長これ時間制限の数字っすか?」
「ああ、そうこのゲームがまさに鬼畜と呼ばれるゆえんだよ。この時間内までにラスボスまで攻略しないとゲームオーバーという訳さ……時間にして40分厳しいだろう?」
(鬼畜過ぎるわ。今はあと35分か)
ドドドドーーーーン!! という爆発音とともに顔面隕石は木っ端みじんに撃ち滅ぼされたところだった。
『さて、あと4面。ここからも頑張りますよーー』
デレデーレは気合を入れて次の面に移っていく。
来ヶ谷部長の宣言と共に開始されたシューティングゲーム、コズミックシューティングスターのオープニングが始まる。
デデデデーーーーン!! デッデデーーン!!
壮大なBGMと共にコンピューターゲーム、コズミックシューティングスターのタイトルロゴがモニター内に出現した。自機であろう宇宙船も直進しつつ七色の尾を引いていた。背景は星々が煌めく広大な宇宙。ちなみにCG多様ゲームである。
「やば、プロの犯行じゃん。これで賞取れないってどいうこと?」
オレは今にも飛び出してきそうなタイトルロゴに圧倒されつつ口を零した。
「……難易度だよ。まぁけどOBたちは挑戦者だったからこそ伝説のゲームを作ったのさ。妥協せず納品ギリギリまでデバック作業をしていたというよ」
「へ~~」
デバックとはゲーム内のバグを取り除き修する作業のことである。
『――では、ニューゲーム!』
その合図と同時にニューゲームの表示がピカピカ点滅しゲームが始まる。
「すげーーエンタキーを押さずに勝手にゲームが始まった」
吐露する前渡とうや。
ちょっとしたナレショーンが入り、このゲームがどういう内容化を教えてくれる。簡単に言うと地球人vs宇宙人である。何がどうなって自機一つで敵陣に飛び込まなくてはならないのか意味不明だった。
「既存のゲーム内容と似たような点がいくつかありますね、このシナリオ……」
「まぁ、ストーリーの方は模倣したらしいよ、昔ながらの縦スクロール型ゲームを連想させるシナリオって評判もあるし……おい、目頭! プレイ動画の保存は頼んだよ!」
「……はいはい」
しぶしぶ自分の席へと戻っていく目頭副部長。
「プレイ動画なんか取ってどうするんですか?」
オレは首を傾げる。
「このゲームは未だ攻略した人は居ないとさっき言ったね。クリアで来たらその参考動画になればと思ってね」
来ヶ谷部長は目線をモニターに移動させる。
モニターではすでにデレデーレの尋常離れしたプレイが披露されていた。
「一面前半、その段階でもう一万スコアかよ」
廃人ゲーマーの前渡とうやが流し目に見ていた。
「ところでこの搭乗機に乗ってるのってデレデーレちゃんじゃない?」
ふぶくデヨーネさんの言う通り、よく見れば窓ガラスには髪をたなびかせるデレデーレの姿がそこにはあった。
デレデーレのプレイには見ごたえがあり、隕石があるのだが開始数秒で壊しにくいという理由から回避に専念し、敵宇宙船は一機たりとも逃さずに駆逐していった。
そして、一面のボス戦、顔面隕石というボスが顔を表した花火のように広がる弾幕の嵐を華麗に回避するデレデーレ、それでいてこちらの攻撃は一発も無駄にせず撃ち込んでいく。
「そろそろ来るぞ……」
前渡とうやが口を零していた。
そうすると顔面隕石の目と口から青い線が放出される。それは必殺技の合図。
みるみる線は大きな波動砲に切り替わりデレデーレに迫りくる。ここまで無駄弾を避けてきたデレデーレは回避に専念されるのかと思いきや目と口の波動砲の間を縫うように通り抜け必殺の一撃を難なくやり過ごす。ここまで無駄弾はない。
「やるじゃん、俺それ攻略するまで50回は撃ち落されたっつーのに」
ピュ―と口笛を鳴らす前渡とうや。
回避は自機がギリギリ潜り抜けられるラインしか残っていない。針に糸を通すかのごとく。
搭乗者のデレデーレは周りの波動砲の光線で前方しか見えてないはずだ。なのに飛びこんだ。これには訳がある。このゲーム厄介なことに時間制限らしきものがある。モニターの右下に数字が表示されているのだ。
「来ヶ谷部長これ時間制限の数字っすか?」
「ああ、そうこのゲームがまさに鬼畜と呼ばれるゆえんだよ。この時間内までにラスボスまで攻略しないとゲームオーバーという訳さ……時間にして40分厳しいだろう?」
(鬼畜過ぎるわ。今はあと35分か)
ドドドドーーーーン!! という爆発音とともに顔面隕石は木っ端みじんに撃ち滅ぼされたところだった。
『さて、あと4面。ここからも頑張りますよーー』
デレデーレは気合を入れて次の面に移っていく。
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