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第十五章 大規模レース大会、本気を出して1位を目指す
第760話 スロプとクダリは支えられていた
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現在独走中のチーム・ウォーズサイクル。
そのバイクの乗り手、クダリという青年はあることを考えていた。
(1位か……案外楽勝だったな)
クダリのコンタクトレンズには複数の妨害アイテムが表示されていた。
(これだけあれば誰が追いついてこようが、この俺は抜かせない)
(見ててくれ兄さん。あんたの仇はオレが取る)
今度はマップの方に目の焦点を合わせる。
(2位はスロプたちか……3位は大魔王――)
(ん? あれだけいたチームが半分以下になっている)
(リタイヤか? さすがに多すぎる何があったんだ?)
クダリはヘルメット越しからバイクのサイドミラーを覗き込んだ。
(ようやく来たか……)
クダリはその展開に驚きはしなかった。
「クダリィーー!! 1位争いの約束を果たしに来たよぉーー!!」
猛スピードで追いついてきた2位のチーム・ウォーズサイクル。車姿のスロプが声を張り上げた。
この時、
(追いついてきたか……デカい口叩くだけのことはあったな)
クダリは片手をバイクのハンドルから離しコンタクトレンズ越しに映っていた妨害アイテムを発動させた。
バナナの皮が10個、飛ばされてきた。
「軌道読み!」
ロードの目はコース上に配置されたバナナの皮を、ハンドルを切って正確に回避した。
ギュルギュルギュルギュル! とタイヤが音を鳴らし進んでいく。その際、スピードを落とすことはなかった。
「クダリ! もうすぐそこまで行くからーー!!」
スロプは声を張り上げ続けた。
この時、
(フン、臆病者が何が1位争いだ。オレはこのまま独走して1位を勝ち取る。1位争いなんて今更意味はない。何せ――)
クダリはバイクをブーストさせた。
「オレに追い付くなんて不可能なんだよ!」
ブブブーーーーン! とチーム・ウォーズサイクルは近づいてくるチーム・カーズアンドロードを引き離していく。
(速いな)
ロードが呟く中、クダリは新たな妨害アイテム火のこを発動させ、後方に複数の火の玉を転ばせてきた。
しかし、やはりロードには軌道読みがあるため転がってくる火のこをすべて躱していくのだった。
この時、
(運転手に頼りっぱなしで何が1位争いだ笑わせるな)
クダリは火山コースの洞窟の中に入りながら思っていた。
「クダリィ! 待ってよ!」
スロプはクダリを呼びかけ続ける。しかし帰ってきた反応は――
「いつまで甘えてるつもりだ! ここまで来て本気も出さないのか!?」
今度はクダリが叫んだ。
「えっ?」
意表な言葉をつかれたスロプ。
「なんだよその普通の自動車はレーシング用のスーパーカーにもならずにオレに追い付くつもりか!? 舐めるなよ!」
「ご、ごめん! 今から姿を変えるよ! ――――ロード車内を少し変えるよ思いっきりアクセルを踏んでクダリに追い付いて!」
「わかった」
ロードが了承すると、スロプはスーパーカーに変身した。そのスピードは先ほどの自動車の比ではなかった。
「スロプ! オレは本気を出せといったんだ! たとえ話のスーパーカーで二輪車の秘宝玉持ちのオレに追い付けると思うな!」
言ってスロプはさらにバイクのスピードを上げていく。
(速すぎて追いつけない)
ロードは思いっきりアクセルを踏んでいる。スーパーカーの出せる限界の数値までスピードを出していたが、追いつけないでいた。
「クダリィ! 君の望み通りここまで来たよ! なのに何がそんなに不満なのさ!」
「兄貴のことを忘れたのか!?」
「兄貴って、ノボリさんのこと!? 忘れてないよ!」
「だったら兄貴がこのレースで死んだとき誓ったことを思い出せ!」
「――――!!!?(ノボリさんが死んだとき)」
◇ ◇ ◇ ◇
それは数年前のエンビーズ杯でのことだった。
一族の何代にも続く二輪車の秘宝玉に選ばれたクダリのたった一人の兄弟、ノボリという青年の話。
親からは新品のバイクを買ってもらい、迫るエンビーズ杯に走れることに期待を膨らませていた。
観客席では幼いころのスロプとクダリがノボリという青年の応援に来ていた時だった。
その日、ノボリという青年は何でもありというレースのルール上で秘宝玉を持ちながら、相手チームの妨害を受けて死んでしまった。
ノボリの親は悲しみの涙を見せた。スロプもあこがれの人の永遠の死に泣き崩れた。
しかし、クダリは違った。
泣き崩れたスロプを強引に立たせて……
「スロプ――オレたちがいつかこのレースで優勝して兄貴の仇を取ってやろう」
「クダリ、けど、僕らには秘宝玉がないよ」
「兄貴が選ばれたんだ。同じ血の通ってるオレが選ばれないはずがない」
「でも僕は……」
その頃のスロプもエンビーズ杯で命を落とした祖父の秘宝玉を持っていたが、選ばれてはいなかった。
「頑張るんだ! 頑張って! 秘宝玉に認めてもらうんだ! そしていつの日かオレたちが秘宝玉に選ばれたら、このエンビーズ杯で1位争いをするぞ!」
「できるかなぁ」
「できるかなじゃない。誓いだ! 兄貴の無念の優勝を二人で取り合おう!」
「う、うん」
「約束だぞ」
クダリは兄が死んだというのに笑顔を見せた。
その時はこの誓いが彼の心を支えていたからだ。
◇ ◇ ◇ ◇
クダリはいつの間にか涙を流していた。
「あの誓いを覚えているのかと聞いているんだ!」
「……(クダリ……)」
「どうなんだ覚えているのか!? いないのか!?」
クダリの涙の雫が宙で止まって通りかかる車姿のスロプに当たる。
この時、
(覚えてるよ。忘れられるわけないじゃないか……)
(ノボリさんの無念の優勝は僕らで勝ち取るって)
(でも、また事故を起こしてロードを巻き込んでしまったらと思うと……)
スロプの心は揺らぎ始めた。それは車体にも表れて運転席を震わすほどの恐怖を呼び起こしていた。
だが、
「スロプ。もうすぐ約束が果たせるぞ。奥の手はあるんだろうな」
「ロード。でもこれ以上スピードを上げると……」
「大丈夫だ。あれだけ運転の練習をしたんだ。安全運転は忘れてない。オレたちなら1位を取れる」
ロードはスロプの支えになっていた。
「何があったのか知らないけど……お前は約束を果たそうとしている。今どんな気持ちか自分の心に訊いてみろ」
「…………(どんな気持ちか……)それは……ドキドキ。アツアツ。ワクワク。ニコニコ」
「それは楽しいってことだ。大丈夫お前は約束を果たせるよ。だから本気を出して見ろ」
ロードはどこか清々しそうに猛スピードを維持していた。
「ははは、そうだね。楽しいよ。だからロード。切り札を出すから驚かないで安全運転してね」
「ああ」
スロプが車体を変えていく。それは――その姿は――
「スロプ、これは――」
「前見てロード! もう後戻りはできないよ!」
スロプの姿が二輪車の姿に、つまりバイクの姿に変わっていた。
そのバイクの乗り手、クダリという青年はあることを考えていた。
(1位か……案外楽勝だったな)
クダリのコンタクトレンズには複数の妨害アイテムが表示されていた。
(これだけあれば誰が追いついてこようが、この俺は抜かせない)
(見ててくれ兄さん。あんたの仇はオレが取る)
今度はマップの方に目の焦点を合わせる。
(2位はスロプたちか……3位は大魔王――)
(ん? あれだけいたチームが半分以下になっている)
(リタイヤか? さすがに多すぎる何があったんだ?)
クダリはヘルメット越しからバイクのサイドミラーを覗き込んだ。
(ようやく来たか……)
クダリはその展開に驚きはしなかった。
「クダリィーー!! 1位争いの約束を果たしに来たよぉーー!!」
猛スピードで追いついてきた2位のチーム・ウォーズサイクル。車姿のスロプが声を張り上げた。
この時、
(追いついてきたか……デカい口叩くだけのことはあったな)
クダリは片手をバイクのハンドルから離しコンタクトレンズ越しに映っていた妨害アイテムを発動させた。
バナナの皮が10個、飛ばされてきた。
「軌道読み!」
ロードの目はコース上に配置されたバナナの皮を、ハンドルを切って正確に回避した。
ギュルギュルギュルギュル! とタイヤが音を鳴らし進んでいく。その際、スピードを落とすことはなかった。
「クダリ! もうすぐそこまで行くからーー!!」
スロプは声を張り上げ続けた。
この時、
(フン、臆病者が何が1位争いだ。オレはこのまま独走して1位を勝ち取る。1位争いなんて今更意味はない。何せ――)
クダリはバイクをブーストさせた。
「オレに追い付くなんて不可能なんだよ!」
ブブブーーーーン! とチーム・ウォーズサイクルは近づいてくるチーム・カーズアンドロードを引き離していく。
(速いな)
ロードが呟く中、クダリは新たな妨害アイテム火のこを発動させ、後方に複数の火の玉を転ばせてきた。
しかし、やはりロードには軌道読みがあるため転がってくる火のこをすべて躱していくのだった。
この時、
(運転手に頼りっぱなしで何が1位争いだ笑わせるな)
クダリは火山コースの洞窟の中に入りながら思っていた。
「クダリィ! 待ってよ!」
スロプはクダリを呼びかけ続ける。しかし帰ってきた反応は――
「いつまで甘えてるつもりだ! ここまで来て本気も出さないのか!?」
今度はクダリが叫んだ。
「えっ?」
意表な言葉をつかれたスロプ。
「なんだよその普通の自動車はレーシング用のスーパーカーにもならずにオレに追い付くつもりか!? 舐めるなよ!」
「ご、ごめん! 今から姿を変えるよ! ――――ロード車内を少し変えるよ思いっきりアクセルを踏んでクダリに追い付いて!」
「わかった」
ロードが了承すると、スロプはスーパーカーに変身した。そのスピードは先ほどの自動車の比ではなかった。
「スロプ! オレは本気を出せといったんだ! たとえ話のスーパーカーで二輪車の秘宝玉持ちのオレに追い付けると思うな!」
言ってスロプはさらにバイクのスピードを上げていく。
(速すぎて追いつけない)
ロードは思いっきりアクセルを踏んでいる。スーパーカーの出せる限界の数値までスピードを出していたが、追いつけないでいた。
「クダリィ! 君の望み通りここまで来たよ! なのに何がそんなに不満なのさ!」
「兄貴のことを忘れたのか!?」
「兄貴って、ノボリさんのこと!? 忘れてないよ!」
「だったら兄貴がこのレースで死んだとき誓ったことを思い出せ!」
「――――!!!?(ノボリさんが死んだとき)」
◇ ◇ ◇ ◇
それは数年前のエンビーズ杯でのことだった。
一族の何代にも続く二輪車の秘宝玉に選ばれたクダリのたった一人の兄弟、ノボリという青年の話。
親からは新品のバイクを買ってもらい、迫るエンビーズ杯に走れることに期待を膨らませていた。
観客席では幼いころのスロプとクダリがノボリという青年の応援に来ていた時だった。
その日、ノボリという青年は何でもありというレースのルール上で秘宝玉を持ちながら、相手チームの妨害を受けて死んでしまった。
ノボリの親は悲しみの涙を見せた。スロプもあこがれの人の永遠の死に泣き崩れた。
しかし、クダリは違った。
泣き崩れたスロプを強引に立たせて……
「スロプ――オレたちがいつかこのレースで優勝して兄貴の仇を取ってやろう」
「クダリ、けど、僕らには秘宝玉がないよ」
「兄貴が選ばれたんだ。同じ血の通ってるオレが選ばれないはずがない」
「でも僕は……」
その頃のスロプもエンビーズ杯で命を落とした祖父の秘宝玉を持っていたが、選ばれてはいなかった。
「頑張るんだ! 頑張って! 秘宝玉に認めてもらうんだ! そしていつの日かオレたちが秘宝玉に選ばれたら、このエンビーズ杯で1位争いをするぞ!」
「できるかなぁ」
「できるかなじゃない。誓いだ! 兄貴の無念の優勝を二人で取り合おう!」
「う、うん」
「約束だぞ」
クダリは兄が死んだというのに笑顔を見せた。
その時はこの誓いが彼の心を支えていたからだ。
◇ ◇ ◇ ◇
クダリはいつの間にか涙を流していた。
「あの誓いを覚えているのかと聞いているんだ!」
「……(クダリ……)」
「どうなんだ覚えているのか!? いないのか!?」
クダリの涙の雫が宙で止まって通りかかる車姿のスロプに当たる。
この時、
(覚えてるよ。忘れられるわけないじゃないか……)
(ノボリさんの無念の優勝は僕らで勝ち取るって)
(でも、また事故を起こしてロードを巻き込んでしまったらと思うと……)
スロプの心は揺らぎ始めた。それは車体にも表れて運転席を震わすほどの恐怖を呼び起こしていた。
だが、
「スロプ。もうすぐ約束が果たせるぞ。奥の手はあるんだろうな」
「ロード。でもこれ以上スピードを上げると……」
「大丈夫だ。あれだけ運転の練習をしたんだ。安全運転は忘れてない。オレたちなら1位を取れる」
ロードはスロプの支えになっていた。
「何があったのか知らないけど……お前は約束を果たそうとしている。今どんな気持ちか自分の心に訊いてみろ」
「…………(どんな気持ちか……)それは……ドキドキ。アツアツ。ワクワク。ニコニコ」
「それは楽しいってことだ。大丈夫お前は約束を果たせるよ。だから本気を出して見ろ」
ロードはどこか清々しそうに猛スピードを維持していた。
「ははは、そうだね。楽しいよ。だからロード。切り札を出すから驚かないで安全運転してね」
「ああ」
スロプが車体を変えていく。それは――その姿は――
「スロプ、これは――」
「前見てロード! もう後戻りはできないよ!」
スロプの姿が二輪車の姿に、つまりバイクの姿に変わっていた。
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