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第十四章 彼と彼女の両想いになるまでの一週間の逃避行
第711話 六日目の終わり
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フラワーラスト界・レンガの道。
ロードは大魔王ジュウカイダンに手足も出せず、フローランに助けられて一人きりになっていた。
すっかり辺りは夜中になっていた。いつもよりズッシリと黒を感じるロード。
(オレは負けたのか?)
虹色の花畑でロードが仰向けになって考えていた。
(大魔王ジュウカイダンに二度も地べたに倒れ伏された)
ロードの手には力が有り余っていた。なのに大ピンチだった。
(あそこでフローランに助けられなければ、オレは地面に沈んで死んでいたのか?)
ロードが両手の拳を握る。指はしっかり動くし力も入る。
(あの地面の液状と青い剣での空を飛ぶことを持ってしても沈むか)
ロードは腰の剣に手を当てる。
「アカ、オレはどうしたらいい」
「……………………」
アカは疲れているのか眠ったままだった。
(どうする? フローランは王宮の花園に連れてかれた)
(全力を出せば夜中でつけない距離じゃない)
(地図もフローランと一緒に見て把握している)
(騎士の花園までなら今日中につけるだろう)
(けれど騎士団が王宮に到着する頃にはフローランがどうなってるか分からない)
(それに騎士の花園に一人で行っても彼女の従者でもないオレの言うことを信じてもらえるかどうか)
(それに騎士団が何人いてもあの大魔王に勝てる気がしない)
(フローランの両親の秘宝玉も厄介だ)
(沈没と距離と認名の秘宝玉を攻略しなければいくら人数がいても勝てる気がしない)
(どうすればいい、どうすれば……)
ロードは起き上がった、土まみれのタキシードの汚れを払っていく。
そして両手で自分の頬をビンタした。
「何を迷っているんだオレは!? フローランのピンチなんだぞ! 今走らなくていつ走るんだ!!」
ロードは極体を発動させた。それは身体能力の向上を高める力。
ロードは全速力でレンガの道を走っていく。いや来た道を戻っていく。
(一刻も早くフローランを助け出す。それがオレの誓い!)
(あの人たちの能力の攻略法なら走りながらでも考えられる)
(とにかく走れオレ!)
(距離の秘宝玉は突き放したり引き寄せたりしてくる。だったらアレでいい)
(認名の秘宝玉は名前を持つ者同士を接触させたり、させなかったりする。だったらアレでいい)
(問題は全てを液状の地面にする沈没の秘宝玉だ)
(どうすればいい、どうすれば引っ掛からない)
その時ロードは自分の走り姿を見ていた。
身体能力の向上で足の速さが10倍以上になっていた。
(そうか、どうして最初っから本気でかからなかった)
その時、脳裏にフローランがよぎる。
フローランのいたずらが、仕草が、好意が、笑顔が、よぎる。
(私、あなたの為なら悪役の女王になってもいいわ)
ロードは隠し涙を思い出した。
(いつからだろう)
(いつからオレは意識していたんだろう)
(いつから恋に落ちていたんだろう)
(いつからこの幸せな旅に満足していたんだろう)
(いつからオレの脳みそはお花畑になっていたんだろう)
ロードは驚異的なスピードでレンガの道を通る。
(オレはアイツが好きだ。大好きだ。例えこれが奇跡の女神の効果だとしても好きだ)
ロードは王宮の花園を目指す。
(オレはフローランを助ける。今度こそ)
ロードの過ぎ去ったレンガの道では花々がユラユラ揺れていた。
◆ ◆ ◆ ◆
王宮の花園・王宮の姫室。
フローランは窓の外を見ていた。
「姫、明日は女王になるための戴冠式の日、今日はごゆっくり休まされますようお願いいたします」
大魔王ジュウカイダンが頭を下げて申していた。
「わかりました。寝巻に着替えるので使用人をよこしてください」
「かしこまりました」
大魔王ジュウカイダンは姫室を後にした。ドアノブはガチャリと鍵を閉められた。
(はぁ~~~~)
(私が明日から女王)
(魔物たちの悪の女王)
(そんなことはどうでもいいのですが……)
(あの方は、勇者様はご無事でしょうか)
(私が悪に落ちても許してくれるでしょうか)
(怒りに来てくれるでしょうか)
(大好きでいてくれるでしょうか)
(私の大好きな勇者様)
フローランは窓の外を見る。
漆黒の闇がフローランの瞳に移る。
ロードと会って六日目の夜が終わろうとしていた。
ロードは大魔王ジュウカイダンに手足も出せず、フローランに助けられて一人きりになっていた。
すっかり辺りは夜中になっていた。いつもよりズッシリと黒を感じるロード。
(オレは負けたのか?)
虹色の花畑でロードが仰向けになって考えていた。
(大魔王ジュウカイダンに二度も地べたに倒れ伏された)
ロードの手には力が有り余っていた。なのに大ピンチだった。
(あそこでフローランに助けられなければ、オレは地面に沈んで死んでいたのか?)
ロードが両手の拳を握る。指はしっかり動くし力も入る。
(あの地面の液状と青い剣での空を飛ぶことを持ってしても沈むか)
ロードは腰の剣に手を当てる。
「アカ、オレはどうしたらいい」
「……………………」
アカは疲れているのか眠ったままだった。
(どうする? フローランは王宮の花園に連れてかれた)
(全力を出せば夜中でつけない距離じゃない)
(地図もフローランと一緒に見て把握している)
(騎士の花園までなら今日中につけるだろう)
(けれど騎士団が王宮に到着する頃にはフローランがどうなってるか分からない)
(それに騎士の花園に一人で行っても彼女の従者でもないオレの言うことを信じてもらえるかどうか)
(それに騎士団が何人いてもあの大魔王に勝てる気がしない)
(フローランの両親の秘宝玉も厄介だ)
(沈没と距離と認名の秘宝玉を攻略しなければいくら人数がいても勝てる気がしない)
(どうすればいい、どうすれば……)
ロードは起き上がった、土まみれのタキシードの汚れを払っていく。
そして両手で自分の頬をビンタした。
「何を迷っているんだオレは!? フローランのピンチなんだぞ! 今走らなくていつ走るんだ!!」
ロードは極体を発動させた。それは身体能力の向上を高める力。
ロードは全速力でレンガの道を走っていく。いや来た道を戻っていく。
(一刻も早くフローランを助け出す。それがオレの誓い!)
(あの人たちの能力の攻略法なら走りながらでも考えられる)
(とにかく走れオレ!)
(距離の秘宝玉は突き放したり引き寄せたりしてくる。だったらアレでいい)
(認名の秘宝玉は名前を持つ者同士を接触させたり、させなかったりする。だったらアレでいい)
(問題は全てを液状の地面にする沈没の秘宝玉だ)
(どうすればいい、どうすれば引っ掛からない)
その時ロードは自分の走り姿を見ていた。
身体能力の向上で足の速さが10倍以上になっていた。
(そうか、どうして最初っから本気でかからなかった)
その時、脳裏にフローランがよぎる。
フローランのいたずらが、仕草が、好意が、笑顔が、よぎる。
(私、あなたの為なら悪役の女王になってもいいわ)
ロードは隠し涙を思い出した。
(いつからだろう)
(いつからオレは意識していたんだろう)
(いつから恋に落ちていたんだろう)
(いつからこの幸せな旅に満足していたんだろう)
(いつからオレの脳みそはお花畑になっていたんだろう)
ロードは驚異的なスピードでレンガの道を通る。
(オレはアイツが好きだ。大好きだ。例えこれが奇跡の女神の効果だとしても好きだ)
ロードは王宮の花園を目指す。
(オレはフローランを助ける。今度こそ)
ロードの過ぎ去ったレンガの道では花々がユラユラ揺れていた。
◆ ◆ ◆ ◆
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フローランは窓の外を見ていた。
「姫、明日は女王になるための戴冠式の日、今日はごゆっくり休まされますようお願いいたします」
大魔王ジュウカイダンが頭を下げて申していた。
「わかりました。寝巻に着替えるので使用人をよこしてください」
「かしこまりました」
大魔王ジュウカイダンは姫室を後にした。ドアノブはガチャリと鍵を閉められた。
(はぁ~~~~)
(私が明日から女王)
(魔物たちの悪の女王)
(そんなことはどうでもいいのですが……)
(あの方は、勇者様はご無事でしょうか)
(私が悪に落ちても許してくれるでしょうか)
(怒りに来てくれるでしょうか)
(大好きでいてくれるでしょうか)
(私の大好きな勇者様)
フローランは窓の外を見る。
漆黒の闇がフローランの瞳に移る。
ロードと会って六日目の夜が終わろうとしていた。
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