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第十四章 彼と彼女の両想いになるまでの一週間の逃避行
第688話 目玉焼きとヘアカット
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フローランと過ごす三日目の朝。
林に掛けたハンモックで眠っているロード。
そして早朝からフローランは忙しかった。
ロードの荷物から火起こし石を打ち付けて、どこから持って来たのか卵を割り、荷物からフライパンを持って目玉焼きを作り始める。
そのかぐわしい匂いに釣られてロードは目を覚ます。
「ん……んん……」
「あら起きましたか? でしたら少し待っていてください。すぐに朝食の準備をしますので……」
「ああ、わかった……って何を作っているんだ?」
「目玉焼きです知りませんか? 卵を割ってそのままフライパンに敷いて卵白と黄卵を焼くんでしてよ。その見た目から目玉焼きと名付けられました」
「ああ、そうか、わかった。出来たらまた起こしてくれ」
「まさかの二度寝、あなた本当に使用人だったころがありまして? さぁ食事時ですハンモックを片付けて顔を洗ってらっしゃい」
フローランに叱られた。しかし警戒心が無い。そのやりとりはまるで友人同士だった。
「わかったよ」
ロードは朝から上品に叱るフローランの言うことを訊き、ハンモックから降りた。
そしてハンモックを片付けて顔を洗いに行く。
「行ってらっしゃい川辺はあちらです」
笑顔のフローランが川のある方を指差す。
「はーい(今日はやけに機嫌がいいな)」
ロードは川辺の方へ向かう。そして川に映る自分の顔を見る。
(昨日の深夜、絵本の話で盛り上がったからだろうか)
(だとしたら見せて良かった。あの子とは気が合いそうだ)
ロードはそう思いながら顔を水で洗い流す。
顔の汚れをとったあと、フローランの元へ帰ると、
「はい、どうぞ」
どちらが従者か分からない。顔を拭くためのタオルが差し出された。
「あ、ああ、ありがとう」
ロードがタオルを受け取ると、直ぐに目玉焼きの調子を確認するフローラン。
「うん! できました! ではいただきましょう!」
フライパンには二つの目玉焼きがあった。
「「いただきます」」
それぞれのお皿に一つづつの目玉焼きを食していく。
「どこで取ってきた卵なんだ? まさか泥棒とかしてないよな?」
ロードが訊く。
「まぁ、なんて失礼な方、この異世界は全て私達王家の敷地です。どこで何しようが咎められる理由はありません」
「それ抜きで答えてくれ」
「まぁ、近場ににわとり小屋がありましてそこから管理人さんに頼み込んで譲ってもらったんです」
フローランが上品にナイフとフォークを使って目玉焼きを食べる。
「そうか、しっかり許可は貰ったんだ」
ロードがぺろりと目玉焼きをたいらげた。
「ときに目玉焼きには固焼き派と半熟派があります。あなたはどちら?」
「何だそれは?」
「黄卵の話です。硬く焼かれているモノと生で作られているものがあるのです」
「う~~ん、じゃあオレが食べているのは?」
「固焼きです」
「キミが食べているのは?」
「半熟です」
「食べてみたい」
「わかりました、ではお口をお開けになって、はいあ~~~~ん」
「あ~~~~ん」
パクリ、と半熟卵を食べた。
「いかがですか?」
「うん、これはこれで美味しい」
「良かった」
フローランとロードはそれからも色々な話をして楽しそうだった。
主に故郷の話題中心で、
▼ ▼ ▼
数十分後。
二人は川辺で皿洗いをしていた。
「あなたの髪。昨日の戦いで乱れてますね。私が切りそろえて差し上げましょうか」
何気ない提案だった。
「おう、願ってもない提案だ。最近、髪が伸びてきたと思ってたんだ? 綺麗にカットしてくれよ?」
「わかりました。大きな船に乗ったつもりで楽をしなさい」
そうしてロードとフローランは髪を切る準備を整えた。
鏡が無いのでフローランは近くや遠くからロードの顔に似合った髪型を探していた。
そして決意して何の変哲もないはさみでヘアカットしていく。
「このハサミでは少し毛先が痛むかもしれませんが、容赦してください」
サクサクサクとロードの髪を切りそろえていくフローラン。
ロードの髪が切りそろえられていく。
▼ ▼ ▼
数十分後。
「出来ました」
ロードの髪型は決まっていた。緩く逆立つ髪はそのままに少し短くなって、前髪も目元まで掛かっていたのが、まぶたまでとなった。
ロードは手鏡を見てこう言う。
「さっぱりしたな」
「はい」
そしてフローランは切った髪をロードの肩から払い、髪が溜まった敷物を片付けた。
ロードは着ていたヘアカット用の衣服を脱いで、折りたたみ式の椅子を荷物袋にしまい込んで行く。
ロードとフローランはそうして早朝を終えた。
林に掛けたハンモックで眠っているロード。
そして早朝からフローランは忙しかった。
ロードの荷物から火起こし石を打ち付けて、どこから持って来たのか卵を割り、荷物からフライパンを持って目玉焼きを作り始める。
そのかぐわしい匂いに釣られてロードは目を覚ます。
「ん……んん……」
「あら起きましたか? でしたら少し待っていてください。すぐに朝食の準備をしますので……」
「ああ、わかった……って何を作っているんだ?」
「目玉焼きです知りませんか? 卵を割ってそのままフライパンに敷いて卵白と黄卵を焼くんでしてよ。その見た目から目玉焼きと名付けられました」
「ああ、そうか、わかった。出来たらまた起こしてくれ」
「まさかの二度寝、あなた本当に使用人だったころがありまして? さぁ食事時ですハンモックを片付けて顔を洗ってらっしゃい」
フローランに叱られた。しかし警戒心が無い。そのやりとりはまるで友人同士だった。
「わかったよ」
ロードは朝から上品に叱るフローランの言うことを訊き、ハンモックから降りた。
そしてハンモックを片付けて顔を洗いに行く。
「行ってらっしゃい川辺はあちらです」
笑顔のフローランが川のある方を指差す。
「はーい(今日はやけに機嫌がいいな)」
ロードは川辺の方へ向かう。そして川に映る自分の顔を見る。
(昨日の深夜、絵本の話で盛り上がったからだろうか)
(だとしたら見せて良かった。あの子とは気が合いそうだ)
ロードはそう思いながら顔を水で洗い流す。
顔の汚れをとったあと、フローランの元へ帰ると、
「はい、どうぞ」
どちらが従者か分からない。顔を拭くためのタオルが差し出された。
「あ、ああ、ありがとう」
ロードがタオルを受け取ると、直ぐに目玉焼きの調子を確認するフローラン。
「うん! できました! ではいただきましょう!」
フライパンには二つの目玉焼きがあった。
「「いただきます」」
それぞれのお皿に一つづつの目玉焼きを食していく。
「どこで取ってきた卵なんだ? まさか泥棒とかしてないよな?」
ロードが訊く。
「まぁ、なんて失礼な方、この異世界は全て私達王家の敷地です。どこで何しようが咎められる理由はありません」
「それ抜きで答えてくれ」
「まぁ、近場ににわとり小屋がありましてそこから管理人さんに頼み込んで譲ってもらったんです」
フローランが上品にナイフとフォークを使って目玉焼きを食べる。
「そうか、しっかり許可は貰ったんだ」
ロードがぺろりと目玉焼きをたいらげた。
「ときに目玉焼きには固焼き派と半熟派があります。あなたはどちら?」
「何だそれは?」
「黄卵の話です。硬く焼かれているモノと生で作られているものがあるのです」
「う~~ん、じゃあオレが食べているのは?」
「固焼きです」
「キミが食べているのは?」
「半熟です」
「食べてみたい」
「わかりました、ではお口をお開けになって、はいあ~~~~ん」
「あ~~~~ん」
パクリ、と半熟卵を食べた。
「いかがですか?」
「うん、これはこれで美味しい」
「良かった」
フローランとロードはそれからも色々な話をして楽しそうだった。
主に故郷の話題中心で、
▼ ▼ ▼
数十分後。
二人は川辺で皿洗いをしていた。
「あなたの髪。昨日の戦いで乱れてますね。私が切りそろえて差し上げましょうか」
何気ない提案だった。
「おう、願ってもない提案だ。最近、髪が伸びてきたと思ってたんだ? 綺麗にカットしてくれよ?」
「わかりました。大きな船に乗ったつもりで楽をしなさい」
そうしてロードとフローランは髪を切る準備を整えた。
鏡が無いのでフローランは近くや遠くからロードの顔に似合った髪型を探していた。
そして決意して何の変哲もないはさみでヘアカットしていく。
「このハサミでは少し毛先が痛むかもしれませんが、容赦してください」
サクサクサクとロードの髪を切りそろえていくフローラン。
ロードの髪が切りそろえられていく。
▼ ▼ ▼
数十分後。
「出来ました」
ロードの髪型は決まっていた。緩く逆立つ髪はそのままに少し短くなって、前髪も目元まで掛かっていたのが、まぶたまでとなった。
ロードは手鏡を見てこう言う。
「さっぱりしたな」
「はい」
そしてフローランは切った髪をロードの肩から払い、髪が溜まった敷物を片付けた。
ロードは着ていたヘアカット用の衣服を脱いで、折りたたみ式の椅子を荷物袋にしまい込んで行く。
ロードとフローランはそうして早朝を終えた。
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