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第十二章 明かされし衝撃の事実と兄妹愛

第608話 ケチャップとマスタードとフランクフルト

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 ロード一行は次の屋台を目指していた。

「次はここです!」

 ドノミがある屋台の店の前で止まる。

「ふらんくふると……」

 スワンが屋台に書かれた文字を読んで口に出す。

「そうです! ジャンクフードの一つですが屋台で食べるフランクフルトは一味違います」

 ドノミは説明する。

 屋台からは食欲をそそるいい香りがして来た。

「いいから早く食わせろ」

 グラスが前置きにイラついた。

「フランクフルトか~~」

 ブケンが呟く。

「どういう食べものか知っているのかい?」

 ハズレが訊いてみる。

「豚の腸にひき肉を詰め込んで焼いた料理のことだ」

「うげ、腸? 美味しいのかそれは」

「食べてみればわかる」

「ミハニーツさんはこういうの食べるイメージないけど……」

 シルベが恐る恐る訊いてみる。

「なくもない。家出してからは食べられるものは何でも食べてた。苦手な物もあったけど……フランクフルトは苦手じゃない」

 ミハニーツが言う。

「兄さん今度こそ負けないから」

 アップがロードに向かって宣戦布告する。

「オレも負けるつもりはない」

 ロードは自信たっぷりで言った。

 屋台には二人の男が経営してた。

「すみませーんフランクフルト9本くださーい」

 ドノミが男たちに声を掛ける。

「あいよ! 9本ね! ちょっと一人じゃあ持ち歩けないんじゃないかな~~」

「そうですね。皆さん私の後ろに付いてそれぞれ貰ってください」

 ドノミの一言でロードたちは並び始める。

「はいどうぞ」

「ありがとう」

 スワンがお礼を言ってフランクフルトを受け取る。

「お嬢ちゃんもどうぞ」

 アップは差し出されたフランクフルトの棒の部分を持った。

「何味ですか?」

 ハズレが訊く。

「ケチャップとマスタードの味がするよ」

 ハズレは首を傾げながらも食べ物を受け取っていた。

「うん! いい匂いだ」

 ブケンがフランクフルトを受け取る。

「おっ、お嬢さんべっぴんさんだね~~どうだい屋台が片付いたら一緒に花火でも見ないかい?」

 ナンパするお兄さん。

「あなたとは見ない」

 ミハニーツはお兄さんが持っていたフランクフルトを奪うように持っていく。

「もしかしてお兄さんの彼女さん? 悪いことしたなーー」

 屋台のお兄さんはロードに謝る。

「ん?」

 何の話かよく分からなかったが、取りあえずフランクフルトを受け取る。

「はっ、さっさと寄こしやがれ」

 グラスがお兄さんに乱暴に言うが、

「はいどうぞーー」

 優しく応対していた。


 ▼ ▼ ▼


 皆、フランクフルトを手にしたところで食事を始める。

「「「いただきます」」」

 ミハニーツとグラスは料理に対して敬意を払わなかった。

「うん!? この味はまだ知らない」

 ハズレが言う。

「ちょっと、この赤いのと黄色いのが美味しい」

 スワンも絶賛だった。

「ケチャップとマスタードですね」

 ドノミが食べながら説明する。

「うん! やはりフランクフルトはどこの異世界でも美味しいな」

 ブケンが借金のことを忘れて食べる。

「パク……パク……」

 ミハニーツが上品に食べていく。

「兄さん勝負!」

「ああ、いいだろう」

 ロードとアップは早食い勝負を始めた。

 この時、
(ホントにこんな棒が上手いのかよ)
 グラスは思っていたが、

「あむ」

 一口食べると、

「うまーーーーい!!」

 と周囲の注目を浴びる程、叫んでいた。どうやら相当お気に召したらしい。

「おかわりだぜ!!」

 珍しくドノミにわがままを言うグラスだった。
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