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第十章 青空を見るための死力を尽くした共闘
第536話 髑髏の秘宝玉の秘密
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ハズレたちはスカルソルジャーに傷を付けられて、その箇所にドクロマークが付いていた。
肌に浮かび上がったドクロマーク。徐々に紫色から黒色へと変貌していく。
「おい! こりゃ一体何なんだ!」
グラスがドクロマークのことをハズレに訊く。
「待て、考察中だ」
ハズレがドクロマークを見ているとホワイトポッポのメンバーが近づいてきた。
「スカルソルジャーの攻撃力もおかしい、さっきとはまるで動きが違う。まさに不死の軍団」
ブケンが向かってくるスカルソルジャーを衝撃流で吹っ飛ばしながら言う。
「防御力もです! さっきは破壊出来た骨も今は砕けなくなっています!」
鉄棒を振ってスカルソルジャーの頭蓋を吹っ飛ばすドノミ。
「ハズレ! ロードもシルべさんもいない一旦ライズ隊長の元に行って態勢を整えましょう。何十万体もいるスカルソルジャーが強すぎる。このままじゃいずれ私たちは疲弊する」
「――――謎のドクロマークが付けられているんだ。撤退はありえない」
「どうして!? 撤退して様子を見た方が良くない?」
「皆、スカルソルジャーと戦いながら、隙をみてドクロマークを見てみろ。段々と紫色から黒色に変色していってるだろ?」
ハズレが。
この時、
(黒くなってるのか)
グラスが見る。
この時、
(確かに……)
ドノミが言われて気が付く。
この時、
(言われてみれば)
ブケンが思う。
「この変色がどうかしたの?」
水の刃でスカルソルジャーを切り裂いたスワンが訊く。
「時間制限だ。恐らく完全に黒化したら命の危機に陥る」
「――――!? 命の危機! どういうこと! 何でそんなことがわかるの!」
「さっきの魔王見ただろ――ドクロの旗を突き立ててからこの地一帯のスカルソルジャーの攻防が上がったのを――旗――アレが奴らの異常なまでの戦闘能力の向上の秘密だと思う」
「ドクロの旗が?」
「あの魔王が旗を突き立ててからだ。こいつらの攻防が上がったのは、つまりあの旗を潰せばスカルソルジャーの動きが鈍る」
「だったら、優先すべきは魔王の命を貰うこと? だったらなおさら態勢を整えた方がいい」
「問題はもう一つある。肌に付いたドクロマークの効果だ」
「何かわかったの?」
「何故、魔王は自ら攻撃してこないと思う?」
「スカルソルジャーに攻撃を任せていれば私たちに勝利できるから?」
「その通りだ……だったらその勝利条件は? オレたちが疲弊して、隙を見せたところでスカルソルジャーがとどめを刺す? 違うなそれならあの魔王が出てくる必要はない――とすると考えられるのはドクロマークが変色した後、勝ちを確信しているってことだ」
「まさか、これが時限式で私たちの命を奪おうとしてるの!?」
「可能性は大きい……恐らく紫色に変色したのはスカルソルジャーの武器に込められた髑髏の秘宝玉の力だ」
「髑髏の秘宝玉……」
「奴がこの場で守りを固めるのも、待機して手は出してこないことも、それで説明がつく」
「このドクロマークが黒く変色した時、私たちは死ぬってこと?」
「たぶんそうだと思うよ……」
ハズレがか火薬玉を投げて、そこに擦ったマッチ棒を投げ込むと大爆発が起きた。
「身体に流れる清らかな水よ。私の身体を巡ってその異常を報告せよ」
スワンが精霊の術による身体の異常を確かめる。
「――――見つけた! 私たちを死に至らしめるドクロマークの正体が……」
「どんな仕掛けだった?」
「――――毒」
スワンは言い切った。
◆ ◆ ◆ ◆
骨の根城・玄関広場。
ボランデスカールはロードたちに質問していた。永遠の命に興味はないかと、
「あったら、何だって言うんだ?」
ロードが声に怒りを込めて言う。
「お前もスカルソルジャーの一員として我が兵に加えてやろうという話だ。骨の姿になれば老いることもないしな」
「――――まさか、ここに居るスカルソルジャー達は――」
「今頃気が付いたか……そう、我が取引により一命をとりとめた人間共の成れの果てだ」
ボランデスカールが答える。
「それじゃあ、スカル系の魔物を倒しても霧散化しなかったのは、人間たちの骨で作られたからだったのか」
シルベが納得していた。
「我が兵となれ! さすればこの異世界を征服し、我が手よる魔界化を見ることが出来よう」
「魔界化?」
「今我の位は大魔王だ! 極大魔王と名乗るには一つでも異世界を征服しなければならない」
「極大魔王……」
「そうなれば我はさらなる力を手に――――」
「そうか、このスカルソルジャー達は元々人間の骨で作られているんだな……」
「……………………」
ボランデスカールは受け取った。
「永遠の命というワードで人々の気を引き、永遠にスカルソルジャーとして働かせる。殺される恐怖の中では答えは二択しかない。死ぬか生きるか……お前はそう言う卑怯な質問んでスカルソルジャーを増やしていったんだな」
ロードは赤い剣と青い剣を構える。
「そう、捉えることもできるな」
ボランデスカールは近くにいたスカルソルジャーの構成を弄って剣の形にした。
「人々で殺し合わせるようなやり口、絶対に許さない!」
ロードは走り出す。
「敵意は受け取ったぞ、生ける屍」
迎え撃とうとするボランデスカール。
勇者ロードと大魔王ボランデスカールの戦いが始まろうとしていた。
肌に浮かび上がったドクロマーク。徐々に紫色から黒色へと変貌していく。
「おい! こりゃ一体何なんだ!」
グラスがドクロマークのことをハズレに訊く。
「待て、考察中だ」
ハズレがドクロマークを見ているとホワイトポッポのメンバーが近づいてきた。
「スカルソルジャーの攻撃力もおかしい、さっきとはまるで動きが違う。まさに不死の軍団」
ブケンが向かってくるスカルソルジャーを衝撃流で吹っ飛ばしながら言う。
「防御力もです! さっきは破壊出来た骨も今は砕けなくなっています!」
鉄棒を振ってスカルソルジャーの頭蓋を吹っ飛ばすドノミ。
「ハズレ! ロードもシルべさんもいない一旦ライズ隊長の元に行って態勢を整えましょう。何十万体もいるスカルソルジャーが強すぎる。このままじゃいずれ私たちは疲弊する」
「――――謎のドクロマークが付けられているんだ。撤退はありえない」
「どうして!? 撤退して様子を見た方が良くない?」
「皆、スカルソルジャーと戦いながら、隙をみてドクロマークを見てみろ。段々と紫色から黒色に変色していってるだろ?」
ハズレが。
この時、
(黒くなってるのか)
グラスが見る。
この時、
(確かに……)
ドノミが言われて気が付く。
この時、
(言われてみれば)
ブケンが思う。
「この変色がどうかしたの?」
水の刃でスカルソルジャーを切り裂いたスワンが訊く。
「時間制限だ。恐らく完全に黒化したら命の危機に陥る」
「――――!? 命の危機! どういうこと! 何でそんなことがわかるの!」
「さっきの魔王見ただろ――ドクロの旗を突き立ててからこの地一帯のスカルソルジャーの攻防が上がったのを――旗――アレが奴らの異常なまでの戦闘能力の向上の秘密だと思う」
「ドクロの旗が?」
「あの魔王が旗を突き立ててからだ。こいつらの攻防が上がったのは、つまりあの旗を潰せばスカルソルジャーの動きが鈍る」
「だったら、優先すべきは魔王の命を貰うこと? だったらなおさら態勢を整えた方がいい」
「問題はもう一つある。肌に付いたドクロマークの効果だ」
「何かわかったの?」
「何故、魔王は自ら攻撃してこないと思う?」
「スカルソルジャーに攻撃を任せていれば私たちに勝利できるから?」
「その通りだ……だったらその勝利条件は? オレたちが疲弊して、隙を見せたところでスカルソルジャーがとどめを刺す? 違うなそれならあの魔王が出てくる必要はない――とすると考えられるのはドクロマークが変色した後、勝ちを確信しているってことだ」
「まさか、これが時限式で私たちの命を奪おうとしてるの!?」
「可能性は大きい……恐らく紫色に変色したのはスカルソルジャーの武器に込められた髑髏の秘宝玉の力だ」
「髑髏の秘宝玉……」
「奴がこの場で守りを固めるのも、待機して手は出してこないことも、それで説明がつく」
「このドクロマークが黒く変色した時、私たちは死ぬってこと?」
「たぶんそうだと思うよ……」
ハズレがか火薬玉を投げて、そこに擦ったマッチ棒を投げ込むと大爆発が起きた。
「身体に流れる清らかな水よ。私の身体を巡ってその異常を報告せよ」
スワンが精霊の術による身体の異常を確かめる。
「――――見つけた! 私たちを死に至らしめるドクロマークの正体が……」
「どんな仕掛けだった?」
「――――毒」
スワンは言い切った。
◆ ◆ ◆ ◆
骨の根城・玄関広場。
ボランデスカールはロードたちに質問していた。永遠の命に興味はないかと、
「あったら、何だって言うんだ?」
ロードが声に怒りを込めて言う。
「お前もスカルソルジャーの一員として我が兵に加えてやろうという話だ。骨の姿になれば老いることもないしな」
「――――まさか、ここに居るスカルソルジャー達は――」
「今頃気が付いたか……そう、我が取引により一命をとりとめた人間共の成れの果てだ」
ボランデスカールが答える。
「それじゃあ、スカル系の魔物を倒しても霧散化しなかったのは、人間たちの骨で作られたからだったのか」
シルベが納得していた。
「我が兵となれ! さすればこの異世界を征服し、我が手よる魔界化を見ることが出来よう」
「魔界化?」
「今我の位は大魔王だ! 極大魔王と名乗るには一つでも異世界を征服しなければならない」
「極大魔王……」
「そうなれば我はさらなる力を手に――――」
「そうか、このスカルソルジャー達は元々人間の骨で作られているんだな……」
「……………………」
ボランデスカールは受け取った。
「永遠の命というワードで人々の気を引き、永遠にスカルソルジャーとして働かせる。殺される恐怖の中では答えは二択しかない。死ぬか生きるか……お前はそう言う卑怯な質問んでスカルソルジャーを増やしていったんだな」
ロードは赤い剣と青い剣を構える。
「そう、捉えることもできるな」
ボランデスカールは近くにいたスカルソルジャーの構成を弄って剣の形にした。
「人々で殺し合わせるようなやり口、絶対に許さない!」
ロードは走り出す。
「敵意は受け取ったぞ、生ける屍」
迎え撃とうとするボランデスカール。
勇者ロードと大魔王ボランデスカールの戦いが始まろうとしていた。
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