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第十章 青空を見るための死力を尽くした共闘

第527話 一時の休憩

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 ロード隊は撤退していくスカルソルジャー軍を追撃し続けた。

 撤退に忠実なスカルソルジャーに対して450以上はいるロード隊。

「はぁーーーー!!」

 ロードが青い剣と赤い剣で、的確にスカルソルジャーの核を攻撃していく。

「――はっ! やあ!」

 ハズレは純銀の剣シラユリヒメでスカルソルジャーの心臓部を貫き倒していく。

「水霊の剣!」

 スワンが両手に水の刃を作りスカルソルジャーを切り裂いていく。

「十六夜!」

 グラスが手刀を持ってスカルソルジャーのあばらごと、核を砕いていく。

「ふっ、とうーー」

 ドノミが鉄棒を振り回し、スカルソルジャーに少しづつ打撃を与えながら、一体一体丁寧に倒していく。


 ▼ ▼ ▼


 何もない丘。
 数時間後。

 相変わらず空は邪悪な曇り空だった。

 辺りはには木の一本どころか雑草すら生えていない。

 そして20万から15万までスカルソルジャーを減らしたロード隊はもうバテそうだった。

 それからライズ隊の姿が見える。5万のスカルソルジャーの軍勢と戦っている。

 そこにロード隊の戦っていたスカルソルジャーの軍が接触しようとしていた。

「ライズ隊だ! ライズ隊が見えるぞ!」

 シール使いのヴァーエンが叫ぶ。

「シルベさん! そろそろ皆の体力も限界だ! ここで一時休戦しよう!」

「そだね。その方がいいかも、よーーし、ライズ隊の生き残りをこの地へ召喚!」

 そして召喚されたのは400人ほどの生き残りのライズ隊だった。

「ん! ここは!?」

 ライズが景色が変わったことに気づく。

「ど、どうなってやがる!? 敵の姿がなくなったぞ!?」

 ザイスが鎌を肩に担ぎ言う。

「むっ、そこにいるのはロードか? 一体どういうことだ?」

 ブケンがロードに詰め寄る。

「休戦だ! ここで食事を取ろう……みんな数時間戦いっぱなしで疲れてる! それに見ろ……」

 丘の上からスカルソルジャーの撤退と、その先にある骨で作られた大魔王の根城を見る。

「最終局面だ。ここで休んでおかないと疲れたまま大魔王と戦うことになる」

 ハズレが剣を鞘に納めながら言う。

「ライズさん、休憩にしましょう? スカルソルジャーも合流して分厚い壁が出来たし、ここは様子を見た方がいい」

 スワンがライズ隊長に言う。

「分かった……よーし、皆ーー休憩だーー! 休憩!」

 ライズが部隊全体に聞こえるよう大きな声で言う。

「休憩だ! 各自食事を取って一休みするように――!」

 ロードも隊長として部隊の皆に言い伝えた。


 ▼ ▼ ▼


 ひとまず皆で休憩した。

 食事を取ったり、仮眠したり、武器の手入れをしていた。

 シルベが丘の上からスカルソルジャーの様子を見ていた。

「ライズ隊が5万のスカルソルジャーと戦って、ロード隊が15万のスカルソルジャーと戦っていた。軍勢は合流したことで20万体に戻るか……」

「それだけじゃない、あのままライズ隊を放っておいたら挟み撃ちにされて、被害は甚大だったはずだ」

 ロードが意見する。

「シルベさんが居なかったら僕の部隊は全滅だったかもしれない」

 ライズが改めて別の可能性を提示する。

「とにかく魔王の根城はすぐそこだ。これから皆で突撃して、大魔王の首を取る」

 シルベは決断した。そしてその決断は隊長であるロードとライズにも向けられた。

(相手は何十万体もいるスカルソルジャーの軍勢、対してこっちは数百人の戦士たちか……)

 ロードは考え込んでいた。

「おい、何辛気くせー顔してんだ? 仮にもお前は俺らのたいちょーだろーが」

 グラスが雑草を手渡してくる。

「ああ、覚悟はしてるつもりだ」

 ロードは雑草を受け取り、グラスと同じように食べる。

「一緒にこの異世界を救いましょう」

 ドノミが携帯食を差し出しながら言って来た。

「ああ、死んで行った者たちに誓って救う」

 ロードは差し出された携帯食をパクリと噛み付いて食した。

「おおっと、あちらさん完全に合流して城の守りに入ったね……あと30分程度の休憩を挟んだら戦にしようか」

 シルベが遠目に見やる。

(あそこに大魔王が……)
(今までの魔王たちとは違ってきっと強大な力を持っているんだろう)
(だけど、負けられない)
(この異世界の命運はこの勝負で決まる)

 ロードの瞳の奥が熱く燃えていた。

 大魔王との最終決戦は近い。
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