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第十章 青空を見るための死力を尽くした共闘

第519話 圧倒的なまでの手札の数々

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 骨の根城・近隣諸国。

 アマジャーたちがスカルサウザンドと接触してから数時間が計画しようとしていた頃。

 右翼のロード隊、左翼のライズ隊が合流していた。

「何とか予定通りに合流できたな」

 ロードが言う。

「この国の向こうが魔王の根城……」

 ライズが道を真っ直ぐ見る。

 戦士らしい格好のハズレ、スワン、グラス、ドノミもブケンと合流する。

「スカルワイバーンは依然として大魔王の根城で休んでいるようだ」

 ギネが言う。

「さっさと乗り込もうぜ魔王の根城に――ワクワクすんなーー」

 ザイスが言う。

「待って、正面より敵勢確認したわ。一分後に接触する!」

 メイビスが水晶の占いで見てみる。

「敵勢力だって? まさか第三波か?」

 ハズレが言う。

「どれくらいの敵勢力なんですか?」

 ドノミが訊く。

「けっ、どれだけ来ようが全員破壊すりゃいいんだろーが」

 グラスが吐き捨てる。

「この拳で返り討ちにしてくれる」

 ブケンが構える。

「何体来る?」

 シルベが訊いていた。

「えっと、敵勢力ざっと20万体……」

 言いづらそうに報告するメイビス。

「そうか、こっちの戦力は千人……あちらさんは20万人、これは覚悟の時が来たかな」

「どういうことだ?」

 ロードが訊く。

「いやここで皆の体力を使い切ったら、誰が大魔王ボランデスカールと戦うんだって話」

「ここでまた役割分担するのか? 相手は20万を超えるんだぞ!」

 ライズが反論する。

「だって、それしか方法ないだろ? ボランデスカールのところへ行き倒し、全スカルソルジャーの息の根を止める」

 シルベが覚悟を確かめるように言う。

「ライズ隊が先に行ってくれ、オレたちロード隊はここの戦闘が終わったら向かうことにするさ」

 ハズレが言う。

「皆、分かってるのか!? 敵勢力が20万なんだぞ!? 囲まれればおしまいだ!」

「分かってます。でも敵戦力が本当に100万の大軍勢なら、アマジャーさんたちが10万引き付けて、私たちが20万引き付ける。これで残りは70万体、むしろあなた方の方が相当キツイ戦闘になります」

「あたしはライズ側について行くよ。ロード隊はここで敵を迎え撃ってくれ掛か能ならこちらにもまた合流して欲しい」

「了解した」

 ロードが承諾した。

「――敵来るよ」

 メイビスが叫ぶ。

「じゃあ、あとはよろしく召喚陣展開……目標は魔王の根城」

 シルベの召喚の秘宝玉の力がライズ、ブケン、ザイス、ライズ隊460人を70万もいる敵の本拠地へと向かった。

 そしてロード隊は程なくして、スカルソルジャーと接触する。

 その先頭にはロードが絵本で読んでいた恐竜トリケラトプスと魔法使いの姿をしたガイコツの姿があった。

「スカルトリケラトプス、スカルメイジと言ったところか……」

 ギネが早速名前を付けた。

「総員かかれーーーー!!」

 ロードが言うと、

「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」」

 全員が雄叫びを上げて戦闘態勢に入る。


 ◆ ◆ ◆ ◆


 骨の根城・玉座の間。

「スカルサウザンドの方を囮にして、ここまで攻めてきたか……敵も中々、楽しませてくれる。だがたったそれだけの人数で我がスカルソルジャー20万体を相手に出来るものか――――滅せよ! スカルトリケラトプス! スカルメイジたちよ!」

 ボランデスカールには眷属使魔の景色が見えていた。そして離れたところから指示を出す。その時、ボランデスカールの王冠が闇に輝いていた。

「ん……?」

 その時、ボランデスカールは奇妙なことに気が付いた。

(待て何故奴らは我が根城の存在に気が付いた?)
(そもそもあれだけの兵力ではよくて数時間程度しかもつまい)
(誰かここを嗅ぎつけた秘宝玉所有者がいるのか?)
(だとしたら奴らの狙いは我が首を持って戦を終わらせる以外に手はない)
(そういうことか……奴らの狙いは我か……)
(フン、そんな理想的な作戦が叶うと本気で思っているのか、舐められたものだな)

「スカルグリフォン訊いているな。敵勢力がこの近くまで近づいてるやもしれん。骨の根城に到達する前に近隣を捜索して敵部隊を殲滅しろ」

 
 ◆ ◆ ◆ ◆


 骨の根城・時計台。

 そこからスカルグリフォンが飛び立った。

 そして近隣に潜伏していると思われる敵勢力を探していた。

 ライズ隊も戦闘の時は近いのかもしれない。


  ◆ ◆ ◆ ◆


 最後の砦・ホーウッド。

 結界の中で待機していたミハニーツがいた。

 ロードの顔を思い出しているようだった。

「シスター・クレア、悪いけど私はやっぱり行く」

「ミハニーツさん」

「今、私の大切な人が戦っている。その人が死んでしまわないように私が守りに行く」

「待ってください! ミハニーツさん――――」

 既にミハニーツは結界の外へ抜け出した後だった。

 この時、
(ロード、ロード、ロード、今度はわたしの手で守り抜く)
 走りながらミハニーツは一人の男の事だけ考えていた。

 ミハニーツもまた独断で出陣する。
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