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第十章 青空を見るための死力を尽くした共闘
第513話 非情なる現実
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とある王国のとある城。
曇り空の下の大魔王の城に無数のスカルソルジャーが徘徊されていた。
そしてその玉座に座るのが豪華な着物に身を包み、冠までしているドクロの魔物ボランデスカールである。
今、大魔王は眷属使魔の目を通し、遠く離れたこの地から戦場を見ていた。
「スカルシャークに続いてスカルスパイダーまで倒されるとは……」
ボランデスカールは少し手の甲に顎を置き考えている。
「まったく、使えん連中だ! スカルワイバーン撤退だ! 追撃を退けつつ我が城まで戻って来い」
ボランデスカールが重い腰を上げた。
◆ ◆ ◆ ◆
ホーウッド・近隣のさら地。
そこでは今もロード隊とスカルソルジャーの戦が続いていた。
数千体居る骨の兵士によってロード隊は少なからず犠牲を得た。
空中ではロード、ネバーロング、アーティモリ、デモンとスカルワイバーンが戦闘をしていた。
「ガタガタガタガタ」
その時、スカルワイバーンがわなないた。
(何だ?)
青い剣で飛んでいた不審に思ったロードが動きを止めると、他の人も動きを止めた。
「どうしたロード」
翼で飛ぶネバーロングが訊いてくる。
「相手は1体。こちらは4人、数で有利なのは吾輩たちだが?」
マントで飛ぶアーティモリが訝しむ。
「そんなに俺様一人の活躍が見たいか~~いいぜ、そこで待ってな」
翼を広げたデモンが言う。
「待て! 様子がおかしい! ヤツはオレたちじゃなく地上の皆を見ている! まるで狙いでもつけるかのように――」
「――!! 皆の方に攻撃を仕掛けるつもりか!?」
ネバーロングが言う。
「奴の攻撃は誘導式、一度狙われれば骨の矢が直撃するまで追っていく」
アーティモリが言う。
「まぁ、どっちにしても奴を倒してた方が早い!」
デモンが動いた。しかも目の前のスカルワイバーンに向かってだ。
当然、スカルワイバーンはデモンに骨の矢を口から放つ。
デモンは手に悪気を溜めて呪文を放つと、狙って来た骨の矢は粉々に砕け散ったが、スカルワイバーンの突撃まではどうにもならなかった。
「うわああああああああああああああああああ!!」
デモンがスカルワイバーンから引っ掻き傷を得て、空を飛ぶ力を失って落下していく。
「――デモン!!」
ロードが急いで落ちて行くデモンを助けに行く。
ロードは何とかデモンを抱えて地上に降り立った。
しかし、その隙をスカルワイバーンは見逃さなかった。
骨の矢をロードに差し向けていたのだ。この攻撃をロードは飛ぶ斬撃を放って骨ごと消し去る。
「ううう、うう……」
デモンの傷は結構深く。今すぐ治療しないと失血死しそうなほど血が流れていた。
「今すぐ傷を塞ぐ」
ロードはデモンを寝かし、生命力をデモンに送る。そしてデモンの傷を再生させる。
この時ロードは上空を見た。上ではネバーロングとアーティモリがスカルワイバーンと戦っていた。
(無理はしないでくれ)
ロードは急ぎ、生命力を注入するそうするとデモンの傷が見る見るうちに回復していく。
「うおっ! 俺様生きてる。無敵か?」
デモンが自分の身体を見た。
「いや、重症だった傷を俺が治しただけだ」
その時、上空を見ると、骨の矢をマントで防ぐアーティモリと追い回されるネバーロングの姿があった。
「おっやってるやってる」
「すぐに戻――――」
その時ロードは骨の矢の刺さったネバーロングが落ちて行くのを見た。
「――ミチル!」
すぐさまネバーロングの元へと向かって行く。そして、少しだけ戦線を離脱しただけだというのに、急所に骨が刺さったネバーロングが安らかな顔で死んでいた。
「――――――!!!? くっ!」
ロードは即死したネバーロングを治療しようと骨の矢を抜いた。そして再生を始める。傷口はみるみるうちに塞がった。しかし、ネバーロングは目を覚まさない。
「くっ、起きろ! 起きてくれ! 目を覚ましてくれ!」
死体に声を投げかけても意味がなかった。
「うわああああああああああああああああああ!!」
その時またもデモンの叫びが聞こえて来た。身体が治ったのですぐに戦いに復帰したとロードは気が付いた。
(頼む! 軽傷であってくれ!)
ロードはすぐさまデモンが落ちた場所に向かうが、今度は急所を骨の矢に刺されて死んでいた。
「くっ――――!!」
ロードは青き剣で飛び上がった。そしてスカルワイバーンに突撃しようとしたところ、アーティモリに止められた。
「冷静になれ、アイツの強さは並みじゃない。ここは二人で作戦を考えて――」
とその時、戦場そのものに動きがあった。スカルソルジャーの軍が撤退していった。そしてスカルワイバーンも撤退して行った。
「待て! 戻って来い! ネバーロングさんとデモンさんの仇を取ってやる!」
ロードが剣を構えながら叫ぶ。
「落ち着くのだ」
アーティモリが言う。
その時、上空を飛んでいたスカルワイバーンに、ギネは赤い目を光らせ発信機を付けた。
スカルソルジャーたちは撤退していった。
そして、シルベの元に召喚されたロード。
「よし生きてたな……何とか持ちこたえ……」
シルベは見た。怒りに燃えながらも涙を流すロードの姿を見た。
側にハズレやスワンが駆け寄った。
「う、うわあああああああああああああああ!!」
ロードは非情なる現実を見て絶叫を上げた。
ボランデスカールによる第一波は終了した。
曇り空の下の大魔王の城に無数のスカルソルジャーが徘徊されていた。
そしてその玉座に座るのが豪華な着物に身を包み、冠までしているドクロの魔物ボランデスカールである。
今、大魔王は眷属使魔の目を通し、遠く離れたこの地から戦場を見ていた。
「スカルシャークに続いてスカルスパイダーまで倒されるとは……」
ボランデスカールは少し手の甲に顎を置き考えている。
「まったく、使えん連中だ! スカルワイバーン撤退だ! 追撃を退けつつ我が城まで戻って来い」
ボランデスカールが重い腰を上げた。
◆ ◆ ◆ ◆
ホーウッド・近隣のさら地。
そこでは今もロード隊とスカルソルジャーの戦が続いていた。
数千体居る骨の兵士によってロード隊は少なからず犠牲を得た。
空中ではロード、ネバーロング、アーティモリ、デモンとスカルワイバーンが戦闘をしていた。
「ガタガタガタガタ」
その時、スカルワイバーンがわなないた。
(何だ?)
青い剣で飛んでいた不審に思ったロードが動きを止めると、他の人も動きを止めた。
「どうしたロード」
翼で飛ぶネバーロングが訊いてくる。
「相手は1体。こちらは4人、数で有利なのは吾輩たちだが?」
マントで飛ぶアーティモリが訝しむ。
「そんなに俺様一人の活躍が見たいか~~いいぜ、そこで待ってな」
翼を広げたデモンが言う。
「待て! 様子がおかしい! ヤツはオレたちじゃなく地上の皆を見ている! まるで狙いでもつけるかのように――」
「――!! 皆の方に攻撃を仕掛けるつもりか!?」
ネバーロングが言う。
「奴の攻撃は誘導式、一度狙われれば骨の矢が直撃するまで追っていく」
アーティモリが言う。
「まぁ、どっちにしても奴を倒してた方が早い!」
デモンが動いた。しかも目の前のスカルワイバーンに向かってだ。
当然、スカルワイバーンはデモンに骨の矢を口から放つ。
デモンは手に悪気を溜めて呪文を放つと、狙って来た骨の矢は粉々に砕け散ったが、スカルワイバーンの突撃まではどうにもならなかった。
「うわああああああああああああああああああ!!」
デモンがスカルワイバーンから引っ掻き傷を得て、空を飛ぶ力を失って落下していく。
「――デモン!!」
ロードが急いで落ちて行くデモンを助けに行く。
ロードは何とかデモンを抱えて地上に降り立った。
しかし、その隙をスカルワイバーンは見逃さなかった。
骨の矢をロードに差し向けていたのだ。この攻撃をロードは飛ぶ斬撃を放って骨ごと消し去る。
「ううう、うう……」
デモンの傷は結構深く。今すぐ治療しないと失血死しそうなほど血が流れていた。
「今すぐ傷を塞ぐ」
ロードはデモンを寝かし、生命力をデモンに送る。そしてデモンの傷を再生させる。
この時ロードは上空を見た。上ではネバーロングとアーティモリがスカルワイバーンと戦っていた。
(無理はしないでくれ)
ロードは急ぎ、生命力を注入するそうするとデモンの傷が見る見るうちに回復していく。
「うおっ! 俺様生きてる。無敵か?」
デモンが自分の身体を見た。
「いや、重症だった傷を俺が治しただけだ」
その時、上空を見ると、骨の矢をマントで防ぐアーティモリと追い回されるネバーロングの姿があった。
「おっやってるやってる」
「すぐに戻――――」
その時ロードは骨の矢の刺さったネバーロングが落ちて行くのを見た。
「――ミチル!」
すぐさまネバーロングの元へと向かって行く。そして、少しだけ戦線を離脱しただけだというのに、急所に骨が刺さったネバーロングが安らかな顔で死んでいた。
「――――――!!!? くっ!」
ロードは即死したネバーロングを治療しようと骨の矢を抜いた。そして再生を始める。傷口はみるみるうちに塞がった。しかし、ネバーロングは目を覚まさない。
「くっ、起きろ! 起きてくれ! 目を覚ましてくれ!」
死体に声を投げかけても意味がなかった。
「うわああああああああああああああああああ!!」
その時またもデモンの叫びが聞こえて来た。身体が治ったのですぐに戦いに復帰したとロードは気が付いた。
(頼む! 軽傷であってくれ!)
ロードはすぐさまデモンが落ちた場所に向かうが、今度は急所を骨の矢に刺されて死んでいた。
「くっ――――!!」
ロードは青き剣で飛び上がった。そしてスカルワイバーンに突撃しようとしたところ、アーティモリに止められた。
「冷静になれ、アイツの強さは並みじゃない。ここは二人で作戦を考えて――」
とその時、戦場そのものに動きがあった。スカルソルジャーの軍が撤退していった。そしてスカルワイバーンも撤退して行った。
「待て! 戻って来い! ネバーロングさんとデモンさんの仇を取ってやる!」
ロードが剣を構えながら叫ぶ。
「落ち着くのだ」
アーティモリが言う。
その時、上空を飛んでいたスカルワイバーンに、ギネは赤い目を光らせ発信機を付けた。
スカルソルジャーたちは撤退していった。
そして、シルベの元に召喚されたロード。
「よし生きてたな……何とか持ちこたえ……」
シルベは見た。怒りに燃えながらも涙を流すロードの姿を見た。
側にハズレやスワンが駆け寄った。
「う、うわあああああああああああああああ!!」
ロードは非情なる現実を見て絶叫を上げた。
ボランデスカールによる第一波は終了した。
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