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第十章 青空を見るための死力を尽くした共闘
第498話 皆、教会に集まっての話し合い
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ロードは召喚士のシルベに連れられてホーウッドの教会に入った。
そこで、飲料店ホワイトポッポの従業員、ハズレ、スワン、グラス、ドノミ、ブケンと合流する。従業員ではないミハニーツもそこにいた。
そして、全員が集まったところでシスター・クレアという修道服を着た女性が現れた。
「さてと、皆そろったね。シスター話を進めちゃって……」
シルベが長椅子に寝そべりながら適当に言う。
「主の御前でそのような態度を取っていると罰が当たりますよ」
シスター・クレアが言う。
「ロード、気分はどう? 疲れてない?」
ミハニーツが甘くささやくように言う。
「ああ、食事も取ったし、食欲がないわけでも、身体に疲れがあるわけでもない」
ロードが答える。
「良かった」
ホッと息を吐くミハニーツ。
「皆は無事なのか? 怪我とかしてないか?」
今度はロードが訊く。
「大丈夫。皆魔王の襲撃の前にこの異世界に転移されてきたから……」
スワンが答える。どこかそっけない。
「さぁ、シスター・クレアと召喚士のシルベ、俺たちがここに来たわけを教えてもらおうか?」
ハズレが身を起こす。
「あ~~~~はいはい、皆を召喚したのは私シルベ・バウエッヘン」
「そいつは昨日聞かされた。オレたちはその先が訊きてーんだよ」
グラスがしびれを切らして言う。
「まだ、詳しく話してないとこから話そうか。皆は秘宝玉って聞いたことがあるかな?」
シルベが訊く。
「これのことか?」
ブケンが懐から球状の宝石を見せる。
「そうそうそれそれ……秘宝玉を知っているのなら話が早い。他に持っている人は?」
シルベが訊くと、ハズレとグラスとブケンとミハニーツとロードが手を上げた。
「おお、この中に秘宝玉持ちが5人もいるのか――豊作豊作」
「言っておくけど、オレは持ってるだけだ。力は使えない」
ハズレが言う。
「オレもこの秘宝玉は使えてない」
グラスも続けて言う。
「な~~んだ。期待しちゃったよ」
ガックリとするシルベ。
「あのーー話を進めてください」
ドノミが催促する。
「ああ~~そうだね。キミたちが秘宝玉を持っているように私も秘宝玉を持っているんだ。ホラ……」
シルベが杖の先に固定した紫色の秘宝玉を見せてくる。
「何の秘宝玉なんだ?」
ロードが訊いていた。
「召喚の秘宝玉。この秘宝玉の力は別の場所にある物を別の場所に送る力だ。例えば、異世界にいるキミたちをこの異世界に呼んだりするとかね」
「私たちがすんなり召喚出来たのはあなたの秘宝玉の力だったってこと?」
ミハニーツが訊く。
「そういうこと」
簡素に言うシルベ。
「それで、オレたちを召喚した目的は?」
グラスが訊く。
「慌てない慌てない。まだ秘宝玉の力を説明してない。この力別世界から召喚するのはいいけど、その時刻印が出来るんだよね目で見えるようなものじゃないけど……そして最大召喚人数というものがある。私の最大召喚人数は約1600人。今最大人数をこの異世界に呼んでいるからこれ以上は呼べない。お分かりかな?」
「つまり、あなたが召喚したのは合計1600人ってことか?」
ハズレが言う。
「そういうこと……その間、元いた異世界に帰還させるまで簡単な空間転移くらいしかできない。つまり私は本気の力を使えず逃げ回るしかないってこと……」
シルベはベラベラと自分の力を説明する。
「召喚の秘宝玉、あなたが本気を出したとして他に何ができるんだ?」
ロードが訊いてみる。
「砂漠に湖を召喚してオアシスを作ったり、何にもない地平に山を落として地形を変えたりとかかな」
さらりと凄いことを言う。
「そこまで強いの力を持ちながら、あなたは私たちに何を望むの?」
ミハニーツが訊く。
「協力して欲しいことがあるんだ……」
シルベがチラリとシスター・クレアの方を見る。
「協力?」
スワンが訝しむ。
「いや~~~~私は全ての異世界を周ることが夢なんだけど、この異世界の状況を知ってしまってから次の異世界に行くに行けなくて……」
シルベが口を濁す。
「ハッキリ言ってくれ」
ロードが言う。
「シスター、こっちの事情は話した後はそっちの事情を話してくれ!」
シルベが拝み込む。
「わかりました。ここから先は私がお話しなくてはいけませんものね」
シスター・クレアが目を閉じる。そして見開いてロードの目を見る。
「キミがシルベに頼んでオレたちの召喚を指示したのか?」
ロードが言う。
「はい」
シスター・クレアは肯定する。
「どうして……」
「皆さんにこの異世界を救ってほしいからです」
シスター・クレアの話が始まる。
そこで、飲料店ホワイトポッポの従業員、ハズレ、スワン、グラス、ドノミ、ブケンと合流する。従業員ではないミハニーツもそこにいた。
そして、全員が集まったところでシスター・クレアという修道服を着た女性が現れた。
「さてと、皆そろったね。シスター話を進めちゃって……」
シルベが長椅子に寝そべりながら適当に言う。
「主の御前でそのような態度を取っていると罰が当たりますよ」
シスター・クレアが言う。
「ロード、気分はどう? 疲れてない?」
ミハニーツが甘くささやくように言う。
「ああ、食事も取ったし、食欲がないわけでも、身体に疲れがあるわけでもない」
ロードが答える。
「良かった」
ホッと息を吐くミハニーツ。
「皆は無事なのか? 怪我とかしてないか?」
今度はロードが訊く。
「大丈夫。皆魔王の襲撃の前にこの異世界に転移されてきたから……」
スワンが答える。どこかそっけない。
「さぁ、シスター・クレアと召喚士のシルベ、俺たちがここに来たわけを教えてもらおうか?」
ハズレが身を起こす。
「あ~~~~はいはい、皆を召喚したのは私シルベ・バウエッヘン」
「そいつは昨日聞かされた。オレたちはその先が訊きてーんだよ」
グラスがしびれを切らして言う。
「まだ、詳しく話してないとこから話そうか。皆は秘宝玉って聞いたことがあるかな?」
シルベが訊く。
「これのことか?」
ブケンが懐から球状の宝石を見せる。
「そうそうそれそれ……秘宝玉を知っているのなら話が早い。他に持っている人は?」
シルベが訊くと、ハズレとグラスとブケンとミハニーツとロードが手を上げた。
「おお、この中に秘宝玉持ちが5人もいるのか――豊作豊作」
「言っておくけど、オレは持ってるだけだ。力は使えない」
ハズレが言う。
「オレもこの秘宝玉は使えてない」
グラスも続けて言う。
「な~~んだ。期待しちゃったよ」
ガックリとするシルベ。
「あのーー話を進めてください」
ドノミが催促する。
「ああ~~そうだね。キミたちが秘宝玉を持っているように私も秘宝玉を持っているんだ。ホラ……」
シルベが杖の先に固定した紫色の秘宝玉を見せてくる。
「何の秘宝玉なんだ?」
ロードが訊いていた。
「召喚の秘宝玉。この秘宝玉の力は別の場所にある物を別の場所に送る力だ。例えば、異世界にいるキミたちをこの異世界に呼んだりするとかね」
「私たちがすんなり召喚出来たのはあなたの秘宝玉の力だったってこと?」
ミハニーツが訊く。
「そういうこと」
簡素に言うシルベ。
「それで、オレたちを召喚した目的は?」
グラスが訊く。
「慌てない慌てない。まだ秘宝玉の力を説明してない。この力別世界から召喚するのはいいけど、その時刻印が出来るんだよね目で見えるようなものじゃないけど……そして最大召喚人数というものがある。私の最大召喚人数は約1600人。今最大人数をこの異世界に呼んでいるからこれ以上は呼べない。お分かりかな?」
「つまり、あなたが召喚したのは合計1600人ってことか?」
ハズレが言う。
「そういうこと……その間、元いた異世界に帰還させるまで簡単な空間転移くらいしかできない。つまり私は本気の力を使えず逃げ回るしかないってこと……」
シルベはベラベラと自分の力を説明する。
「召喚の秘宝玉、あなたが本気を出したとして他に何ができるんだ?」
ロードが訊いてみる。
「砂漠に湖を召喚してオアシスを作ったり、何にもない地平に山を落として地形を変えたりとかかな」
さらりと凄いことを言う。
「そこまで強いの力を持ちながら、あなたは私たちに何を望むの?」
ミハニーツが訊く。
「協力して欲しいことがあるんだ……」
シルベがチラリとシスター・クレアの方を見る。
「協力?」
スワンが訝しむ。
「いや~~~~私は全ての異世界を周ることが夢なんだけど、この異世界の状況を知ってしまってから次の異世界に行くに行けなくて……」
シルベが口を濁す。
「ハッキリ言ってくれ」
ロードが言う。
「シスター、こっちの事情は話した後はそっちの事情を話してくれ!」
シルベが拝み込む。
「わかりました。ここから先は私がお話しなくてはいけませんものね」
シスター・クレアが目を閉じる。そして見開いてロードの目を見る。
「キミがシルベに頼んでオレたちの召喚を指示したのか?」
ロードが言う。
「はい」
シスター・クレアは肯定する。
「どうして……」
「皆さんにこの異世界を救ってほしいからです」
シスター・クレアの話が始まる。
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