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第九章 正々堂々と実力を発揮する武闘大会
第467話 ロードVS岩石人のゴンガ
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ハオストラスタジアム・東門前。
ロードは青い剣だけを腰に携えて、門の前で立ち尽くす。
(ドノミさんは一回戦敗退ながらも、鉄の棒から決して手は離さない気合を感じた)
(グラスの戦い方は一見、めちゃくちゃな戦い方だが臨機応変に戦っていた)
(ハズレは勝負を急いで、手の内を晒しすぎたが、持ち前の知恵で勝ち進んだ)
(ブケンは5年間の修行の成果か、常に対戦相手の一歩上を行く戦い方をする)
(それに比べてオレはどうだろう。ミチルに頼りすぎていないか? 能力に頼りすぎていないか?)
(もっと、技を磨くべきだな……剣も一本しかないことだし、両利きの翻弄使えるか?)
ロードが考え込んでいると、
「さぁ、お待たせしましたDブロックの試合です! 入場門が開いていきます!」
ロードの目の前の入場門が開いていく。そして日の光がロードを照らし、観客たちの声が耳に入り込む。
「ロード!」「待ってました!」「今回も完全勝利だ!」
少なからずロードにファンが出来ていた。
(応援か……そういえばオレはこんなにも大勢の人たちの前で戦っていたんだな)
ロードは闘技場内へと足を進める。
「さぁ! 東門から入場してきたのは期待の金髪ロード選手、精霊の力と秘宝玉の力でこれまで完全試合を記録しています! そして、西門から入場するのは岩石人ゴンガ選手、岩の身体を持ち、今までの試合が全てノーダメージという成績をおさめています!」
「ロード選手は岩をも切り裂く青い剣を持っていますから、この試合ではゴンが選手も苦戦するでしょう」
ロードとゴンガ両者は向かい合う。ゴンガの身体は完全に岩だった。ズシンズシンと足踏みで地ならしを小さく起こしていた。
「礼!」
審判が言うと二人はお辞儀をした。
「失礼なことを聞くが人間か?」
ロードが訊く。
「一応人間だ」
身体が岩で出来ていたゴンガが言う。
「始め!」
審判が赤旗を振り下ろす。
「おりゃあ!!」
先に動いたのはゴンガで地面をたたき割った。そして瓦礫が出来上がる。
ロードは剣を右手に構える。そして初激の攻撃をミチルに任せた。
「ミチル!」
ロードが飛ぶ斬撃を繰り出すと、岩の腕でガードするゴンガ。ダメージを防いでいた。
「ノーダメージ!」
審判が叫ぶ。
「おおっと審判がノーダメージのコールを出した!」
「聞いたことがあります。岩石人は鍛えようによってはその硬度鉄並みにすると……」
「ではロード選手の精霊の斬撃は……?」
「通用しないのかもしれません」
解説と実況が話をする。
ゴンガは地面をたたき割り出来た瓦礫を掴んでロードに投げる。
(ミチルにも体力の限界はある。なるべく飛ぶ斬撃は使わないようにしないと)
ロードは次々飛んでくる瓦礫を躱していく。
ゴンガは瓦礫を撃ち尽くしたので、身体を丸める。そしてそのままロードに向かって転がっていく。
「ミチル!」
ロードは飛ぶ斬撃を放ったが、回転するゴンガの前では無力だった。
「ノーダメージ!」
審判が叫ぶ。
ロードは向かってくるゴンガを後ろに下がることで距離を取る。しかし後ろの聖法の壁まで来たことでピンチになった。
「ロード選手! 追い詰められた!」
「いや、この戦法は――」
ロードは迫る転がってくる岩石人を横に躱し、聖法の壁に激突させる。審判はノーダメージとコール。
「う、うう~~どうなった?」
壁に激突したゴンガが重い岩の身体を動かしゆっくり起き上がる。その時ロードは懐に入り込んだ。
「ミチル!」
至近距離で飛ぶ斬撃を食らうゴンガ、その勢いに押されゴンガは倒れる。
「ロード一点!」
審判が叫ぶ。
「うう、何がぁ?」
仰向けに倒れたゴンガに、続けて至近距離でミチルの飛ぶ斬撃を放つロード。
「ロード二点!」
審判が叫ぶ。
「こ、この!」
ゴンガが手を振り腹部に乗るロードを捕まえようとする。が、上に飛ばれて躱される。
(ゼロ距離の攻撃、しかも急所を狙えば、ダメージになるそう言うルールか……)
ロードはゴンガの腕の上に降りて、首元に剣の切っ先を向けてゼロ距離で飛ぶ斬撃を放つ。
「おう!」
「ロード三点!」
審判が叫ぶ。
「うう、ちょこまかと……」
ゴンガが起き上がる。
ロードが構えて、飛ぶ斬撃を放つ。
「ノーダメージ!」
審判が叫ぶ。
しかしロードの本命の攻撃はそれではない。今のはただの目くらまし、狙いはゴンガ自身の腕で視界を遮ること。
(よし、懐に入った!)
ロードは首元にゼロ距離で飛ぶ斬撃を放った。
「ロード四点!」
審判が叫ぶ。
「この剣か!」
ゴンガが剣に腕を伸ばすが、ロードは剣を上に投げる。そしてゴンガは落ちてくるはずの剣を見たまま、
この時、
(あれ? 剣が落ちてこない)
ゴンガは思い。
「ロード選手の青い剣が空中で滞空したままだ!」
「どうやら、宿っている精霊の力の様です。なんでも空を飛ぶ剣だとか……」
誰もが剣を見ていた。そして誰もが気付かなかった。ロードが拳に生命力を力に力に変換し、ゆっくり、ゆっくりと拳に溜めていく。そして――――
「極体拳!」
ロードは上を見上げるゴンガの顔に渾身の拳を当てて、ぶっ倒した。
「ロード五点! 勝者ロード!」
観客席の客はわーーーーーーっと驚いていた。
そして空中で待機して、囮となっていたミチルがロードの手に収まる。そして鞘に納めた。
「やりましたロード選手! 大会のルールを把握して有効ダメージの部位に攻撃を加える見事な戦い方でした! そしてまたも完全試合です」
「ゴンガ選手を聖法の壁に激突させたのが、勝敗を決した瞬間でしたね。あと青い剣これは目で追っちゃいますね。いい囮でした」
ロードとゴンガは会場中央で並び立つ。
「礼!」
審判が言う。
「「ありがとうございました」」
ロードとゴンガはその場から立ち去った。
ロードは青い剣だけを腰に携えて、門の前で立ち尽くす。
(ドノミさんは一回戦敗退ながらも、鉄の棒から決して手は離さない気合を感じた)
(グラスの戦い方は一見、めちゃくちゃな戦い方だが臨機応変に戦っていた)
(ハズレは勝負を急いで、手の内を晒しすぎたが、持ち前の知恵で勝ち進んだ)
(ブケンは5年間の修行の成果か、常に対戦相手の一歩上を行く戦い方をする)
(それに比べてオレはどうだろう。ミチルに頼りすぎていないか? 能力に頼りすぎていないか?)
(もっと、技を磨くべきだな……剣も一本しかないことだし、両利きの翻弄使えるか?)
ロードが考え込んでいると、
「さぁ、お待たせしましたDブロックの試合です! 入場門が開いていきます!」
ロードの目の前の入場門が開いていく。そして日の光がロードを照らし、観客たちの声が耳に入り込む。
「ロード!」「待ってました!」「今回も完全勝利だ!」
少なからずロードにファンが出来ていた。
(応援か……そういえばオレはこんなにも大勢の人たちの前で戦っていたんだな)
ロードは闘技場内へと足を進める。
「さぁ! 東門から入場してきたのは期待の金髪ロード選手、精霊の力と秘宝玉の力でこれまで完全試合を記録しています! そして、西門から入場するのは岩石人ゴンガ選手、岩の身体を持ち、今までの試合が全てノーダメージという成績をおさめています!」
「ロード選手は岩をも切り裂く青い剣を持っていますから、この試合ではゴンが選手も苦戦するでしょう」
ロードとゴンガ両者は向かい合う。ゴンガの身体は完全に岩だった。ズシンズシンと足踏みで地ならしを小さく起こしていた。
「礼!」
審判が言うと二人はお辞儀をした。
「失礼なことを聞くが人間か?」
ロードが訊く。
「一応人間だ」
身体が岩で出来ていたゴンガが言う。
「始め!」
審判が赤旗を振り下ろす。
「おりゃあ!!」
先に動いたのはゴンガで地面をたたき割った。そして瓦礫が出来上がる。
ロードは剣を右手に構える。そして初激の攻撃をミチルに任せた。
「ミチル!」
ロードが飛ぶ斬撃を繰り出すと、岩の腕でガードするゴンガ。ダメージを防いでいた。
「ノーダメージ!」
審判が叫ぶ。
「おおっと審判がノーダメージのコールを出した!」
「聞いたことがあります。岩石人は鍛えようによってはその硬度鉄並みにすると……」
「ではロード選手の精霊の斬撃は……?」
「通用しないのかもしれません」
解説と実況が話をする。
ゴンガは地面をたたき割り出来た瓦礫を掴んでロードに投げる。
(ミチルにも体力の限界はある。なるべく飛ぶ斬撃は使わないようにしないと)
ロードは次々飛んでくる瓦礫を躱していく。
ゴンガは瓦礫を撃ち尽くしたので、身体を丸める。そしてそのままロードに向かって転がっていく。
「ミチル!」
ロードは飛ぶ斬撃を放ったが、回転するゴンガの前では無力だった。
「ノーダメージ!」
審判が叫ぶ。
ロードは向かってくるゴンガを後ろに下がることで距離を取る。しかし後ろの聖法の壁まで来たことでピンチになった。
「ロード選手! 追い詰められた!」
「いや、この戦法は――」
ロードは迫る転がってくる岩石人を横に躱し、聖法の壁に激突させる。審判はノーダメージとコール。
「う、うう~~どうなった?」
壁に激突したゴンガが重い岩の身体を動かしゆっくり起き上がる。その時ロードは懐に入り込んだ。
「ミチル!」
至近距離で飛ぶ斬撃を食らうゴンガ、その勢いに押されゴンガは倒れる。
「ロード一点!」
審判が叫ぶ。
「うう、何がぁ?」
仰向けに倒れたゴンガに、続けて至近距離でミチルの飛ぶ斬撃を放つロード。
「ロード二点!」
審判が叫ぶ。
「こ、この!」
ゴンガが手を振り腹部に乗るロードを捕まえようとする。が、上に飛ばれて躱される。
(ゼロ距離の攻撃、しかも急所を狙えば、ダメージになるそう言うルールか……)
ロードはゴンガの腕の上に降りて、首元に剣の切っ先を向けてゼロ距離で飛ぶ斬撃を放つ。
「おう!」
「ロード三点!」
審判が叫ぶ。
「うう、ちょこまかと……」
ゴンガが起き上がる。
ロードが構えて、飛ぶ斬撃を放つ。
「ノーダメージ!」
審判が叫ぶ。
しかしロードの本命の攻撃はそれではない。今のはただの目くらまし、狙いはゴンガ自身の腕で視界を遮ること。
(よし、懐に入った!)
ロードは首元にゼロ距離で飛ぶ斬撃を放った。
「ロード四点!」
審判が叫ぶ。
「この剣か!」
ゴンガが剣に腕を伸ばすが、ロードは剣を上に投げる。そしてゴンガは落ちてくるはずの剣を見たまま、
この時、
(あれ? 剣が落ちてこない)
ゴンガは思い。
「ロード選手の青い剣が空中で滞空したままだ!」
「どうやら、宿っている精霊の力の様です。なんでも空を飛ぶ剣だとか……」
誰もが剣を見ていた。そして誰もが気付かなかった。ロードが拳に生命力を力に力に変換し、ゆっくり、ゆっくりと拳に溜めていく。そして――――
「極体拳!」
ロードは上を見上げるゴンガの顔に渾身の拳を当てて、ぶっ倒した。
「ロード五点! 勝者ロード!」
観客席の客はわーーーーーーっと驚いていた。
そして空中で待機して、囮となっていたミチルがロードの手に収まる。そして鞘に納めた。
「やりましたロード選手! 大会のルールを把握して有効ダメージの部位に攻撃を加える見事な戦い方でした! そしてまたも完全試合です」
「ゴンガ選手を聖法の壁に激突させたのが、勝敗を決した瞬間でしたね。あと青い剣これは目で追っちゃいますね。いい囮でした」
ロードとゴンガは会場中央で並び立つ。
「礼!」
審判が言う。
「「ありがとうございました」」
ロードとゴンガはその場から立ち去った。
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