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第八章 スライム達の暮らす可愛らしい異世界
第376話 アニマル系スライムのお礼
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暴れるスライム達を手分けして気絶させていくロードたち。
バシンバシンとロードは襲い掛かるスライム達を手で払い退け気絶させていく。
牛型の大きなスライムがロードの背後を取ろうとしていた。
その時、ゲシッと牛型のスライムがハズレにけられた。
藁の家を潰して倒れる牛型スライム。
「やぁロード」
「ハズレ、済まない飛び出してしまって……」
「もういいさ、それにこっちの道の方がやっぱりいいな」
背中合わせの二人の元に暴れるスライムたちが来る。
「「「があああああああああああ!!」」」
「半分任せる……」
「おやすい御用さ」
◆ ◆ ◆ ◆
フーサ村外れ。
ドノミさんがぽつんと立って、状況を整理していた。
「――こんなにたくさんのスライムの記憶は消せない。どうしよう、マニュアルに書いてないことしないでよ」
その時、上空を飛んでいた一羽の鳥が目に入る。それはドノミさんの上でくるくるまわっていた。
「伝書鳥?」
足に掴んでいた紙をドノミさんに向かって落とす鳥、役目を終えてどこかへ飛び出して行った。
紐にくくられた紙を受け取るドノミさん。
「拠点からの緊急報告!? まさか……もうこの事態を知って……対処法を……」
ドノミさんは報告書をすぐに読み上げた。
「――――!? ……そういうことですか……」
ドノミさんが納得した。
◆ ◆ ◆ ◆
フーサ村。
ロードたちはやっと鎮まった村の中央に集まっていた。
「やっと鎮まったな」
ハズレが言う。
「酷い光景だけどね……」
辺りは気絶したスライムでいっぱいだった。
「このぐらいで情けねー奴らだ」
グラスが言う。
「みんな来てくれてありがとう」
ロードがお礼を言う。
「よしてくれロード」
ハズレが照れる。
「いえいえ……」
スワンが手を振る。
「フン」
グラスがフードを被る。
「クパパパパ」
ドルちゃんが鳴く。
「ロード! オレも手分けできた!」
トンガリが足元にやってきた。
「大丈夫だったか?」
ロードはそのまま腰を下げてしゃがみ込む。
「4匹倒したぜ……」
「そうか、じゃあ15レベルだな」
「そうだ! そうだよ!」
「やったあーー! レベル15だぁ!」
大喜びのトンガリだった。
「あ、あの~~」
ロードたちの背後からアニマル系スライム達が現れた。彼らは暴走しなかったスライムである。
「誰なんだ?」「知らないけど助けてくれた~~」「ありがとう」「親切にありがとう」「怖かった」「おかげで皆怪我しなかったよ」
アニマル系スライム達がそれぞれお礼を言う。
「助けになってよかった」
ロードが安堵する。
「聞きたいんだが何が起きた? どうしてこんなことになったんだ?」
ハズレが訊いてみた。
「?」「分からない」「分かるか?」「こんなこと今まで起きたことないよ」「みんなどうしちゃったんだろ」
「ドノミさんの言ってた通り、異常は起きてたんだ」
スワンが呟く。
「誰か何かわからないか!?」
ハズレの問いかけにざわめくアニマル系たち、しかし答えを持つ者は一匹としていなかった。
この時、
(ドノミさんに調査って言った手前、納得できる理由が欲しかったが……無理か)
ハズレは気を落とした。
ロードたちはその場から立ち去ろうとした。
「あ、あの、皆さんどちらへ」「どこ行くんだー」「ぜひ御礼を」
「悪い急いでいるんだ」
ロードが背中越しに言う。
「せめて名前だけでも」「誰~~」「教えて~~」
「ロードだぁ!」
ロードは自分の名前だけ言ってその場を後にする。
「いいの言って……」
スワンが訊いてくる。
「記憶は消されるんだろ?」
ロードは言う。
「どうだろうな」
ハズレが考える。
「やっぱりまずかったか?」
「「全然」」
助けてくれてありがとう、ロードさーん、ありがとー、いつまでもお礼を言うアニマル系たちだった。
「やっぱ助ける方だと気分がいい」
スワンが口にした。
「ならねーな」
グラスが否定した。
「損してる! 私はグラスが手伝ってさらに2倍気分がいい」
「さて、こっちはどうしようか」
ハズレが目の前の難題に直面した。
フーサ村外れ、彼女と再会する。
「先ほど私たちの拠点から緊急報告がありました……不法入界者4名の侵入を検知しています。なので皆さん、拠点まで同行してもらいます。はむかうなら力づくで……これは規則です」
鉄の棒を構えたドノミがそう口にした。
バシンバシンとロードは襲い掛かるスライム達を手で払い退け気絶させていく。
牛型の大きなスライムがロードの背後を取ろうとしていた。
その時、ゲシッと牛型のスライムがハズレにけられた。
藁の家を潰して倒れる牛型スライム。
「やぁロード」
「ハズレ、済まない飛び出してしまって……」
「もういいさ、それにこっちの道の方がやっぱりいいな」
背中合わせの二人の元に暴れるスライムたちが来る。
「「「があああああああああああ!!」」」
「半分任せる……」
「おやすい御用さ」
◆ ◆ ◆ ◆
フーサ村外れ。
ドノミさんがぽつんと立って、状況を整理していた。
「――こんなにたくさんのスライムの記憶は消せない。どうしよう、マニュアルに書いてないことしないでよ」
その時、上空を飛んでいた一羽の鳥が目に入る。それはドノミさんの上でくるくるまわっていた。
「伝書鳥?」
足に掴んでいた紙をドノミさんに向かって落とす鳥、役目を終えてどこかへ飛び出して行った。
紐にくくられた紙を受け取るドノミさん。
「拠点からの緊急報告!? まさか……もうこの事態を知って……対処法を……」
ドノミさんは報告書をすぐに読み上げた。
「――――!? ……そういうことですか……」
ドノミさんが納得した。
◆ ◆ ◆ ◆
フーサ村。
ロードたちはやっと鎮まった村の中央に集まっていた。
「やっと鎮まったな」
ハズレが言う。
「酷い光景だけどね……」
辺りは気絶したスライムでいっぱいだった。
「このぐらいで情けねー奴らだ」
グラスが言う。
「みんな来てくれてありがとう」
ロードがお礼を言う。
「よしてくれロード」
ハズレが照れる。
「いえいえ……」
スワンが手を振る。
「フン」
グラスがフードを被る。
「クパパパパ」
ドルちゃんが鳴く。
「ロード! オレも手分けできた!」
トンガリが足元にやってきた。
「大丈夫だったか?」
ロードはそのまま腰を下げてしゃがみ込む。
「4匹倒したぜ……」
「そうか、じゃあ15レベルだな」
「そうだ! そうだよ!」
「やったあーー! レベル15だぁ!」
大喜びのトンガリだった。
「あ、あの~~」
ロードたちの背後からアニマル系スライム達が現れた。彼らは暴走しなかったスライムである。
「誰なんだ?」「知らないけど助けてくれた~~」「ありがとう」「親切にありがとう」「怖かった」「おかげで皆怪我しなかったよ」
アニマル系スライム達がそれぞれお礼を言う。
「助けになってよかった」
ロードが安堵する。
「聞きたいんだが何が起きた? どうしてこんなことになったんだ?」
ハズレが訊いてみた。
「?」「分からない」「分かるか?」「こんなこと今まで起きたことないよ」「みんなどうしちゃったんだろ」
「ドノミさんの言ってた通り、異常は起きてたんだ」
スワンが呟く。
「誰か何かわからないか!?」
ハズレの問いかけにざわめくアニマル系たち、しかし答えを持つ者は一匹としていなかった。
この時、
(ドノミさんに調査って言った手前、納得できる理由が欲しかったが……無理か)
ハズレは気を落とした。
ロードたちはその場から立ち去ろうとした。
「あ、あの、皆さんどちらへ」「どこ行くんだー」「ぜひ御礼を」
「悪い急いでいるんだ」
ロードが背中越しに言う。
「せめて名前だけでも」「誰~~」「教えて~~」
「ロードだぁ!」
ロードは自分の名前だけ言ってその場を後にする。
「いいの言って……」
スワンが訊いてくる。
「記憶は消されるんだろ?」
ロードは言う。
「どうだろうな」
ハズレが考える。
「やっぱりまずかったか?」
「「全然」」
助けてくれてありがとう、ロードさーん、ありがとー、いつまでもお礼を言うアニマル系たちだった。
「やっぱ助ける方だと気分がいい」
スワンが口にした。
「ならねーな」
グラスが否定した。
「損してる! 私はグラスが手伝ってさらに2倍気分がいい」
「さて、こっちはどうしようか」
ハズレが目の前の難題に直面した。
フーサ村外れ、彼女と再会する。
「先ほど私たちの拠点から緊急報告がありました……不法入界者4名の侵入を検知しています。なので皆さん、拠点まで同行してもらいます。はむかうなら力づくで……これは規則です」
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