327 / 743
第七章 千年以上眠り続ける希望のダンジョンの宝
第327話 スワンへのしつけ
しおりを挟む
トロイア内部。
ハズレは回廊を走っていた。
その奥には扉があった。
そしてその前には魔物の大群がいた。
「――――!!」
マッチ棒を取りだすハズレ。
「なんだ?」「アレは人間」「もうこんなところまで来たのか」「身の程知らずが、ここは魔王フリフライ様の玉座だぞ」「もういい、殺すぞ」
様々な姿の魑魅魍魎が言う。
「魔王の玉座か」
ハズレは前に爆薬丸を投げ飛ばした。
『『『うおおおおおおおおおおおお』』』
構える魔物たち、しかし、火のついたマッチ棒を投げ飛ばすハズレ。
そのマッチ棒は爆薬丸に触れた。瞬間――魔物の大群の中で大爆発を起こし、
『『『ぎゃあああアアアアアアアアア』』』
全ての魔物を一掃した。
そしてハズレは爆風にも耐え、黒く立ち込める煙の中を進み、魔王の間へと入って行った。
そこはトロイア機関の首筋の下あたりの胴体だった。
「玉座は頭部ではなかったのか……」
辺りを見渡すハズレ。前方には眺めのいい窓ガラスがある。そして金銀財宝の山。
この時、
(居ないのか魔王は、もうロードがやったのか?)
(何だ? この財宝の数は……随分集めたな)
(魔物でも惹かれるのか)
(……………………)
そこでハズレは自身の持つ秘宝玉を取り出した。
(まさか、奴らの狙いは、ダンジョンにあるのは秘宝玉か)
(もしここにもあるのなら魔王がいない今持ち出せる)
(万が一盗賊たちの手に渡ったらどんな争いになるか)
(それにもしオレに反応しえくれれば魔王を倒せるかも知れない)
(ロード少し待ってくれ)
ハズレは金銀財宝の山をかき分けて秘宝玉を探し始めた。
その時、ドゴゴゴーーーーンという音がした。
「――!! 何だ!! 木馬全体が揺れたぞ……動き出したのか? スワンは大丈夫なのか?」
◆ ◆ ◆ ◆
トロイア内部・動力室。
木のパイプにぶら下がるクウィップにも揺れは伝わっていた。
この時、
(何? このトロイアの衝撃……動き出した? いえ、燃料が漏れているのだからそれはない……異変なら誰かが対処するはず。それより私はこっちね)
恐怖の仮面からスワンを覗くクウィップ。
この時、
(もう飲める水はない……この船の水なんて怖くて飲めないし)
(もう外に出るか……もう皆逃げ切ったはず)
(ダメ、ロードたちが魔王と戦っている……その間に一人でも多く)
(特にこの眷属使魔は引き付けておかないとダメ)
水のボートに乗りながら、追ってくるムチを躱していく。
(このまま、少しずつ仕掛けて一気に倒す)
スワンにはある秘策があったようだった。
(それしかもう打つ手が……)
(アレ?)
(ムチが追ってこない……まさか私を見失ったなんてこと)
その時スワンは殺気を感じた。振り向くべきではないと思った。
何故なら、後方を向いている間、前方からクウィップが必殺の蹴りを放って来たからだ。
べゴンと人間が中を泳げるぐらいの木のパイプがへこみを入れた。
「気づいてしまったのね。いけない子」
スワンの上着がクウィップの足元にあった。
「ああん!!」
とっさに蹴りを回避したスワンは木のパイプの上に落ちた。
「うっ、まだ生きてる? 横腹掠ってる」
横腹から血が滲んでいた。
この時、
(危なかった……あのスピードで、あの蹴りを受けてたら死んでた)
(あの魔物、あらかじめ周囲の木のパイプに9本のムチを絡ませていたんだ)
(辺りにしかけて、わたしを囲むように……そして攻撃ルートに入ったら)
(即座にムチを縮めて先回りするように蹴りを放つ)
スワンはそう結論付けた。
(まずい、もう身体が……)
ガクッと膝を落とすスワン。
その時、同じ木のパイプにクウィップが降りてきた。
「――――――!?」
とっさに飛び降りようとしたが、スワンはクウィップのムチに捕まった。
「いあ!!」
両腕、両足に絡みつくムチ。
「ダメよ逃げちゃ、フフフ、腰も足もガクガクよ。もう疲れてしまったの? ここからはもっとハードなのに……」
手に持つ小さな鞭で遊ぶクウィップ。
「ふっ、うう!!」
スワンはクウィップに上下逆さに吊るされた。
「そんなに必死にならなくても……」
「殺しはしないから安心しなさい」
「ちょっと痛いのを我慢すればね」
「これからあなたはいけない子から、私の言うことをちゃんと守るいい子に変わるの」
「くっ……」
クウィップをにらみつけるスワン。
「怯えの目に染まり」
「涙で顔をずぶ濡れに……」
「口もみだらにゆがませて……」
「首輪をつけ」
「頭を地に着けて」
「魔王さまへの絶対の奴隷宣言をする」
シュルルルルルルルッと伸ばしていた尾羽のムチをある程度の長さに戻すクウィップ。
「さぁ始めましょう。九蛇苦のしつけ」
バシシシシシンと全身にムチの連撃を食らうスワン。
「あああああああああああああああああああああああああ!!」
両手、両足が縛られて身動きが取れないスワン。
「あああああああああああああああああああ!!」
ただただ攻撃を無抵抗に受ける事しか出字なかった。
「フフフ。落ちなさい」
「あああああああああああああああ!!」
クウィップのしつけが続く。
ハズレは回廊を走っていた。
その奥には扉があった。
そしてその前には魔物の大群がいた。
「――――!!」
マッチ棒を取りだすハズレ。
「なんだ?」「アレは人間」「もうこんなところまで来たのか」「身の程知らずが、ここは魔王フリフライ様の玉座だぞ」「もういい、殺すぞ」
様々な姿の魑魅魍魎が言う。
「魔王の玉座か」
ハズレは前に爆薬丸を投げ飛ばした。
『『『うおおおおおおおおおおおお』』』
構える魔物たち、しかし、火のついたマッチ棒を投げ飛ばすハズレ。
そのマッチ棒は爆薬丸に触れた。瞬間――魔物の大群の中で大爆発を起こし、
『『『ぎゃあああアアアアアアアアア』』』
全ての魔物を一掃した。
そしてハズレは爆風にも耐え、黒く立ち込める煙の中を進み、魔王の間へと入って行った。
そこはトロイア機関の首筋の下あたりの胴体だった。
「玉座は頭部ではなかったのか……」
辺りを見渡すハズレ。前方には眺めのいい窓ガラスがある。そして金銀財宝の山。
この時、
(居ないのか魔王は、もうロードがやったのか?)
(何だ? この財宝の数は……随分集めたな)
(魔物でも惹かれるのか)
(……………………)
そこでハズレは自身の持つ秘宝玉を取り出した。
(まさか、奴らの狙いは、ダンジョンにあるのは秘宝玉か)
(もしここにもあるのなら魔王がいない今持ち出せる)
(万が一盗賊たちの手に渡ったらどんな争いになるか)
(それにもしオレに反応しえくれれば魔王を倒せるかも知れない)
(ロード少し待ってくれ)
ハズレは金銀財宝の山をかき分けて秘宝玉を探し始めた。
その時、ドゴゴゴーーーーンという音がした。
「――!! 何だ!! 木馬全体が揺れたぞ……動き出したのか? スワンは大丈夫なのか?」
◆ ◆ ◆ ◆
トロイア内部・動力室。
木のパイプにぶら下がるクウィップにも揺れは伝わっていた。
この時、
(何? このトロイアの衝撃……動き出した? いえ、燃料が漏れているのだからそれはない……異変なら誰かが対処するはず。それより私はこっちね)
恐怖の仮面からスワンを覗くクウィップ。
この時、
(もう飲める水はない……この船の水なんて怖くて飲めないし)
(もう外に出るか……もう皆逃げ切ったはず)
(ダメ、ロードたちが魔王と戦っている……その間に一人でも多く)
(特にこの眷属使魔は引き付けておかないとダメ)
水のボートに乗りながら、追ってくるムチを躱していく。
(このまま、少しずつ仕掛けて一気に倒す)
スワンにはある秘策があったようだった。
(それしかもう打つ手が……)
(アレ?)
(ムチが追ってこない……まさか私を見失ったなんてこと)
その時スワンは殺気を感じた。振り向くべきではないと思った。
何故なら、後方を向いている間、前方からクウィップが必殺の蹴りを放って来たからだ。
べゴンと人間が中を泳げるぐらいの木のパイプがへこみを入れた。
「気づいてしまったのね。いけない子」
スワンの上着がクウィップの足元にあった。
「ああん!!」
とっさに蹴りを回避したスワンは木のパイプの上に落ちた。
「うっ、まだ生きてる? 横腹掠ってる」
横腹から血が滲んでいた。
この時、
(危なかった……あのスピードで、あの蹴りを受けてたら死んでた)
(あの魔物、あらかじめ周囲の木のパイプに9本のムチを絡ませていたんだ)
(辺りにしかけて、わたしを囲むように……そして攻撃ルートに入ったら)
(即座にムチを縮めて先回りするように蹴りを放つ)
スワンはそう結論付けた。
(まずい、もう身体が……)
ガクッと膝を落とすスワン。
その時、同じ木のパイプにクウィップが降りてきた。
「――――――!?」
とっさに飛び降りようとしたが、スワンはクウィップのムチに捕まった。
「いあ!!」
両腕、両足に絡みつくムチ。
「ダメよ逃げちゃ、フフフ、腰も足もガクガクよ。もう疲れてしまったの? ここからはもっとハードなのに……」
手に持つ小さな鞭で遊ぶクウィップ。
「ふっ、うう!!」
スワンはクウィップに上下逆さに吊るされた。
「そんなに必死にならなくても……」
「殺しはしないから安心しなさい」
「ちょっと痛いのを我慢すればね」
「これからあなたはいけない子から、私の言うことをちゃんと守るいい子に変わるの」
「くっ……」
クウィップをにらみつけるスワン。
「怯えの目に染まり」
「涙で顔をずぶ濡れに……」
「口もみだらにゆがませて……」
「首輪をつけ」
「頭を地に着けて」
「魔王さまへの絶対の奴隷宣言をする」
シュルルルルルルルッと伸ばしていた尾羽のムチをある程度の長さに戻すクウィップ。
「さぁ始めましょう。九蛇苦のしつけ」
バシシシシシンと全身にムチの連撃を食らうスワン。
「あああああああああああああああああああああああああ!!」
両手、両足が縛られて身動きが取れないスワン。
「あああああああああああああああああああ!!」
ただただ攻撃を無抵抗に受ける事しか出字なかった。
「フフフ。落ちなさい」
「あああああああああああああああ!!」
クウィップのしつけが続く。
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
ハズレスキル【分解】が超絶当たりだった件~仲間たちから捨てられたけど、拾ったゴミスキルを優良スキルに作り変えて何でも解決する~
名無し
ファンタジー
お前の代わりなんざいくらでもいる。パーティーリーダーからそう宣告され、あっさり捨てられた主人公フォード。彼のスキル【分解】は、所有物を瞬時にバラバラにして持ち運びやすくする程度の効果だと思われていたが、なんとスキルにも適用されるもので、【分解】したスキルなら幾らでも所有できるというチートスキルであった。捨てられているゴミスキルを【分解】することで有用なスキルに作り変えていくうち、彼はなんでも解決屋を開くことを思いつき、底辺冒険者から成り上がっていく。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います
騙道みりあ
ファンタジー
魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。
その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。
仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。
なので、全員殺すことにした。
1話完結ですが、続編も考えています。
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
性欲排泄欲処理系メイド 〜三大欲求、全部満たします〜
mm
ファンタジー
私はメイドのさおり。今日からある男性のメイドをすることになったんだけど…業務内容は「全般のお世話」。トイレもお風呂も、性欲も!?
※スカトロ表現多数あり
※作者が描きたいことを書いてるだけなので同じような内容が続くことがあります
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる