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第七章 千年以上眠り続ける希望のダンジョンの宝
第304話 独裁者と主人と奴隷
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ロードたちは男の叫ぶ方へと足を運んでいった。
そしてある民家の前に居た二人の男を目にする。
「この役立たずが!! 勝手に座り込みおって!! 掃除をしろ今すぐにだ!!」
片方の男が怒鳴り散らしながら、もう片方の男を蹴っていた。
「ああ!! ああ!!」
うずくまりけられる男性、その首には首輪が付けられていた。
「――――!!」
ロードは一瞬固まった。何をしているのか思考が追いつかなかったからだ。
「害虫のエサくらいの価値しかない命を誰が拾ってやったこの奴隷めが!!」
「す、すみませんご主人様、すみません」
主人と奴隷のやり取りを見てしまったロード。
「いつまでうずくまっているさっさと動かんか!!」
主人の方が酒瓶を振り上げる。
「――――やめないか」
ロードは即座に酒瓶が握り込まれた腕を掴み止める。
「その人酷く疲れているぞ休ませてやれ」
うずくまり泣いている奴隷を見て言う。
「何だお前、オレが買ったもんだ!! オレがどう使おうがお前にはかんけーねー!!」
主人はロードの腕を振り払う。
「その人はお前の物じゃない」
「いいやオレのさ!! オレが買った奴隷だ!! だからオレの物なんだよ!!」
「もういい勝手にやる」
ロードは主人の方を無視した。
「大丈夫か? 今すぐ力を――」
ロードは奴隷の男に生命力を分け与えようとした。
「オイ!! オレのものに手ー出すんじゃねー!!」
その時、ズラズラと役人の行列がこの道に通りかかった。
「「――!?」」
ロードとハズレが気づく。
「何をしているお前たち!! フォックスグリードの王ゲロベルデさまのお通りだ!! こうべを垂れろ!! 不敬だぞ!!」
「ゲロベルデさま! ははーー!」
こうべを垂れる主人と奴隷の男。
ロードは何やら分かっていない様子だった。
「ロード。頭を下げろ。面倒なことになるぞ」
ハズレが頭を下げていた。
仕方なくロードも地に伏せこうべを垂れる。
ガタガタガタガタと何人もの奴隷が引く豪華な荷車が通るが、
「止まれ」
荷車の中にいたゲロベルデ王が奴隷たちに命令した。
「オイ、その娘はいくらだ?」
「――!?」
ハズレの抱えてるスワンを見てゲロベルデがそう言った。
「余が買おうとしておるいくらだ?」
「いや、そのこの娘は売り物じゃなくて……」
ハズレが歯切れの悪そうに言う。
「ふむ、ならばそれを余に引き渡せ……」
「ハァ!!」
「余はこのフォックスグリードの王ゲロベルデであるぞ。売り物でないなら、それを置いて余の前から立ち去れ」
ロードとハズレはこうべを垂れたまま黙り込んでいた。
スワンの穏やかな寝顔を見る。スースーと寝息を立てている。
「実に美しい我が第71王妃として迎え入れよう」
「「ふざけるな」」
ロードとハズレの意思が合致する。
「何?」
「「スワンはオレたちと一緒の方が幸せだぁ!!」」
ロードとハズレは立ち上がる。
「逃げるぞハズレ」
ロードが走る。
「頭なんて下げるんじゃなかった」
ハズレが愚痴を漏らす。
走り去った狼藉者を前にざわめく役人たち。
「何をしておる。あの者たちを今すぐ連れてこい余がペットにしている魔物のエサにしてやる!!」
◆ ◆ ◆ ◆
表通り。
「どこ行った?」「もっとだもっと応援を呼べ!」「絶対見つけろ」「でないとオレたちは――」
裏通り。
「ハズレ動きづらくなったが、オレはこれでよかったと思う」
ロードが三角座りで呟く。
「オレもだ。後悔はしていない。あんな奴にスワンを触れさせるか」
ハズレはスワンが起きないように大切に抱える。
「ああ……それでどうする」
「抜け道から一先ず離れようあそこだけは見つけられたらまずい」
「スワンが起きるまで逃走だな」
「ああ……移動しよう」
二人が立ち上がると――
「いたぞ!!」
タタタッと前から役人たちが走ってくる。
「引き返すぞ!!」
「待てロード!! 後ろからも来たぞ!!」
「何!!」
その時ロードたちは役人たちに挟み撃ちにされた。そして――
「来い!!」
家と家の隙間から見知らぬ青年が声を掛けて来た。
ロードたちはその少年に従ってついて行った。
「こっちか!!」
役人たちがロードたちを追う。
タタタタタタタタタと複数の足音が遠ざかっていく。
ロードたちはとある民家の軒下で伏せる形で隠れ、役人たちが通り過ぎていくのを待つ。スワンはハズレの背中で寝ていた。
「こっちだ来い」
青年が誘う。
ロードとハズレは顔を見合わせて頷き合い、青年について行くことにした。
そしてある民家の前に居た二人の男を目にする。
「この役立たずが!! 勝手に座り込みおって!! 掃除をしろ今すぐにだ!!」
片方の男が怒鳴り散らしながら、もう片方の男を蹴っていた。
「ああ!! ああ!!」
うずくまりけられる男性、その首には首輪が付けられていた。
「――――!!」
ロードは一瞬固まった。何をしているのか思考が追いつかなかったからだ。
「害虫のエサくらいの価値しかない命を誰が拾ってやったこの奴隷めが!!」
「す、すみませんご主人様、すみません」
主人と奴隷のやり取りを見てしまったロード。
「いつまでうずくまっているさっさと動かんか!!」
主人の方が酒瓶を振り上げる。
「――――やめないか」
ロードは即座に酒瓶が握り込まれた腕を掴み止める。
「その人酷く疲れているぞ休ませてやれ」
うずくまり泣いている奴隷を見て言う。
「何だお前、オレが買ったもんだ!! オレがどう使おうがお前にはかんけーねー!!」
主人はロードの腕を振り払う。
「その人はお前の物じゃない」
「いいやオレのさ!! オレが買った奴隷だ!! だからオレの物なんだよ!!」
「もういい勝手にやる」
ロードは主人の方を無視した。
「大丈夫か? 今すぐ力を――」
ロードは奴隷の男に生命力を分け与えようとした。
「オイ!! オレのものに手ー出すんじゃねー!!」
その時、ズラズラと役人の行列がこの道に通りかかった。
「「――!?」」
ロードとハズレが気づく。
「何をしているお前たち!! フォックスグリードの王ゲロベルデさまのお通りだ!! こうべを垂れろ!! 不敬だぞ!!」
「ゲロベルデさま! ははーー!」
こうべを垂れる主人と奴隷の男。
ロードは何やら分かっていない様子だった。
「ロード。頭を下げろ。面倒なことになるぞ」
ハズレが頭を下げていた。
仕方なくロードも地に伏せこうべを垂れる。
ガタガタガタガタと何人もの奴隷が引く豪華な荷車が通るが、
「止まれ」
荷車の中にいたゲロベルデ王が奴隷たちに命令した。
「オイ、その娘はいくらだ?」
「――!?」
ハズレの抱えてるスワンを見てゲロベルデがそう言った。
「余が買おうとしておるいくらだ?」
「いや、そのこの娘は売り物じゃなくて……」
ハズレが歯切れの悪そうに言う。
「ふむ、ならばそれを余に引き渡せ……」
「ハァ!!」
「余はこのフォックスグリードの王ゲロベルデであるぞ。売り物でないなら、それを置いて余の前から立ち去れ」
ロードとハズレはこうべを垂れたまま黙り込んでいた。
スワンの穏やかな寝顔を見る。スースーと寝息を立てている。
「実に美しい我が第71王妃として迎え入れよう」
「「ふざけるな」」
ロードとハズレの意思が合致する。
「何?」
「「スワンはオレたちと一緒の方が幸せだぁ!!」」
ロードとハズレは立ち上がる。
「逃げるぞハズレ」
ロードが走る。
「頭なんて下げるんじゃなかった」
ハズレが愚痴を漏らす。
走り去った狼藉者を前にざわめく役人たち。
「何をしておる。あの者たちを今すぐ連れてこい余がペットにしている魔物のエサにしてやる!!」
◆ ◆ ◆ ◆
表通り。
「どこ行った?」「もっとだもっと応援を呼べ!」「絶対見つけろ」「でないとオレたちは――」
裏通り。
「ハズレ動きづらくなったが、オレはこれでよかったと思う」
ロードが三角座りで呟く。
「オレもだ。後悔はしていない。あんな奴にスワンを触れさせるか」
ハズレはスワンが起きないように大切に抱える。
「ああ……それでどうする」
「抜け道から一先ず離れようあそこだけは見つけられたらまずい」
「スワンが起きるまで逃走だな」
「ああ……移動しよう」
二人が立ち上がると――
「いたぞ!!」
タタタッと前から役人たちが走ってくる。
「引き返すぞ!!」
「待てロード!! 後ろからも来たぞ!!」
「何!!」
その時ロードたちは役人たちに挟み撃ちにされた。そして――
「来い!!」
家と家の隙間から見知らぬ青年が声を掛けて来た。
ロードたちはその少年に従ってついて行った。
「こっちか!!」
役人たちがロードたちを追う。
タタタタタタタタタと複数の足音が遠ざかっていく。
ロードたちはとある民家の軒下で伏せる形で隠れ、役人たちが通り過ぎていくのを待つ。スワンはハズレの背中で寝ていた。
「こっちだ来い」
青年が誘う。
ロードとハズレは顔を見合わせて頷き合い、青年について行くことにした。
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