164 / 774
第四章 酒場の情報から精霊石や馬を手に入れて旅をする
第164話 飲料店の繁盛
しおりを挟む
上空。
アカに乗って高速移動している最中にハズレとスワンに話しかけられるロード。
「ロードォ! キミは一体何者だ!」
「勇者だよ」
「このドラゴンが前に言っていた友達の竜なわけ!?」
「そうだけど……あまりしゃべらない方がいいぞ二人共、舌を噛むからな」
ロードは完全にアカに乗り慣れていた。
「おい見えて来たぞヤマダシオだ!」
そうこうしている間にヤマダシオの街が見えて来てハズレが叫んだ。
「アカ! あの丘に着陸してくれ!」
「ダメ! 何人かの人が見える! 竜を見たらきっとビックリして大騒ぎになる!」
「じゃあその辺りの森の着陸してくれ!」
「わかった……」
▼ ▼ ▼
ヤマダシオ・近隣の森。
アカはまず手に持っていた荷船をゆっくり下ろし、ハズレとスワンが降りやすい態勢を取った。
ロードが飛び降り、ハズレスワンの順番で降りてくる。
「今回はここまででいいご苦労さまアカ」
「ああでは我はまた眠りにつくとしよう。ハズレ、スワン、また会おう」
そしてアカは竜封じの剣に姿を戻した。
「その剣に竜が封じ込めてあるのは本当だったんだ……」
スワンは未だ信じられないものを見ているかのような目を向けていた。
「さて、本当に2時間で着いてしまったが……これからどうする馬乗レースは2日後だぞ」
ハズレは冷静に宣告する。
「それまではのんびりと飲料店でも繁盛させないか……?」
ロードが提案する。
「さんせー!」
スワンは乗ってくれた。
「飲料店? 赤い竜に荷船を透明にさせる指輪、キミたち本当に何者だよ」
ハズレは不思議そうな目で二人を見ていた。
▼ ▼ ▼
ヤマダシオ・街の中。
「おいし水はいかがですか! 甘くておいしい水はいかがですか!」
スワンがドルちゃんに乗りながら客引きしていた。
「うう、二日酔いなんだ。一杯水をくれないか」
「は~~い、少々お待ちください」
スワンはドルちゃんから降りて、店に保存されたおいしい水を一杯注いでいく。
「おいしいおいしいフルーツのジュースもありますよ! いかがですか!」
ロードも負けずと客引きをしていた。
「フルーツのジュースってなんだい?」
ハズレが訊いてきた。
「フルーツから果汁を絞り出した飲み物のことさ」
「へ~~お金を払うから一杯くれないか?」
「わかった。じゃあここに書いてあるメニューから選んでくれ」
ゼンワ語で書かれた文字でハズレは読めるかどうか気になったが、どうも読めたようで、
「じゃあこのレモン水をくれないか?」
「わかった待っていろ」
ロードも店に保存されていたレモンをすぐに搾り機で搾り、おいしい水を少々加えてジュースの完成させた。
「はいどうぞ赤銅貨10枚です。冷たい間にお召し上がりください」
「ああ、ありがとう」
ハズレは赤銅貨10枚を払う。そして一口味見する。
「すっぱ! それと甘すぎないか?」
「そう言う飲み物なんだ。不味いか?」
「不味くはないけど、酒やワインを飲みなれた下には物足りないな」
「ロードォ! 突っ立ってないで手伝って、おいしい水10杯の注文だよ!」
「わかった今用意する」
この時ハズレは、
(もっと幅広い商品を出さないと……甘いだけの客引きじゃあすぐに店が廃れるぞ)
と思っていた。
しかしハズレの分析とは異なり、今回昼までの収入は赤銅貨3000枚越えの売り上げを達成した。
「やったーー今回のおいし水は売り切れた!」
スワンが大喜びしていた。
「ジュースの方は売れ残ってしまったか、はぁ~~」
冷蔵保存されたフルーツたちを見て落ち込むロードだった。
この時、
(マジか、水の方が売り切れたか!?)
とハズレは思っていた。
「赤銅貨3000枚も売り上げるなんて銀貨30枚レベルの売り上げじゃない黒字だ黒字」
スワンが水を得た魚のように飛び跳ねた。
「凄い売り上げだな金閣寺で武器を買えるレベルだぞ」
ハズレが言い出した。
「水は殆どタダなレベルだからこれは凄いことなんだぞ……」
ロードが言い放った。
「へ~~考えたもんだなぁ、酒飲み世界で二日酔いの連中相手に水を売るなんて、朝方に商売してよかったな」
「えっ!? そう言うことだったの? 皆、ビールやお酒の酔い覚ましで買っていたの?」
「それはそうだろ? 気が付かなかったのか?」
「「全然……」」
スワンもロードも気づいていなかった
「水また汲んでこないとな~~」
ロードが呟く。
「そうね、もう一度この売り上げを出したいからあとで水を汲みに行きましょう。でもまずは昼食にしましょう」
スワンを先頭に荷船が進みゆく。
「ヒヒ―ンヒヒ―ン!」
その時、ロードは耳にしていた。そして黒馬の姿をその目に捉えていた。
アカに乗って高速移動している最中にハズレとスワンに話しかけられるロード。
「ロードォ! キミは一体何者だ!」
「勇者だよ」
「このドラゴンが前に言っていた友達の竜なわけ!?」
「そうだけど……あまりしゃべらない方がいいぞ二人共、舌を噛むからな」
ロードは完全にアカに乗り慣れていた。
「おい見えて来たぞヤマダシオだ!」
そうこうしている間にヤマダシオの街が見えて来てハズレが叫んだ。
「アカ! あの丘に着陸してくれ!」
「ダメ! 何人かの人が見える! 竜を見たらきっとビックリして大騒ぎになる!」
「じゃあその辺りの森の着陸してくれ!」
「わかった……」
▼ ▼ ▼
ヤマダシオ・近隣の森。
アカはまず手に持っていた荷船をゆっくり下ろし、ハズレとスワンが降りやすい態勢を取った。
ロードが飛び降り、ハズレスワンの順番で降りてくる。
「今回はここまででいいご苦労さまアカ」
「ああでは我はまた眠りにつくとしよう。ハズレ、スワン、また会おう」
そしてアカは竜封じの剣に姿を戻した。
「その剣に竜が封じ込めてあるのは本当だったんだ……」
スワンは未だ信じられないものを見ているかのような目を向けていた。
「さて、本当に2時間で着いてしまったが……これからどうする馬乗レースは2日後だぞ」
ハズレは冷静に宣告する。
「それまではのんびりと飲料店でも繁盛させないか……?」
ロードが提案する。
「さんせー!」
スワンは乗ってくれた。
「飲料店? 赤い竜に荷船を透明にさせる指輪、キミたち本当に何者だよ」
ハズレは不思議そうな目で二人を見ていた。
▼ ▼ ▼
ヤマダシオ・街の中。
「おいし水はいかがですか! 甘くておいしい水はいかがですか!」
スワンがドルちゃんに乗りながら客引きしていた。
「うう、二日酔いなんだ。一杯水をくれないか」
「は~~い、少々お待ちください」
スワンはドルちゃんから降りて、店に保存されたおいしい水を一杯注いでいく。
「おいしいおいしいフルーツのジュースもありますよ! いかがですか!」
ロードも負けずと客引きをしていた。
「フルーツのジュースってなんだい?」
ハズレが訊いてきた。
「フルーツから果汁を絞り出した飲み物のことさ」
「へ~~お金を払うから一杯くれないか?」
「わかった。じゃあここに書いてあるメニューから選んでくれ」
ゼンワ語で書かれた文字でハズレは読めるかどうか気になったが、どうも読めたようで、
「じゃあこのレモン水をくれないか?」
「わかった待っていろ」
ロードも店に保存されていたレモンをすぐに搾り機で搾り、おいしい水を少々加えてジュースの完成させた。
「はいどうぞ赤銅貨10枚です。冷たい間にお召し上がりください」
「ああ、ありがとう」
ハズレは赤銅貨10枚を払う。そして一口味見する。
「すっぱ! それと甘すぎないか?」
「そう言う飲み物なんだ。不味いか?」
「不味くはないけど、酒やワインを飲みなれた下には物足りないな」
「ロードォ! 突っ立ってないで手伝って、おいしい水10杯の注文だよ!」
「わかった今用意する」
この時ハズレは、
(もっと幅広い商品を出さないと……甘いだけの客引きじゃあすぐに店が廃れるぞ)
と思っていた。
しかしハズレの分析とは異なり、今回昼までの収入は赤銅貨3000枚越えの売り上げを達成した。
「やったーー今回のおいし水は売り切れた!」
スワンが大喜びしていた。
「ジュースの方は売れ残ってしまったか、はぁ~~」
冷蔵保存されたフルーツたちを見て落ち込むロードだった。
この時、
(マジか、水の方が売り切れたか!?)
とハズレは思っていた。
「赤銅貨3000枚も売り上げるなんて銀貨30枚レベルの売り上げじゃない黒字だ黒字」
スワンが水を得た魚のように飛び跳ねた。
「凄い売り上げだな金閣寺で武器を買えるレベルだぞ」
ハズレが言い出した。
「水は殆どタダなレベルだからこれは凄いことなんだぞ……」
ロードが言い放った。
「へ~~考えたもんだなぁ、酒飲み世界で二日酔いの連中相手に水を売るなんて、朝方に商売してよかったな」
「えっ!? そう言うことだったの? 皆、ビールやお酒の酔い覚ましで買っていたの?」
「それはそうだろ? 気が付かなかったのか?」
「「全然……」」
スワンもロードも気づいていなかった
「水また汲んでこないとな~~」
ロードが呟く。
「そうね、もう一度この売り上げを出したいからあとで水を汲みに行きましょう。でもまずは昼食にしましょう」
スワンを先頭に荷船が進みゆく。
「ヒヒ―ンヒヒ―ン!」
その時、ロードは耳にしていた。そして黒馬の姿をその目に捉えていた。
0
お気に入りに追加
28
あなたにおすすめの小説
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊
北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて
ゆうた
ファンタジー
森の国編 ヴェルトゥール王国戦記
大学2年生の誠一は、大学生活をまったりと過ごしていた。
それが何の因果か、異世界に突然、転生してしまった。
生まれも育ちも恵まれた環境の伯爵家の嫡男に転生したから、
まったりのんびりライフを楽しもうとしていた。
しかし、なぜか脳に直接、神様ぽいのから、四六時中、依頼がくる。
無視すると、身体中がキリキリと痛むし、うるさいしで、依頼をこなす。
これって異世界ブラック企業?神様の社畜的な感じ?
依頼をこなしてると、いつの間か英雄扱いで、
いろんな所から依頼がひっきりなし舞い込む。
誰かこの悪循環、何とかして!
まったりどころか、ヘロヘロな毎日!誰か助けて
おっさんの神器はハズレではない
兎屋亀吉
ファンタジー
今日も元気に満員電車で通勤途中のおっさんは、突然異世界から召喚されてしまう。一緒に召喚された大勢の人々と共に、女神様から一人3つの神器をいただけることになったおっさん。はたしておっさんは何を選ぶのか。おっさんの選んだ神器の能力とは。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる