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第四章 酒場の情報から精霊石や馬を手に入れて旅をする
第152話 酒場での情報収集
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「マスター今なんて言いました?」
ハズレが真剣な面持ちで話に加わって来た。
「幻の精霊石があるって話だ。あくまで噂だけどな……」
酒場のマスターがそう口にする。
「幻の精霊石……スワンそれって」
ロードが食い入るような眼でスワンを見る。
「ロードわたしのことは黙っておいて……」
(そう言えば、スワンはオレの時も自分の素性を隠してたな)
(何か訳アリってことか。それならスワンを精霊の術が使える人間とは言ってはいけないなぁ)
(スワンのこの表情を見る限り会話に参加する気はなしか)
(それじゃあオレの方からその精霊石の情報を絞り取れるくらい絞り出してやる)
ロードは目の前に出された料理に手をつけながらマスターに訊いてみることにした。
「マスターさん、その精霊石ってどんな見た目をしているんですか?」
「見た目、見た目ねぇ~~、そもそも幻の石だ見たことある奴なんかオレは訊いたこともねぇ」
「長年、マスターがここで店を構えていてもか?」
「そうだな、噂では宝石のように綺麗で輝きのある石って聞いたことがある」
「それはどう珍しいんですか?」
「何でもその精霊石には精霊が宿っていたり、宿りやすい特性があるって聞いたな」
「精霊が?」
「坊主は精霊のことは知っているのか?」
「少しだけなら、何か普通の人間にはない特殊な能力を持った生命体だと伺っています」
「そうじゃないな……精霊ってのは人智を超えた生命体のことだ」
マスターがハズレにワインを出しながら問いについて教えてくれる。
「つまり姿形からして特別な存在って訳さ」
言い終えるハズレはワインを一飲みする。
(特別な存在)
(じゃあスワンは――)
ロードはスワンに睨まれた。まるで話をこっちに振らないでほしいと言いたげなように、
(分かったよ)
「――それでその精霊石なんですが石自体には何か特殊な力はあったりするんですか?」
「あるモノもあれば、ないモノもあるらしい。オレも噂でしか聞いたことないから良くは知らん」
「では精霊石にはどんな使い道があるのですか?」
「そうだな。力があるモノだと、鍛冶職人に剣として鍛えてもらったり、盾や鎧の材料にも使われたりして、戦闘面で不思議な力を発するらしい」
「不思議な力か、例えばどんな力が……?」
「それはお前、見たことも聞いたこともないんだからオレは知るわけねぇさぁ」
「精霊石ね~~オレもその存在は見聞きしたことないなぁ~~」
ハズレがもう一杯と言わん限りにワイングラスをマスターに差し出した。
「力がないモノもあるって聞きましたが……」
「まぁ単純に言えばハズレをひかされたってところだな」
マスターがそう言うのでハズレの方を見てみる。
「――オレのことじゃない」
即否定されてしまった。
(精霊石の剣か……)
(それさえあれば、魔物との戦いを有利に運ぶことが出来るかもしれない)
(今度その辺をスワンに訊いてみよっと……)
「それで……? 噂になってるくらいなんだから何か当てはあるんでしょ……?」
「さすが、ハズレ鋭いな」
「何かわかったのか? ハズレ……?」
「いや、マスターの耳に入ってくるくらいなんだから、何かしらの情報源があるのかなぁ~~って聞いてみた」
ハズレはその手でチーズを掴み取り、少しづつ千切ってモグモグと咀嚼していく。
「情報源はとある魔物狩りのパーティー連中だ」
「魔物狩りの……?」
「ああ、何でもそいつらが言うには、金閣寺って言う鍛冶の職人連中が精霊石の情報を取得したって聞いたなぁ」
「――金閣寺だって!?」
ハズレが席を立ちながら驚いていた。
「興奮するな、座ってろ……」
「ああ、済まない。知っている鍛冶屋だったモノでつい……」
「その情報は何時頃、手に入れた物なんですか?」
「もう、3日前になるなぁ」
「3日前かぁ……これは無理だ」
「何が無理なんだ?」
「魔物狩りの新人くんみたいだから、優しく教えてあげよう」
ハズレはまたワインを口にする。
「いいか? 精霊石の情報源は鍛冶職人だ。これはわかるな?」
「鍛冶職人の人たちが見つけたってことだろ……?」
「そう、問題は見つけたのが鍛冶職人ということだ」
「どういうことだ?」
「もし、鍛冶職人たちが精霊石を見つけ出して持ち帰って来たとしたらどうなる?」
「それはもちろん。武器や防具の材料として使われるだろうな」
「そうだ、そうやってできた武器や防具を鍛冶職人はどうする?」
「それは当然売りに出すだろう」
「そう、そこだよ! もう売りに出してる頃合いさ」
「と言うことは、もう精霊石の武器や防具は売れてしまったって言いたいのか?」
「そう言うこと……」
ワインをすするハズレであった。
「いや、ハズレそうとは決まったわけではないぞ……あくまで噂として、金閣寺が情報を隠してるって言う線もある」
マスターがハズレのワイングラスに赤ワインを注いでいく。
「まぁ、精霊石の武器や防具なんて出てきたら、相場でいくらするかわかったもんじゃないしな……売れ残っている線もあるって訳か」
「まぁ、そう言う線もあるだろうな」
「ロード……」
その時、食事中のスワンが口を開いた。
「明日にでも、その金閣寺って店に行ってみよう」
「いいけど……」
ロードも食事に手をつけていく。
「マスターもう一品仕上がりました!」
「おうよ!」
マスターが奥からとてもジューシーな料理を運んで来る。
「マスターもう何か情報はないんですか? また根の葉もないうわさ話とか……?」
ロードが食事を楽しみづつ訊いていた。
「あるぜ、とびっきりのニュースがな――――」
誰もが食事を楽しみづつ訊いていた。
「――――何でも、魔王とか言うヤツにオーイワって国が一夜にして落とされたらしい」
その時、ロード、スワン、ハズレの食事が止まった。
ハズレが真剣な面持ちで話に加わって来た。
「幻の精霊石があるって話だ。あくまで噂だけどな……」
酒場のマスターがそう口にする。
「幻の精霊石……スワンそれって」
ロードが食い入るような眼でスワンを見る。
「ロードわたしのことは黙っておいて……」
(そう言えば、スワンはオレの時も自分の素性を隠してたな)
(何か訳アリってことか。それならスワンを精霊の術が使える人間とは言ってはいけないなぁ)
(スワンのこの表情を見る限り会話に参加する気はなしか)
(それじゃあオレの方からその精霊石の情報を絞り取れるくらい絞り出してやる)
ロードは目の前に出された料理に手をつけながらマスターに訊いてみることにした。
「マスターさん、その精霊石ってどんな見た目をしているんですか?」
「見た目、見た目ねぇ~~、そもそも幻の石だ見たことある奴なんかオレは訊いたこともねぇ」
「長年、マスターがここで店を構えていてもか?」
「そうだな、噂では宝石のように綺麗で輝きのある石って聞いたことがある」
「それはどう珍しいんですか?」
「何でもその精霊石には精霊が宿っていたり、宿りやすい特性があるって聞いたな」
「精霊が?」
「坊主は精霊のことは知っているのか?」
「少しだけなら、何か普通の人間にはない特殊な能力を持った生命体だと伺っています」
「そうじゃないな……精霊ってのは人智を超えた生命体のことだ」
マスターがハズレにワインを出しながら問いについて教えてくれる。
「つまり姿形からして特別な存在って訳さ」
言い終えるハズレはワインを一飲みする。
(特別な存在)
(じゃあスワンは――)
ロードはスワンに睨まれた。まるで話をこっちに振らないでほしいと言いたげなように、
(分かったよ)
「――それでその精霊石なんですが石自体には何か特殊な力はあったりするんですか?」
「あるモノもあれば、ないモノもあるらしい。オレも噂でしか聞いたことないから良くは知らん」
「では精霊石にはどんな使い道があるのですか?」
「そうだな。力があるモノだと、鍛冶職人に剣として鍛えてもらったり、盾や鎧の材料にも使われたりして、戦闘面で不思議な力を発するらしい」
「不思議な力か、例えばどんな力が……?」
「それはお前、見たことも聞いたこともないんだからオレは知るわけねぇさぁ」
「精霊石ね~~オレもその存在は見聞きしたことないなぁ~~」
ハズレがもう一杯と言わん限りにワイングラスをマスターに差し出した。
「力がないモノもあるって聞きましたが……」
「まぁ単純に言えばハズレをひかされたってところだな」
マスターがそう言うのでハズレの方を見てみる。
「――オレのことじゃない」
即否定されてしまった。
(精霊石の剣か……)
(それさえあれば、魔物との戦いを有利に運ぶことが出来るかもしれない)
(今度その辺をスワンに訊いてみよっと……)
「それで……? 噂になってるくらいなんだから何か当てはあるんでしょ……?」
「さすが、ハズレ鋭いな」
「何かわかったのか? ハズレ……?」
「いや、マスターの耳に入ってくるくらいなんだから、何かしらの情報源があるのかなぁ~~って聞いてみた」
ハズレはその手でチーズを掴み取り、少しづつ千切ってモグモグと咀嚼していく。
「情報源はとある魔物狩りのパーティー連中だ」
「魔物狩りの……?」
「ああ、何でもそいつらが言うには、金閣寺って言う鍛冶の職人連中が精霊石の情報を取得したって聞いたなぁ」
「――金閣寺だって!?」
ハズレが席を立ちながら驚いていた。
「興奮するな、座ってろ……」
「ああ、済まない。知っている鍛冶屋だったモノでつい……」
「その情報は何時頃、手に入れた物なんですか?」
「もう、3日前になるなぁ」
「3日前かぁ……これは無理だ」
「何が無理なんだ?」
「魔物狩りの新人くんみたいだから、優しく教えてあげよう」
ハズレはまたワインを口にする。
「いいか? 精霊石の情報源は鍛冶職人だ。これはわかるな?」
「鍛冶職人の人たちが見つけたってことだろ……?」
「そう、問題は見つけたのが鍛冶職人ということだ」
「どういうことだ?」
「もし、鍛冶職人たちが精霊石を見つけ出して持ち帰って来たとしたらどうなる?」
「それはもちろん。武器や防具の材料として使われるだろうな」
「そうだ、そうやってできた武器や防具を鍛冶職人はどうする?」
「それは当然売りに出すだろう」
「そう、そこだよ! もう売りに出してる頃合いさ」
「と言うことは、もう精霊石の武器や防具は売れてしまったって言いたいのか?」
「そう言うこと……」
ワインをすするハズレであった。
「いや、ハズレそうとは決まったわけではないぞ……あくまで噂として、金閣寺が情報を隠してるって言う線もある」
マスターがハズレのワイングラスに赤ワインを注いでいく。
「まぁ、精霊石の武器や防具なんて出てきたら、相場でいくらするかわかったもんじゃないしな……売れ残っている線もあるって訳か」
「まぁ、そう言う線もあるだろうな」
「ロード……」
その時、食事中のスワンが口を開いた。
「明日にでも、その金閣寺って店に行ってみよう」
「いいけど……」
ロードも食事に手をつけていく。
「マスターもう一品仕上がりました!」
「おうよ!」
マスターが奥からとてもジューシーな料理を運んで来る。
「マスターもう何か情報はないんですか? また根の葉もないうわさ話とか……?」
ロードが食事を楽しみづつ訊いていた。
「あるぜ、とびっきりのニュースがな――――」
誰もが食事を楽しみづつ訊いていた。
「――――何でも、魔王とか言うヤツにオーイワって国が一夜にして落とされたらしい」
その時、ロード、スワン、ハズレの食事が止まった。
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