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第三章 素晴らしき飲料店で働き始めます
第144話 オレが最強になればそれで世界平和
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「ケヒヒヒ、お前二刀流使いだったのか……?」
「それがどうした、お前はオレが倒す!」
「無理だぜ、お前はゴールデンアップルの凄さを分かっちゃいないんだよ!」
「ロード気を付けて!」
スワンが警告する。
「ああ」
静かな目線で魔王を見つめていた。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!! 秘宝玉よ!! 新たな力をこのおれっちに!!」
その時、魔王フォッテイルの尻尾が9本飛び出してきた。それは今まで見た8種類のどれとも違う尻尾だった。その尻尾は、見た目だけ言うなればキツネの尻尾。
「キツネの尻尾、それがお前の新しい力か……」
「そうだぜ、今見せてやるよこの力の恐ろしさを……うおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
その尻尾のリーチはそれぞれ10メートル、ふさふさの毛並みのいいキツネの尻尾。それが一瞬にして別のものへと変化した。それは全て竜殺しの剣となった。
「竜封じの剣!?」
ロードが驚きのまなこで見ていた。
「竜封じの剣? バカ言っちゃあいけねよ! こいつは竜殺しの剣! お前の持つ剣と全く同じ効果を発揮する代物だぜ、ケヒヒヒ」
(まずい、アレが本当に竜殺しの剣と同じ効果を持ったモノならアカの入っている竜封じの剣はどうなる? アカがいるから破壊されてしまうのか?)
「ケヒヒヒ、なぁ似ているだろう? このキュウビテイルは、化かしの尻尾。おれっちが見た武器などをコピーする効果がある。偽物ではあるが本物の竜殺しの剣とみていいぜ! ケヒヒヒ」
(見たモノのコピーか、それならあの剣は竜封じの剣、何も心配せずに攻撃できる)
(いや待て、もし見たモノのコピーが出来るならアカもコピーされたことにならないか?)
(この辺りがどうもわからない、不信を持ってアイツに聞けばまたモンキーテイルとかを出されて心が読まれるかもしれない)
「ちっ、やっぱし出せる尻尾は9本が限界か、まぁいいぜ、ケヒヒヒ、行け! キュウビテイル」
(考えている場合じゃない全部さばききらないと!)
キンキンキンキンキンキンキンキンキンとロードは、金属音が掠れる音を聞きながらすべての剣を、両腕で持った剣でいなし、捌ききっていた。
(アカの封印された竜封じの剣はないか)
(しかし正直言ってこの数をさばききるのはキツイ)
「ロードあなたも秘宝玉の力を使ったら!」
唐突にスワンが発言してきた。
「何だって!?」
「だ・か・ら! あなたも秘宝玉の力を使ったら!」
「どうやって使えばいい!?」
「その光の剣は秘宝玉による剣なんでしょ! だったらもっと大きな剣に変えればいいじゃない」
「簡単に言うな! できるモノならとっくにやっている」
「出来る! 自分を信じて! 会ったばかりでよく知らないけど、あなたが真っ直ぐ道を進んできたことだけならわかる! その力が道の秘宝玉の力ならもっと別の使い方もできるはず! だからもっと今まで進んできた道を信じて!」
(オレの信じて来た道……)
両手の剣でいなすことを辞め、一歩後ろへ下がるとキュウビテイルは全て地面に突き刺さった。その瞬間を狙って尻尾の郡の上を走り去っていくロード、しかし、
「キュウビテイル変化! しなるような鞭!」
竜封じの剣の郡が長い鞭へと変わり地面から抜き出された。しかもロードは足場を失ったことで下に落ちていく。
(信じる道、それは最魔の元凶を何とかする道)
ロードは両手の剣を振りまわし、全ての鞭を細切れにしていく。そして無事着地した。
(最魔の元凶を何とかする。どうやって)
「まだまだこんなものじゃないぜ! キュウビテイル変化! 竜殺しの剣!」
ロードはまたも伸びるキツネの尻尾を見て、後ろへ下がるのではなく前へ出た。それに合わせて魔王は後ろに下がっていく。
(どうやってか、愚問だな)
「さぁ、公開処刑と洒落こもうか! この距離ならお前の剣の射程外だし安心して攻撃が出来るぜ、ケヒヒヒ」
ロードは全方向を竜封じの剣に囲まれた。ほとんど避けられるような間合いではなかった。
(オレが最強になればそれで世界平和だ)
「さぁ死にな……えっとお前名前なんつたっけ」
「勇者ロードだ!」
光の剣が神々しく輝いた。そして刀身をどんどん伸ばしていく。更にその伸びゆく光の剣は全ての竜封じの剣を一振りするだけではじき返した。
「な、なんだ!? その巨大な剣は!」
15メートル程もあるその剣は魔王フォテイルの間合いに入っていた。
「魔王フォテイルを斬る。最初の一撃だ!」
ズバンと魔王フォテイルを容赦なく両断した。
「ケ、ケヒャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
凄まじい断末魔と共に魔王フォッテイルの身体は霧散した。
「はぁ、はぁ、はぁ」
倒れそうなくらい力を使ったせいか、ロードはフラフラだった。
「今度こそやったじゃんロード」
肩を貸しに来たスワンが言った。
「ああ、皆を守り抜けて良かったよ」
「すっばらしぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!! 見事なデモンストレーションでした! さぁ皆さん拍手や喝采を上げて上げて!!」
『『『おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!』』』
「庇ってくれてありがとうロード」
とてもいい笑顔をスワンから向けられた。
「そうか、勝ったんだなぁオレたちは……」
ロードの方は疲れ切った表情でも一息ついた顔をしていた。
魔王フォッテイルはいなくなりフルーツの生る異世界は無事、犠牲も払わず平穏を取り戻したのだった。
「それがどうした、お前はオレが倒す!」
「無理だぜ、お前はゴールデンアップルの凄さを分かっちゃいないんだよ!」
「ロード気を付けて!」
スワンが警告する。
「ああ」
静かな目線で魔王を見つめていた。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!! 秘宝玉よ!! 新たな力をこのおれっちに!!」
その時、魔王フォッテイルの尻尾が9本飛び出してきた。それは今まで見た8種類のどれとも違う尻尾だった。その尻尾は、見た目だけ言うなればキツネの尻尾。
「キツネの尻尾、それがお前の新しい力か……」
「そうだぜ、今見せてやるよこの力の恐ろしさを……うおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
その尻尾のリーチはそれぞれ10メートル、ふさふさの毛並みのいいキツネの尻尾。それが一瞬にして別のものへと変化した。それは全て竜殺しの剣となった。
「竜封じの剣!?」
ロードが驚きのまなこで見ていた。
「竜封じの剣? バカ言っちゃあいけねよ! こいつは竜殺しの剣! お前の持つ剣と全く同じ効果を発揮する代物だぜ、ケヒヒヒ」
(まずい、アレが本当に竜殺しの剣と同じ効果を持ったモノならアカの入っている竜封じの剣はどうなる? アカがいるから破壊されてしまうのか?)
「ケヒヒヒ、なぁ似ているだろう? このキュウビテイルは、化かしの尻尾。おれっちが見た武器などをコピーする効果がある。偽物ではあるが本物の竜殺しの剣とみていいぜ! ケヒヒヒ」
(見たモノのコピーか、それならあの剣は竜封じの剣、何も心配せずに攻撃できる)
(いや待て、もし見たモノのコピーが出来るならアカもコピーされたことにならないか?)
(この辺りがどうもわからない、不信を持ってアイツに聞けばまたモンキーテイルとかを出されて心が読まれるかもしれない)
「ちっ、やっぱし出せる尻尾は9本が限界か、まぁいいぜ、ケヒヒヒ、行け! キュウビテイル」
(考えている場合じゃない全部さばききらないと!)
キンキンキンキンキンキンキンキンキンとロードは、金属音が掠れる音を聞きながらすべての剣を、両腕で持った剣でいなし、捌ききっていた。
(アカの封印された竜封じの剣はないか)
(しかし正直言ってこの数をさばききるのはキツイ)
「ロードあなたも秘宝玉の力を使ったら!」
唐突にスワンが発言してきた。
「何だって!?」
「だ・か・ら! あなたも秘宝玉の力を使ったら!」
「どうやって使えばいい!?」
「その光の剣は秘宝玉による剣なんでしょ! だったらもっと大きな剣に変えればいいじゃない」
「簡単に言うな! できるモノならとっくにやっている」
「出来る! 自分を信じて! 会ったばかりでよく知らないけど、あなたが真っ直ぐ道を進んできたことだけならわかる! その力が道の秘宝玉の力ならもっと別の使い方もできるはず! だからもっと今まで進んできた道を信じて!」
(オレの信じて来た道……)
両手の剣でいなすことを辞め、一歩後ろへ下がるとキュウビテイルは全て地面に突き刺さった。その瞬間を狙って尻尾の郡の上を走り去っていくロード、しかし、
「キュウビテイル変化! しなるような鞭!」
竜封じの剣の郡が長い鞭へと変わり地面から抜き出された。しかもロードは足場を失ったことで下に落ちていく。
(信じる道、それは最魔の元凶を何とかする道)
ロードは両手の剣を振りまわし、全ての鞭を細切れにしていく。そして無事着地した。
(最魔の元凶を何とかする。どうやって)
「まだまだこんなものじゃないぜ! キュウビテイル変化! 竜殺しの剣!」
ロードはまたも伸びるキツネの尻尾を見て、後ろへ下がるのではなく前へ出た。それに合わせて魔王は後ろに下がっていく。
(どうやってか、愚問だな)
「さぁ、公開処刑と洒落こもうか! この距離ならお前の剣の射程外だし安心して攻撃が出来るぜ、ケヒヒヒ」
ロードは全方向を竜封じの剣に囲まれた。ほとんど避けられるような間合いではなかった。
(オレが最強になればそれで世界平和だ)
「さぁ死にな……えっとお前名前なんつたっけ」
「勇者ロードだ!」
光の剣が神々しく輝いた。そして刀身をどんどん伸ばしていく。更にその伸びゆく光の剣は全ての竜封じの剣を一振りするだけではじき返した。
「な、なんだ!? その巨大な剣は!」
15メートル程もあるその剣は魔王フォテイルの間合いに入っていた。
「魔王フォテイルを斬る。最初の一撃だ!」
ズバンと魔王フォテイルを容赦なく両断した。
「ケ、ケヒャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
凄まじい断末魔と共に魔王フォッテイルの身体は霧散した。
「はぁ、はぁ、はぁ」
倒れそうなくらい力を使ったせいか、ロードはフラフラだった。
「今度こそやったじゃんロード」
肩を貸しに来たスワンが言った。
「ああ、皆を守り抜けて良かったよ」
「すっばらしぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!! 見事なデモンストレーションでした! さぁ皆さん拍手や喝采を上げて上げて!!」
『『『おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!』』』
「庇ってくれてありがとうロード」
とてもいい笑顔をスワンから向けられた。
「そうか、勝ったんだなぁオレたちは……」
ロードの方は疲れ切った表情でも一息ついた顔をしていた。
魔王フォッテイルはいなくなりフルーツの生る異世界は無事、犠牲も払わず平穏を取り戻したのだった。
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