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第二章 異なる世界からやって来た最強の魔王
第87話 悪竜討伐
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「――熱いだろうが我慢しろ!!」
(熱っ!!)
アカの身体に熱が宿っていく、それは炎を吐く前の準備だ。
爆発寸前の炎の塊を口に大きく溜め込んでいく。
そして、最後の力を振り絞り、加速してクロドラに追いついた。
だが、クロドラは上に逸れてしまい、通り過ぎてしまう。
「ゴオオアアアアアア!!」
だが、アカは準備していた口の炎を爆発でもさせるかのよう吐き出した。
その爆発の勢いはアカの身体を、単純に移動するよりも速く、クロドラのいる後方へと進ませていく。
そしてロードはアカの背中で、近づいていくクロドラに向けて竜殺しの剣を構えている。
しかし、察知したクロドラに横にずれられて回避されてしまう。
「――右だ!!」
ロードは後ろを向いていたアカと同じ方向を向いて言う。
声が聞こえた後ろ向きに飛ぶアカは、すかさず右に回って尻尾を思いっきり振る。
バシン!! と横に逸れたクロドラは尻尾の一撃で態勢を崩した。
『ザオオオオッ!!』
「――やれ!!」
アカの頭の上から竜殺しの剣を素早く真っ直ぐ投げ放った。
剣は寸分も狂わない軌道でクロドラの背中から内部へ通っていった。
「――通った!!」
『ザオオォッオオッオオォォオオオオ!!』
クロドラが竜殺しの剣を受けて崩れ落ちていく。
さらに、中から魔王アグロ―ニが出てきて、飛び降りようとしていた。
「お前もここまでだ!!」
魔王に向けて炎弾を放った。
『グッグヤアアアアアアアアアアア!!』
魔王が燃えていく。
丁度、ストンヒュー宮殿の上空いたので、消え損ねているクロドラが真下に落ちていく。
燃やされる魔王も落ちていくが、アカが掴み取って炎を払った。
魔王は気絶したように動かない。
そして、宮殿に落ちたクロドラは消え続けている。
「……終わったぞ」
「た、倒したのか……」
「ああ」
「オレたち勝ったのか……」
「ああ」
「は、ははは……やった……全部やっと取り戻した」
つい力が抜けて、その場にへたり込んでしまった。
「そうだ! クロヅノは!?」
空から大通りの方を見るとまだ戦っているようだった。
「心配ない。じきに消えるだろう」
「なら、皆に魔王とクロドラを倒したことを伝えよう」
「わかった」
アカが下へと降りていく。
「……そいつはどうする?」
捕まった魔王を見て聞いてみた。
「……ここでとどめを刺すのはやめておこう。この世界を命が潰える場所にはしたくないと、お前は言っていた。我も同じだ。ここにそのようなことが起こらないことを願ってこいつは世渡りの力で世界の狭間に放り捨てこよう」
「そうか」
魔王といえ命は命、あまりしたい話ではない。
「……これがお前たちの世界の強さか」
アカは大通りで未だ戦う衛兵たちを見て言っていた。
「……なぁ、別の世界にはこれと似たことが起きているんだろ?」
「その通りだ。すべてがここの様に救われるという訳ではないが……」
(救われない世界か……)
(それなら仕方がないな~~)
「じゃあさ…………オレがやるよ」
「――!?」
「オレが世界を回ってそんな悲しいことが起きる時代を終わらせる。オレが行きたいのは皆が幸せに暮らす世界だから。連れて行ってくれよ。無限大に広がる世界に……」
「……ふっ、いいだろう」
「ありがとう。よろしくな。アカ」
そう、二人で笑い合っていた時だった。
「――――ガッ!?」
アカは突然、目を見開いて止まってしまった。
「――ア、アカ!? どうし――!?」
異変を起こしたアカの全身を見ていると、ある物が目に入った。
信じられないことに背中に赤い剣が突き刺さっていた。
(熱っ!!)
アカの身体に熱が宿っていく、それは炎を吐く前の準備だ。
爆発寸前の炎の塊を口に大きく溜め込んでいく。
そして、最後の力を振り絞り、加速してクロドラに追いついた。
だが、クロドラは上に逸れてしまい、通り過ぎてしまう。
「ゴオオアアアアアア!!」
だが、アカは準備していた口の炎を爆発でもさせるかのよう吐き出した。
その爆発の勢いはアカの身体を、単純に移動するよりも速く、クロドラのいる後方へと進ませていく。
そしてロードはアカの背中で、近づいていくクロドラに向けて竜殺しの剣を構えている。
しかし、察知したクロドラに横にずれられて回避されてしまう。
「――右だ!!」
ロードは後ろを向いていたアカと同じ方向を向いて言う。
声が聞こえた後ろ向きに飛ぶアカは、すかさず右に回って尻尾を思いっきり振る。
バシン!! と横に逸れたクロドラは尻尾の一撃で態勢を崩した。
『ザオオオオッ!!』
「――やれ!!」
アカの頭の上から竜殺しの剣を素早く真っ直ぐ投げ放った。
剣は寸分も狂わない軌道でクロドラの背中から内部へ通っていった。
「――通った!!」
『ザオオォッオオッオオォォオオオオ!!』
クロドラが竜殺しの剣を受けて崩れ落ちていく。
さらに、中から魔王アグロ―ニが出てきて、飛び降りようとしていた。
「お前もここまでだ!!」
魔王に向けて炎弾を放った。
『グッグヤアアアアアアアアアアア!!』
魔王が燃えていく。
丁度、ストンヒュー宮殿の上空いたので、消え損ねているクロドラが真下に落ちていく。
燃やされる魔王も落ちていくが、アカが掴み取って炎を払った。
魔王は気絶したように動かない。
そして、宮殿に落ちたクロドラは消え続けている。
「……終わったぞ」
「た、倒したのか……」
「ああ」
「オレたち勝ったのか……」
「ああ」
「は、ははは……やった……全部やっと取り戻した」
つい力が抜けて、その場にへたり込んでしまった。
「そうだ! クロヅノは!?」
空から大通りの方を見るとまだ戦っているようだった。
「心配ない。じきに消えるだろう」
「なら、皆に魔王とクロドラを倒したことを伝えよう」
「わかった」
アカが下へと降りていく。
「……そいつはどうする?」
捕まった魔王を見て聞いてみた。
「……ここでとどめを刺すのはやめておこう。この世界を命が潰える場所にはしたくないと、お前は言っていた。我も同じだ。ここにそのようなことが起こらないことを願ってこいつは世渡りの力で世界の狭間に放り捨てこよう」
「そうか」
魔王といえ命は命、あまりしたい話ではない。
「……これがお前たちの世界の強さか」
アカは大通りで未だ戦う衛兵たちを見て言っていた。
「……なぁ、別の世界にはこれと似たことが起きているんだろ?」
「その通りだ。すべてがここの様に救われるという訳ではないが……」
(救われない世界か……)
(それなら仕方がないな~~)
「じゃあさ…………オレがやるよ」
「――!?」
「オレが世界を回ってそんな悲しいことが起きる時代を終わらせる。オレが行きたいのは皆が幸せに暮らす世界だから。連れて行ってくれよ。無限大に広がる世界に……」
「……ふっ、いいだろう」
「ありがとう。よろしくな。アカ」
そう、二人で笑い合っていた時だった。
「――――ガッ!?」
アカは突然、目を見開いて止まってしまった。
「――ア、アカ!? どうし――!?」
異変を起こしたアカの全身を見ていると、ある物が目に入った。
信じられないことに背中に赤い剣が突き刺さっていた。
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