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第一章 冒険の日々に憧れる青年の生活
第48話 竜殺しの剣の能力
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レオリカン王国。
谷は崩れ、街は瓦礫に飲まれ、
各地から土煙が昇り、家の残骸から火の手も上がっている。
王国の外周を炎が囲み、辺りの気温を上げている。
◆ ◆ ◆ ◆
竜殺しの剣を左手に持っている。
熱を上げていく大地に堂々と汗を垂らしながら立つ。
目の前にこの惨状の原因となった悪しき竜がいる。
竜の腹部には真っ黒い剣のようなものが突き刺さっている。
(行くか)
ダッ! と地面を蹴り、竜に向かって走り出す。
お腹に刺さった真っ黒い剣を引き抜くために近づいていく。
竜の方に動きがあった、顔を引き上げ口に火を溜めている。
『ゴアアアアアアア!!』
口に溜め込まんだ炎を一気に吐き出してきた。
ロードを消し炭にするための炎の波が迫ってくる。
けど、手にしていた竜殺しの剣を一振りすると炎は掻き消すことが出来た。
熱も感じなくなった散りゆく炎の中を駆け抜ける。
「っ!」
その時、竜の翼が真横から振られた。
とっさに地面に伏せて翼を回避した。
「っ!」
けれど、竜は身体を反転するようにして今度は尻尾を振ってきた。
強烈な打撃を生み出す尻尾を何とかその場で跳び上がって回避した。
「っ!」
しかし、身体を反転させた竜が振り向きざまに翼を薙ぐ。
一瞬、腕で身体を守ろうとしたが竜殺しの剣が目に留まり、
(これに触れさせちゃダメだ!)
バシン!! と竜の翼が身体を叩きつけてきた。
「うっぐう!!」
なんとか空中で態勢を立て直してタン! と地面に着地することができた。
「グオオ!!」
竜の爪が谷を裂き崩し、瓦礫の雨を降らせてくる。
(よ、避けるしかない!)
「――痛っ!!」
大きな瓦礫を避ける中で、小石ほどの瓦礫をいくつか身体に受けてしまった。
顔に擦り傷が出来てしまうが、なんとか大きなものだけは回避した。
「グウウウウウウ」
瓦礫の影に身を隠すと竜はこちらの姿を見失った。
(何とかして、近づかないと……)
手元に落ちていた石を拾い上げ竜の後ろの方に狙って投げる。
カラン!! と石が音を鳴らして落ちる。
『グオオオオオ!』
竜が音のした方に口に溜めた炎を吐いた。
(今だ!)
この隙に竜の元に向かう。
炎を吐き終えた竜はこちらに気づき、長い尻尾で上から叩きつけにくる。
「うっ!!」
驚いたが横に避けることが出来た。
瓦礫に乗りあがって、飛び移って、飛んで、竜を目指す。
竜まであと一歩にあった瓦礫を蹴って、思いっきり右手を伸ばす。
右手を伸ばす先にあるものは竜の腹部に刺さった真っ黒い剣。
(――届く!)
指先がその柄に触れる――寸前のところ。
「グオオオオ!!」
バサッ! と翼を広げた竜が空へ飛んだ。
真っ黒い剣には手は届かない。
「くっ!! 空は困る!!」
そこで諦めはしなかった。
そのまま空しくても手を伸ばし続けると、空を行く竜の長い尻尾にしがみつけた。
そのまま空を飛んでいくことになった。
「うううううううわあああああああああああああ!!」
大空から見る景色は片手一本で竜の尻尾にしがみつくと絶叫しか生みださない。
「ぐうううう!!」
それでも竜殺しの剣を口に咥え、両手を使って鱗に手を掛けよじ登っていくしかない。
(落ちたら終わり!)
落下への恐怖が身体に冷や汗を流し、置かれた状況の深刻さに焦りを覚える。
(き、気づかれたか!)
竜は尻尾をよじ登る存在がいると気づくと滅茶苦茶に飛び回り始めた。
尻尾を大きく揺さぶり振り払おうとしてくる。
「くっ!! ぐぅぅぅうっ!! づううううう!!」
なんとかしがみつき耐えるているが進みが悪くなる。
鱗に掛けていた手が滑り尻尾から落ちそうになるたびもう片方の手に助けられる。
何度も、何度も、このような状況が続いて命を落としかける。
「青年もう少し耐えるキー」「行くキー皆!」
「「「キ――」」」
(――!?)
竜の周りをタカの衛兵たちが飛び回る。その足には太い縄を掴まれていた。
タカたちが竜の周りでぐるぐる飛び回ることで太い縄を巻き付けていく。
竜の立派な角に、太い首に、大きな翼に、真っ黒な身体に、強靭な手足に、長い尻尾に太い縄を巻き付けていく。
「グウウオオオオオオオ」
竜を縛りあげた。
「完了いたしましたキー」
「よし! 皆縄を引けーー!」
号令と同時に一斉に太い縄を引き始めた。
タカたちだけではない。
下にいたカバ、ゴリラ、アルマジロ、トラ、バッファローなどの兵士たちも引いていた。
縄に巻き付かれた竜は動きを鈍らせつつもなんとか空を飛んでいる。
(この隙に何とかしないと)
谷は崩れ、街は瓦礫に飲まれ、
各地から土煙が昇り、家の残骸から火の手も上がっている。
王国の外周を炎が囲み、辺りの気温を上げている。
◆ ◆ ◆ ◆
竜殺しの剣を左手に持っている。
熱を上げていく大地に堂々と汗を垂らしながら立つ。
目の前にこの惨状の原因となった悪しき竜がいる。
竜の腹部には真っ黒い剣のようなものが突き刺さっている。
(行くか)
ダッ! と地面を蹴り、竜に向かって走り出す。
お腹に刺さった真っ黒い剣を引き抜くために近づいていく。
竜の方に動きがあった、顔を引き上げ口に火を溜めている。
『ゴアアアアアアア!!』
口に溜め込まんだ炎を一気に吐き出してきた。
ロードを消し炭にするための炎の波が迫ってくる。
けど、手にしていた竜殺しの剣を一振りすると炎は掻き消すことが出来た。
熱も感じなくなった散りゆく炎の中を駆け抜ける。
「っ!」
その時、竜の翼が真横から振られた。
とっさに地面に伏せて翼を回避した。
「っ!」
けれど、竜は身体を反転するようにして今度は尻尾を振ってきた。
強烈な打撃を生み出す尻尾を何とかその場で跳び上がって回避した。
「っ!」
しかし、身体を反転させた竜が振り向きざまに翼を薙ぐ。
一瞬、腕で身体を守ろうとしたが竜殺しの剣が目に留まり、
(これに触れさせちゃダメだ!)
バシン!! と竜の翼が身体を叩きつけてきた。
「うっぐう!!」
なんとか空中で態勢を立て直してタン! と地面に着地することができた。
「グオオ!!」
竜の爪が谷を裂き崩し、瓦礫の雨を降らせてくる。
(よ、避けるしかない!)
「――痛っ!!」
大きな瓦礫を避ける中で、小石ほどの瓦礫をいくつか身体に受けてしまった。
顔に擦り傷が出来てしまうが、なんとか大きなものだけは回避した。
「グウウウウウウ」
瓦礫の影に身を隠すと竜はこちらの姿を見失った。
(何とかして、近づかないと……)
手元に落ちていた石を拾い上げ竜の後ろの方に狙って投げる。
カラン!! と石が音を鳴らして落ちる。
『グオオオオオ!』
竜が音のした方に口に溜めた炎を吐いた。
(今だ!)
この隙に竜の元に向かう。
炎を吐き終えた竜はこちらに気づき、長い尻尾で上から叩きつけにくる。
「うっ!!」
驚いたが横に避けることが出来た。
瓦礫に乗りあがって、飛び移って、飛んで、竜を目指す。
竜まであと一歩にあった瓦礫を蹴って、思いっきり右手を伸ばす。
右手を伸ばす先にあるものは竜の腹部に刺さった真っ黒い剣。
(――届く!)
指先がその柄に触れる――寸前のところ。
「グオオオオ!!」
バサッ! と翼を広げた竜が空へ飛んだ。
真っ黒い剣には手は届かない。
「くっ!! 空は困る!!」
そこで諦めはしなかった。
そのまま空しくても手を伸ばし続けると、空を行く竜の長い尻尾にしがみつけた。
そのまま空を飛んでいくことになった。
「うううううううわあああああああああああああ!!」
大空から見る景色は片手一本で竜の尻尾にしがみつくと絶叫しか生みださない。
「ぐうううう!!」
それでも竜殺しの剣を口に咥え、両手を使って鱗に手を掛けよじ登っていくしかない。
(落ちたら終わり!)
落下への恐怖が身体に冷や汗を流し、置かれた状況の深刻さに焦りを覚える。
(き、気づかれたか!)
竜は尻尾をよじ登る存在がいると気づくと滅茶苦茶に飛び回り始めた。
尻尾を大きく揺さぶり振り払おうとしてくる。
「くっ!! ぐぅぅぅうっ!! づううううう!!」
なんとかしがみつき耐えるているが進みが悪くなる。
鱗に掛けていた手が滑り尻尾から落ちそうになるたびもう片方の手に助けられる。
何度も、何度も、このような状況が続いて命を落としかける。
「青年もう少し耐えるキー」「行くキー皆!」
「「「キ――」」」
(――!?)
竜の周りをタカの衛兵たちが飛び回る。その足には太い縄を掴まれていた。
タカたちが竜の周りでぐるぐる飛び回ることで太い縄を巻き付けていく。
竜の立派な角に、太い首に、大きな翼に、真っ黒な身体に、強靭な手足に、長い尻尾に太い縄を巻き付けていく。
「グウウオオオオオオオ」
竜を縛りあげた。
「完了いたしましたキー」
「よし! 皆縄を引けーー!」
号令と同時に一斉に太い縄を引き始めた。
タカたちだけではない。
下にいたカバ、ゴリラ、アルマジロ、トラ、バッファローなどの兵士たちも引いていた。
縄に巻き付かれた竜は動きを鈍らせつつもなんとか空を飛んでいる。
(この隙に何とかしないと)
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