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第一章 冒険の日々に憧れる青年の生活

第26話 別件の為、代役を用意する

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「ロード先輩! ご飯の支給終わったよ~~って、、、なんでオオカミさん居るの~~?」
 
「よう」
 
 ルロウの上にはネズミたちが乗っている。
 
「ダラネーさん大変な話があります。実は――」
 
「待って、言わないで……」
 
「な、なんだチュウ?」
 
「嫌だ~~大変な話なんて~~聞きたくな~~いっ」
 
「この前、そっちはしてたチー」
 
「え~~~~聞かなきゃダメ~~?」
 
「ロード早く言ってやるチャア」
 
「えっっ待って待って! それってわたしが嬉しくなる話?」
 
「知らない、オレとダラネーさんの関係が今とは全く別のものになる話だけど……」
 
「はぇっ!? か、かんけうがっ!? と、友達やめるとか~~言わないよね?」
 
「そんなこと冗談でも言わない。とにかくもっともっといい話さ」
 
「い、いい話? そ、そうか私とロード先輩の関係が変わる……でも待って! こんな皆がいるところでする話!? 先輩大恥かくよ!!」
 
「とにかく今しなきゃいけない話なんだ……」
 
「そ、そこまでの覚悟が……?」
 
「だから聞いてほしい……」
 
「お友達のままがいいです!!」
 
「その話じゃなくてさ」
 
「「「(こいつロードを振ったチュウ)」」」「(本人は気づいてないな……)」
 
 何やら後ろでヒソヒソと会話をしておいたようだが聞き取れなかった。
 
「あっ! ごめんなさい。フライングでした。もう一回どうぞ」
 
「いい、よく聞いて……」
 
「まっ、待って、こ、心の準備をさせてください」
 
「…………どうぞ」
 
「すーはー、すーはー」
 
(一体なぜオレは待たされているんだ?)
 
「……はい、ロード先輩。聞かせてください」
 
「……君に支援活動の代表の座を移行します。いいかい?」
 
「へっ? なんだって?」
 
「突然の話かもしれないけど、頑張って……」
 
「いやいやいやいや、代表はロード先輩でしょっ!!」
 
「オレは別の用が出来たんだ。これからルロウと一緒に行ってくるから、こっちのことを頼みたいんだ」
 
「私ぃ~~新人なんでそんな大役は無理ですよぉ~~それに別の用って何?」
 
「少し危険な仕事さ……大丈夫。ダラネーさんはオレよりうまく出来るよ」
 
「先輩より上手く? ん~~~~イヤ!! 出来ないっ!!」
 
 文句に構わずやることを事前に書いておいた筆記長を渡す。
 
「やることはこれに書いてあるから、、、あとは笑顔でいること」
 
「笑顔? 笑えばいいの?」
 
「ああ、ダラネーさんのいいところはいつも楽しそうなところだ……君の笑顔は被害にあった人たちを元気にするよ」
 
「よくわかんないけど、みんな納得してくれるかなぁ……私、友達少ないし~~……」
 
「まぁ、いつも通りやればいいさ。ふざけさえしなければダラネーさんは友達がたくさんできると思う。もし不満が出たら皆にこう言って『全部、ロード先輩が許した』って」
 
「そんな悪者みたいな……」
 
「それで、うまくいくならオレの名前なんていくらでも使っていいよ。でもオレはダラネーさんと一緒だと楽しかったし元気になったから、そんな心配はしてない。君はたくさん友達が出来る人だ」
 
「や、やだな~~先輩、そ、そんな風に私は思われてたと……? 照れますね~~」
 
「いいか、大事なのは笑顔だぞ…………代表、やってくれるか?」
 
「はい! 先輩!」
 
 期待通りの笑顔を向けてくれた。
 
「じゃあ、皆に説明しに行こう。何か一言考えておいて……」
 
「ええ!! じゃあ、私は裏の執事長に守られている! とか……」
 
「……とりあえず、最初は真面目にやろう」
 
「は~~い」
 
 
 ▼ ▼ ▼
 
 
 それから、皆を集めてダラネーに支援団体の代表を任せることを伝えた。
 そのときダラネーは『み、皆さんと仲良くやりたいです』と子供の自己紹介みたいなことを言っていた。
 それをフォローする形で、皆に『彼女を頼んだ、色々と教えてあげてほしい』とお願いした。
 ゾウも使用人たちもこころよく了承してくれたから、きっとうまくいくだろう。
 
 そして、鞄の中に数日分の食料とお気に入りの絵本を肩に、護身用の剣を一本だけベルトを使って腰に提げていく。
 
 ここから支援団体と別行動をとってロードらはカゴラ村から出た。
 
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