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第一章 冒険の日々に憧れる青年の生活
第11話 7つの宮殿伝説
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「なんでもストンヒュー宮殿では数年ぐらい前から使用人たちの間で~~、噂話が流れ始めたらしいのね。それが宮殿の七不思議、いわゆる7つの宮殿伝説なの」
「数年間、ここで暮らしてたのに聞いたことないんだけど」
「一部の女の子だけでしょ。こういう噂話は好きだからね~~女の子って。私も昔は興味津々できてたけどぉ」
「あっうん。そうみたいだね。好きみたいだ」
明らかに興味津々の女の子が目の前にいるような気がするが勘違いらしい。
「でね。その7つって、まだ謎が多くて~~真相がわかってないの。実在する話か、実在しない話か。だから興味が惹かれるらしいのね。はぁむ、むぐむぐ……」
「ふーん。で、どんな伝説ってのがあるの?」
「ふふ~~ん一つ目はね~~、って、
ああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
この立ち上がるほどの馬鹿でかい絶叫に、本当にビックリした。
『『『…………………………』』』
突然の絶叫を発した女の子に食堂に集まった皆が注目する。
「…………やぁ、やへへへへ、ご、ごめんなさ~~い……」
静まり返った周囲の反応に気づいて、何の変哲もない治め方でこの場を乗り切った。
数秒後には食堂内で、聞き取れない話し声や食器の掠れる音などが聞こえてくるようになる。
「……びっっっくりした~~。なんだ、いきなり大声出してさ~~」
「……それ、一つ目の宮殿伝説」
何故か指を差された。
「?」
「一つ目の宮殿伝説『幻の両利き男がいる』ってロード先輩のことじゃん!」
どうやら指を差していた理由は、
左手で使っていたはずのフォークを、右手に持ち替えてそのまま使ってしまったからのようだった。
「えっ? ああ、オレは昔から両方が利き手だよ。大体の人は知ってるけど、珍しいらしいな……」
「へ~~すっごい。両利きの人ホントにいたよ。左右で同時に違う字書けたりするの?」
「いや、やったことないけど……」
「そっか、一つ目はロード先輩のことか~~」
「オレの手はもういいから。座って食事を続けよ」
「……う、うん」
一つ目の話題が不発に終わったので静かに腰を下ろして着席した。
「でねでね。二つ目の宮殿伝説は『絵本の害虫』ていうよくわからないの」
「…………ごめん。それオレだ」
思い当たる節があったので白状した。
「えっ? どゆこと? 先輩が害虫なの?」
「害虫は言い過ぎだけど。たぶんオレのこと」
「5年くらい前の事なんだけどさぁ、、、この宮殿に色んなところから本が大量に届いたんだよ。歴史の本だったり。故人のレシピ本だったり。珍しい標本だったり。とにかく有名な本を宮殿の書庫に補完しようって王様たちの話があってさぁ、その中には絵本も数千冊届いてて、それで…………」
「……それで?」
「オレは3日間、食事も睡眠も何もかも我慢して書庫に立て篭もり絵本を読んでいた」
「……ふ、ふーん。ロ、ロード先輩って、え、絵本好きなんだぁ」
「引かないでくれ。どうしても読みたくなって、勉強も手伝いも邪魔だったんだ……」
「ひゃ~~悪い子だなぁ。いけないんだぞぉ」
「わ、わかってる。やったのはあれ一回きりだし、もうしないって……」
「読む絵本がたくさん来たら~~今度は私も一緒に立て篭もるね」
「だから、もうしないって、この話終わり。つぎつぎ」
「おっ! 先輩も気になってきちゃった? 次の三つ目の宮殿伝説は確か『夜な夜な不気味な音のする庭園』!」
「それはないなー」
「え~~~~なんで冷めちゃうの! 一番ありそうじゃん。幽霊! 幽霊!」
「そんなものないさ。だって、オレ夜中に庭園の方行くし……幽霊どころか。不審な人も見ない。というか、そんな不気味な音が聞こえたら夜間の見張りの衛兵さんが気づいてると思う」
「……………………えっとさぁ、ちなみに聞くけどぉ、ロード先輩は何で夜に外出てるの?」
「ん? オレ? オレは夜に身体を鍛えに行ってるんだ…………これが結構疲れ、て……あっ」
「不気味な音ってせんぱいのせいじゃーん!!」
「そ、そんなふうに聞こえてたのか。こ、今度からは静かにするよう気を付けます……」
「ナニコレ~~さっきからロード先輩のことばっかりなんだけど」
「数年間、ここで暮らしてたのに聞いたことないんだけど」
「一部の女の子だけでしょ。こういう噂話は好きだからね~~女の子って。私も昔は興味津々できてたけどぉ」
「あっうん。そうみたいだね。好きみたいだ」
明らかに興味津々の女の子が目の前にいるような気がするが勘違いらしい。
「でね。その7つって、まだ謎が多くて~~真相がわかってないの。実在する話か、実在しない話か。だから興味が惹かれるらしいのね。はぁむ、むぐむぐ……」
「ふーん。で、どんな伝説ってのがあるの?」
「ふふ~~ん一つ目はね~~、って、
ああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
この立ち上がるほどの馬鹿でかい絶叫に、本当にビックリした。
『『『…………………………』』』
突然の絶叫を発した女の子に食堂に集まった皆が注目する。
「…………やぁ、やへへへへ、ご、ごめんなさ~~い……」
静まり返った周囲の反応に気づいて、何の変哲もない治め方でこの場を乗り切った。
数秒後には食堂内で、聞き取れない話し声や食器の掠れる音などが聞こえてくるようになる。
「……びっっっくりした~~。なんだ、いきなり大声出してさ~~」
「……それ、一つ目の宮殿伝説」
何故か指を差された。
「?」
「一つ目の宮殿伝説『幻の両利き男がいる』ってロード先輩のことじゃん!」
どうやら指を差していた理由は、
左手で使っていたはずのフォークを、右手に持ち替えてそのまま使ってしまったからのようだった。
「えっ? ああ、オレは昔から両方が利き手だよ。大体の人は知ってるけど、珍しいらしいな……」
「へ~~すっごい。両利きの人ホントにいたよ。左右で同時に違う字書けたりするの?」
「いや、やったことないけど……」
「そっか、一つ目はロード先輩のことか~~」
「オレの手はもういいから。座って食事を続けよ」
「……う、うん」
一つ目の話題が不発に終わったので静かに腰を下ろして着席した。
「でねでね。二つ目の宮殿伝説は『絵本の害虫』ていうよくわからないの」
「…………ごめん。それオレだ」
思い当たる節があったので白状した。
「えっ? どゆこと? 先輩が害虫なの?」
「害虫は言い過ぎだけど。たぶんオレのこと」
「5年くらい前の事なんだけどさぁ、、、この宮殿に色んなところから本が大量に届いたんだよ。歴史の本だったり。故人のレシピ本だったり。珍しい標本だったり。とにかく有名な本を宮殿の書庫に補完しようって王様たちの話があってさぁ、その中には絵本も数千冊届いてて、それで…………」
「……それで?」
「オレは3日間、食事も睡眠も何もかも我慢して書庫に立て篭もり絵本を読んでいた」
「……ふ、ふーん。ロ、ロード先輩って、え、絵本好きなんだぁ」
「引かないでくれ。どうしても読みたくなって、勉強も手伝いも邪魔だったんだ……」
「ひゃ~~悪い子だなぁ。いけないんだぞぉ」
「わ、わかってる。やったのはあれ一回きりだし、もうしないって……」
「読む絵本がたくさん来たら~~今度は私も一緒に立て篭もるね」
「だから、もうしないって、この話終わり。つぎつぎ」
「おっ! 先輩も気になってきちゃった? 次の三つ目の宮殿伝説は確か『夜な夜な不気味な音のする庭園』!」
「それはないなー」
「え~~~~なんで冷めちゃうの! 一番ありそうじゃん。幽霊! 幽霊!」
「そんなものないさ。だって、オレ夜中に庭園の方行くし……幽霊どころか。不審な人も見ない。というか、そんな不気味な音が聞こえたら夜間の見張りの衛兵さんが気づいてると思う」
「……………………えっとさぁ、ちなみに聞くけどぉ、ロード先輩は何で夜に外出てるの?」
「ん? オレ? オレは夜に身体を鍛えに行ってるんだ…………これが結構疲れ、て……あっ」
「不気味な音ってせんぱいのせいじゃーん!!」
「そ、そんなふうに聞こえてたのか。こ、今度からは静かにするよう気を付けます……」
「ナニコレ~~さっきからロード先輩のことばっかりなんだけど」
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