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スキルで出来た水を飲んでみよう

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帰る車の中 警察官の人がゾンビに爪で腕を引っかかれていたらしく

顔を真っ青にしていたのだが

腕をきつくしばり止血をするようにしていた

「くそ 襲われた人を助けようとしてひっかかれてしまった 俺もゾンビになってしまうのか」

今のところ その傾向は見えないが 噛まれた人はゾンビになると聞いていたが

爪で傷を負った人たちがどうなるかは聞いていなかった

多くの人はゾンビに噛まれたりするのがほとんどだったのでわからないのだ

もう一人の警察官が必死に腕をしばりあげているせいか もしくは引っかかれたりするだけでは

大丈夫なのかわからないが

「おい 大丈夫か かすり傷だ しっかりしろ」

もうすぐ警察署に着くらしく必死に相棒を励ましていた

警察署に着くなり 相棒を連れて 奥に入っていった 

気になったのでみんなで着いていったのだが 着いた先が留置所だった

「すまないが ここに入っていてくれ 一日経って 何ともなければすぐに出してやるから」

傷を負った相棒を留置所に入れて 警察官は外に出て行った 出て行ったと思ったらすぐに戻ってきて

傷を負った警察官の傷を治療していった 消毒液をかけ 包帯を巻いていったのだが

普通の傷ならこれで問題ないはずだが

木下さんも心配なのか ここから離れず二人を見守っていた

「すいません ちょっと水を汲んできますね のど乾いたでしょ みんなの分持ってきますね」

気になった事があったのでその場を離れる事にした

気が付いたことは自分が出した水を飲ませることでどんな化学反応を起こすか気になってしまった

「ウォーター」 出てきた水を空のペットボトルに入れて 戻ってから3人に手渡す

「ありがとう」×3

3人とも喉がかわいていたのか ごくごくと喉を鳴らしながら水を飲みだしたのだが

「おお この水 美味しいな」など と水の味に対しての反応をするだけで 体に対しての反応はなかった

傷を負った人も水を飲んだのだが特に問題もなく 

美味しいというだけでどうなるわけでもなかったのが気になった

すいません 実験したようになってしまって と心の中で3人に謝った

「あれ 気のせいか 顔色がよくなってないか」

ケガを負った警察官の顔色が青白くなっていたのだが水を飲んでから顔が赤みがかってきたのに気がついて

この空間の空気が緊張したものから弛緩したものに変わっていった

あれ スキルの水ってゾンビ化しそうになっている人に効くのかな

顔色がよくなってきた警察官の人を見て もしかしたら 助けられるかもしれない人が出来るかもと思ってしまう

とはいえ 今のところは この結果は保留しとこう 脳内でそんなことを考えてると

「もう 大丈夫じゃないか 顔色も良くなってきたし」

「そうか 俺 大丈夫なのかな ゾンビにならなくて済むのかな」

ケガをした警官が泣きそうな声で必死に声を出してきた ゾンビになるかもしれないと心配だったんだろう

「よかったな 私も心配だったんだが 本当に良かった」

木下さんもケガをした警察官が心配だったのか 嬉しそうな声で息を吐いた

とはいえ 一日ぐらいは様子を見ようという事で もうすこし留置所に入っていることになった

「後で 飯 持ってきてやるから 待ってるよ」

ケガをした警察官を置いて とりあえずみんなが集まっている所に戻ってみた

食料を取りに行った6人が 4人しか戻ってこないし 一人はケガをして戻ってきては

奥に連れていかれたんだ 気にならないわけがない

「みんな すまない 二人は帰ってこれなかった 食料を取りに行ったスーパーでゾンビに襲われてしまって

 二人は噛まれてしまったんだ 私のせいだ 本当に申し訳ない」

代表して木下さんが 現状を報告するのだが 木下さんだけのせいではないはずなのに

木下さんは自分のせいだと思っているかのように みんなに報告していく

「いや ちがうんだ 木下さんだけのせいじゃない 私たち みんな 二人を救えなかったんだ

 助けようとした一人はゾンビに爪で傷をつけられてしまった」

警察官の一人が助け舟を出してくれたのだが 自分はうまく声が出せずにいた

木下さんのせいじゃないとかばいたいのに どうしても声がだせなかった

最初は残った人たちも 助けられなかった事を非難していたが 戻ってきた人たちが

どれだけ必死だったかと説明すると 文句を言う人はいなくなった

「わかったよ 二人を助けようとした事や 間に合わなかったことは分かったから

 頭を上げてくれよ 俺たちが悪者みたいじゃないか」

頭を下げたままずっと謝っている木下さんに 文句を言っていた人たちも バツが悪そうにしていた

「それはわかったけど ケガをした人は大丈夫だったのか 奥に連れて行ったみたいだけど

 ゾンビになってここにいる人を襲うんじゃないのか」

「最初はそう思って 留置所に閉じ込めていたんですが顔色も良く ゾンビになる可能性は

 低いんじゃないかと思っています とはいえ 他の人は納得しないので 明日までは閉じ込めておきますので

 安心してください」

警察官の一人が木下さんの代わりに答えるのだが 相棒を悪く言われて すこし機嫌が悪そうだった

何とか 残った人たちに事情を説明できて 一息ついたという所だが

ゾンビに襲われたこともあり 持ってこれた食料は予定より少なく また同じスーパーにいく度胸もない

まだまだ先行きの見えない この状況に不安を隠しきれないのであった
 



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