自宅警備員はゾンビの夢を見る

Neet42

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避難所を求めて

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学校から大型のゾンビが倒され 校内が落ち着いてくると

生き残った人たちで どうするか話し合われた

「もう学校で避難は出来ない 門が壊されたんだから」

「でも どうする どこに行けばいい」

「自衛隊の人たちも殺されてしまった 俺たちだけで大丈夫なのかよ」

「だれか 助けてよ」

「うるせぇな どうしようもないだろ 俺だってどうしていいかわかんねぇよ」

「落ち着いていください まだ昼です 夜には間に合うようにどこかに避難しましょう」

自衛隊の人たちがゾンビにやられてしまった事実ともうここには避難していられないという事が

避難していた人たちにパニックを起こしていた

何とかまとめ役になってくれている先生がいて他の人たちをまとめようと頑張っているが

意見が次々と出てくるのでまとめあぐねていた

「まずは警察署にいきましょう 自衛隊と一緒に警察も来てましたし

 先に車で避難した他の人たちの情報も入ってくるかもしれない

 どうですか? 他に意見がなければ警察署に行ってみるのもいいと思うんですが」

先に警察病院に避難していった人たちの身内もここにはいる

気になって心配していることだろう 自分も母が先に避難してから音信不通 どうしているか

気になってしょうがない 警察署に行くことで何かわかるかもしれない

「そうだ 警察署に行こう ここよりはマシだ」

「父が心配だったんだ 何かわかるかもしれない 行ってみよう」

「行こう みんなで行けば何とかなるかもしれない」

こんな事になって一人一人では怖いかもしれないが集団で集まっていけば

怖さも和らぐというもの 集団心理に当たるかもしれない

体育館に集まった人たちは50人ほど その中の一人が自分なのだが

あまり前に出たくない自分は意見を言わず見ているだけだった

流されているのは解っているが 自分も警察署に行くことは賛成だと思っている

門は壊され凶暴になったゾンビたちが現れた時に持ちこたえられるとは思えない

「とはいえ どうする 歩いていくのか」

「車で行く方がいいんじゃないか」

「でも 大きいゾンビが襲ってきたら車でも壊されるぞ」

「あの大きなゾンビは何なんだよ 銃がきかなかったぞ」

「あれ 誰が倒したんだ?」

「1回に倒れてたぞ」

おっと やばい 出来れば目立ちたくないし自分が倒したことは知られたくないんだが

「あの 自衛隊の銃でほとんだ死にかけだったんじゃないんでしょうか」

目立ちたくはなかったんだが 隠れながら声を出してみる

「そうか自衛隊の人たちと相打ちになったって事か」

何とか誘導しては自衛隊の人たちと相打ちになった事になった

「話を戻そう 警察署にどうやって行くかだ」

「車だと音でゾンビが襲ってくる可能性がある 装甲車みたいな頑丈な車があるばいいんだが」

「乗用車などでは守り切れないしな だったら全員で歩いていこう 

 大きな音を立てず ゾンビのいない道を選んで行けば安全かもしれない」

これだけ人数がいれば色んな意見が飛び交うものだが おびえている人たちばかりでは

まともな意見を言う人たちは限られてくる

これからの予定が決まったようだ

警察署はここから歩いて5時間ほどだそうだ 今から行動を起こせば

日没までには間に合う計算だが自分はまた大型のゾンビがでないか心配していた

あの時は何とか倒せたが今度もうまくいくとは限らない

ウォーターの一回だけでは倒せなかった 距離によっては2回、3回となるかもしれない

不安になりながらも 新しい避難地へと向かっていく

50人ほどの避難民の一番後方に付きながら メニューを開いていく

大型のゾンビを倒してのでLVが上がったらしい 無我夢中だったので 声に気づかなかったのだが

LV2に上がっていた スキルは覚えなかったが少し体が軽い気がする 気がするだけだが意味があると思いたい

流石に50人の集団だ 出来るだけ音を出さないように前に進んでるのもあってか

予定より遅くなっているらしく 戦闘を歩いてる人たちはあせってるように見えた

ゾンビもちらほら見えるが最初のころのゾンビなのか襲ってくる様子がなく

うまく避けながら前に進んでいく たまに襲ってくるゾンビもいるが 流石にこの人数がいれば

ゾンビが集団で襲っても来ない限り対処できた 学校から持ってきたバットで頭をたたき割り

退治していく

「疲れた まだ着かないの」

「歩くの遅いんだよ 早く歩けよ」

「ゾンビが襲ってきたらどうするんだよ」

「大丈夫だよ これだけ人がいるんだぜ ゾンビの一人や二人 何とかなるって」

前の人が対処してくれているので 中盤にいる人たちは安心しきっている

自分がいる後方の人たちは足が遅い人たちや疲れがひどい人が多く

愚痴をこぼしはじめていた

それにゾンビが後ろから襲ってこないとは限らない その恐怖心や緊張によるものもあるのかもしれない

それから何時間も歩き続け 日没前にやっと目的地に着いたのだが

みんなの目の前に現れた警察署はみるも無残になっていた

入口は壊され バリゲートみたいに並んでいたパトカーや護送車みたいなバスも壊されていた

一目見て ゾンビの集団に襲われたとわかる

「嘘だろ せっかくここまで来たのに 警察署が襲われているなんて」

「もう歩けないわよ 誰よ ここなら安全かもって言ったの」

「どこにも安全な場所なんてないんだよ もう終わりだ」

苦労してここまで来てこんな有様の警察署を見て 悲喜こもごもの感情を表していた

自分もここまで歩いてきて疲れたのか 地面に膝をついた

また不安な一日を過ごしていかなければならない未来を感じずにはいられなかった




  

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