自宅警備員はゾンビの夢を見る

Neet42

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自宅警備員 スキルを覚える

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悪夢を見て大地は起きた

かなりの冷や汗と悪夢を見た後によくある倦怠感で

近くにあったスポーツドリンクで喉を潤しながら

周りの様子をうかがっていた 

夢の通りならゾンビが凶暴になっているはずだから

窓から外の様子を見てみると まだ夜中だというのに騒がしい気がした

目を凝らしてよく見てみるとゾンビが玄関のドアを叩いて中に無理やり入ろうとしている

「そんな 昨日までは全然 そんな感じ じゃなかったのに

 どうして急に」

ゾンビが凶暴になった理由は解らないが 他の家のドアを乱暴に叩いては

中に入ろうとしているのがわかる この家にはまだ取りついてはいないが

ドアだけじゃない窓や他の所から入ってこられる可能性だってある

悪夢でかいた汗だけじゃなく不安からか 汗が額を流れてきた

「のんびりしてられない 流石に避難した方がいいだろう

 とりあえず 母さんを起こして連れて行こう」

1回に降りて 母親を起こそうとする

「母さん 起きて 何か周りが変だ 避難所へ逃げよう」

まだ布団に入ってきた母を無理やり起こし

災害用に用意してあった袋に食料や必要なものを片っ端から入れ

肩に担いで玄関に走った。

玄関から音はしないようで まだ ゾンビが取りついてはいないようだったので

玄関をそっと開けて外を見てみた

他の家ではドアや窓から侵入されたのか悲鳴や怒号が飛び交っていた

外にいるゾンビは少なく親を連れて 避難所への道を走っていく

少ないとはいえ全くゾンビがいないわけじゃなく 途中で凶暴になったゾンビに

遭遇してはゾンビに水をかけては事なきを得ていたのだが

昨日までは水をかけては倒せていたのゾンビが弱るだけで倒せなくなっていた

「なんでだ 昨日までは倒せていたのに

 凶暴になったことと関係あるのか?」

隣で見ていた母はゾンビに水をかけていた自分に

不思議にそうに見ていたが凶暴になったゾンビにそれどころではないようだ

避難所へ行く途中、見晴らしの悪い角から 急にゾンビが襲ってきた

「がぁぁぁぁ」

「うぉ 急に出来てくんじゃない」

ゾンビは自分の体にかみつこうとしてくる かなりの力なのか

一生懸命 押し返そうとしてもビクともしない

一瞬だけ押し返して水を何度もかけて見た

今まではそんな余裕もなかったのだが 何度もかけて見ると

煙をあげて倒れていった

昨日までのゾンビのように動かなくなり倒せたようだった

「そっか 何度かかければ倒せないわけじゃないんだ」

倒せることが解り 少し安心した

「経験値が貯まりました LV2になりました スキル ウォーターを覚えました」

急に頭の中に声が聞こえた

「うぉぉぉぉ 何だ 何だ 何が起きた」

急に聞こえた声に吃驚したが 目の前にも文字が出来てきて

何が起きたが理解していく

「ゾンビを倒したからなのか リアルなのに

 ゲーム見たくなってきたな ええとスキル ウォーター

 半径10M以内に 水を発生させる能力か」

目の前にボードにはLVやステータス 自分の名前 スキルの種類や能力が書かれていた

スキルには正夢の事も書かれていて、一定の確率で現実に起きる夢を見ることが出来る

と書かれていた 経験値も書かれていて 100/12 となっていた

「確か 昨日 普通のゾンビを2人倒して 今日は凶暴なゾンビを今倒したから

 2+10ってところかな 凶暴な方が経験値が高かったから スキルを覚えたってところか」

隣で自分がゾンビを倒すところを見ていた母には何が起きているのか解らないようなので

自分にしか見えていないのだろう

「スキルを試してみたい気がするが まずは避難所へ行こう

 母さん もうすぐ 着くから大丈夫だよ」

途中 何度かゾンビを倒してみたのだが声が聞こえず

LVアップはしなかったようだ

経験値100という事は 10人 倒さないとだめなんだろうな

そんなことを考えながら避難所へやっと着いた

これで一安心だなと思いながらも自分だけでなく母も無事につけたことを

安堵しつつもこれからどうなるんだろうと考えていた





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