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ぬるくてゆるい2
しおりを挟むそれに……引き離された?リリアと、子爵様が?
さっき聞いたばかりの話しが頭に浮かんでしまう。家族から虐げられるターゲットが変わるかもしれない、とか。
もちろん、両親の考えとしては……単に、婚約前の娘から男を引き離しただけかもしれないけど。
すべてか今は、もしかしたら、の話で……
言葉尻をすぼませてしまったわたしに代わるように、神官様が、念を押すように彼へと尋ねた。
「とにかく……あなたは、ダールク家の縁者ということでよろしいんですね」
ダールクっていうのは、ブラン子爵の家の姓。そう問い質されて、アルは肩を竦める姿勢をした。後ろ手に縛られていなかったら、手でも挙げているようなポーズでもしてるんだろうか。
「デス。……出せる証拠もなくはないけど、手っ取り早いのは直接話してもらうことかな」
「直接って……」
それって、子爵様とお話するってことかな。
何となく話し辛いなあってなったけど、でも、やっぱり領地の話や屋敷がどうなっているか、妹のことも、気になる。何かがあったかもしれないのは確かみたいだし……
神官様とアストのほうへ視線を送ってみると、二人は声を潜めて短く言葉を交わしていたみたいだった。
アストを確認するように視線を送る神官様。こく、と彼も頷いて、一歩引いた。
「……譲る」
ん?話代わっていいってこと?
ぱちぱち瞬きをしながら自分の顔を指で指してみると、アストは肯定するようにもう一度頷いた。
……えーと、えーと。
確認することはたくさんあるはずなのに、いざとなるとごちゃっとして何も出てこない。
……とりあえず、浮かんだことから聞いてみるとして。アルのほうへと向き直る。この人も、少しバツが悪そうにはしてる……のかな?何か、あっけらかんとしてるような気すらするけど。
「えっと、それじゃ……わたしは追放なんてされてないの?」
「ですね、婚約破棄も虚言なんで」
すごいペラペラ喋るな……
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話せるなら、本人に話してみたほうがいいのかもしれない。
それに何より、彼が領地の近くにいるなら……そっちの様子の話も聞けるかもしれないから。
うん、そうしよう。
「とりあえず……あんたの主人に連絡とってちょうだい!」
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