婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな

カド

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報告いたします(子爵視点)

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<子爵視点、ローズ出立の朝>





『ブラン様』

「……首尾はどうなっている」

『見失いました』

「っなんだと……!?何をやってる!」

『ターゲットは昨夜町の宿屋に泊まりました。
こちらも向かいの宿に宿泊を決め、夜を徹して見張っていたのですが」

「ああ」

『夜中から明け方にかけてターゲットに大きな動きはありませんでした。そして朝になった頃、少し休憩をとベッドへ座ったのですが。思いの外これが気持ちよく……』

「寝たのか」

『ぐっすりと』 

「き、貴様」

『先程目を覚ましたのですが既に店にはいないようでした。申し訳ありません』

「このっ……この、間抜け……!!」

『あ、髪型戻されたのですね。さらさらと風になびいておられる』

「今言うことか!」

『しかしこの豊かな土地で、ターゲットのやつれた背格好は目立ちます。外地へ向かう街道は基本的に一本道ですので、周囲を探索すれば程なく見つかるかと』

「お前……分かってるんだろうな……!?こっちはリスクを背負ってるんだぞ……!!」

『重々承知しております。それでは行って参りますが…………今一つご確認を』

「何だ」

『ここの宿泊料、経費で落ちますよね?』

「いいから早よ追わんか!!」




□□□




『ブラン様』

「見つけたか!?」

『は。やはり周辺の道をうろついていましたので、すぐに。
しかしターゲットですが、何らかの術を使った模様。
小鳥の反応によると間違いなく本人だと思うのですが、やつれた体は見違えるようで、年相応の体になっておりました』

「何……?魔石の力でも使ったか、小癪こしゃくなことを」

『で、その後引き離されてしまい』

「なぜだ??」

『追尾用の小鳥が焼き菓子の……クッキーのようなものの食べこぼしに食いついてしまい、足止めを。
小鳥の説得にかかずらってる間に馬車が出発してしまいました。これは巧妙な罠です。あの女、やりますね……』

「ちゃんと餌をやれ……」

『しかし乗り込んだ馬車は確認済みです。路線から行って……あれは、国の中央へ向かう気なのでしょう』

「……中央か。厄介だな。
なるべく早めに接触をして事をなせ。くれぐれも、くれぐれも見失うなよ……!!」

『御意ーー!』

「返事はいいなお前は!!!」


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