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第五話 主従関係

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いつものように出社した士郎は、社長室の椅子に深く座り、ため息をついていた。昨夜のことはどうやっても思い出せないが、とにかく悠希に会って事の経緯を聞き、自分が乱暴したなら謝らねばならない。仕事であってもプライベートであっても、何事も先延ばしにしても意味がないと思っている士郎は、一瞬の呼吸の後、スマホで悠希に電話をかける。
『はい。おはようございます、東城さん』
「…おはよう。今大丈夫か?」
『開店準備中ですが、大丈夫ですよ。何かありましたか?』
「来週の定休日に、本社に来てほしい。話がある」
『わかりました。朝一でいいですか?』
「構わない。では」
『はい』
いつも通りの事務的な会話。レイニーの開店前なのは知っていたし、あえて昨夜のことには触れず、用件だけを伝えて通話を切る。悠希の声はいつも通りで、こちらもいつも通りを装っているつもりでいた。それでも、いつも通りだったかどうか、考えてみると不安になる。また考えこみそうになると、社長室のドアがノックされる。
「失礼します。朝のコーヒーをお持ちしました」
「あぁ、ありがとう」
渚は、士郎が出社すると毎朝コーヒーを入れて持ってきてくれる。そのコーヒーの香りを嗅ぎながら、士郎はいつも通りの日常を送ろうとしていた。
「社長。寺井酒造の件ですが、こちらが資料です」
「…あぁ」
昨日、丞と会う前、渚には寺井酒造の調査を頼んでおいたのだ。渡された資料には、業績はもちろん、社長の方針や理念、これからのビジョンなど、さまざまな角度から集めた情報が満載だった。
「やはり、取引相手としては申し分ないですね。商談のスケジュールはどうしますか?」
「…そうだな。来週、クラシカルレイニーの店長を任せる神楽井と話をすることになっている。その後でスケジュールを抑えてもらうから、準備だけ進めておいてくれ」
「はい。それと、今日はセカンドの訪問日ですよね。連絡しましょうか?」
「14時に行くと伝えてくれ」
「わかりました」
士郎の指示に返事をし、渚は頭を下げて部屋を後にする。渚はテキパキしていて頭の回転も速く、資料のまとめ方もうまい。的確な提案をしてくれるし、そのおかげで指示を出すのもスムーズに行く。女性ならではの気遣いや機転も利く、有能な社員だった。
今日訪問する「レイニーセカンド」は、おっとりした30代の女性が店長を務めている、レイニーの二号店。「雨の時でも気軽にコーヒーを」というコンセプトは同じだが、女性が店長ということもあって、内装や食器などにも可愛らしさを取り入れている。そして30代には見えない店長は、男性にも女性にも人気が高く、幅広い客層から支持を得ている店だった。「おっとりしている」というのは、採用の面接の際に本人が言っていたことだが、仕事となると素早く的確で、お茶目な部分もあると士郎は思っている。圧倒的に女性人気が高い「レイニー」と比べても、売り上げはほぼ互角。最近では、映えるスイーツを提供し始めたこともあり、若い男女から好評を集めている。
社内の用事を済ませ、士郎がレイニーセカンドに赴くと、スイーツやドリンクの写真を撮る若い女子で店は満席で、カウンターにいた女性がすぐに駆け寄ってくる。
「おつかれさまです、社長」
「あぁ。相変わらず大盛況だな」
「はい、おかげさまで。満席なので、奥へどうぞ」
その女性が周りのスタッフに声をかけ、士郎と二人で店の奥にあるスタッフルームに入ると、「先に報告書を持ちしますね」と言って一旦部屋を出て、書類を用意してすぐに戻ってきた。
「コーヒーいれてきます」
「あぁ」
書類を士郎に手渡すと、また店に戻ってコーヒーの準備をするようだった。どんなに忙しくても、社長の訪問日にコーヒーをいれるのは、その店の店長の仕事と決められている。店長の花野藍奈は、知らされていた時間にすぐに用意できるよう、コーヒーの準備もしていた。ものの数分もしない内に、いい香りとともにコーヒーが運ばれてくる。
「今日は、ブルーマウンテンのブレンドです。このカップ、社長には可愛すぎると思うんですけど…一番人気なので」
「あぁ、いい香りだ」
香りを十分に吸い込んでから、薄いピンク色のカップに口を付けると、香りと一緒に、澄んだコーヒーが体に染み渡るようだった。
「いいブレンドだな。カップの在庫は足りているか?」
「あ、追加で発注したいと思っていたんです。このカップで飲みたい~という女性のお客様が最近多くて。5セット、お願いできますか?」
「わかった。担当に伝えておく」
藍奈の要望をさっとスマホにメモし、書類にも目を通していると、机を挟んで座っている藍奈が心配そうに話しかけてくる。
「社長、何かありましたか?お疲れのように見えますが」
「…何でもない」
いつも通り振舞っていたつもりが、藍奈には見抜かれていたようで。正直、昨夜のことで考えがまとまらず、疲れているというよりは参っている状態だったが、士郎はいつものポーカーフェイスでそう返す。
「そうですか?元気がないように見えるし…。あっ、甘いものなんかどうです?女性に人気の可愛いスイーツがあるんです!」
士郎が「必要ない」という前に藍奈は立ち上がり、パタパタと店のカウンターへと戻って行った。数分後、カップとお揃いのお皿にスイーツを盛り付け、士郎の前に置いて、藍奈が「疲れてる時は、やっぱりスイーツですよね~」と、期待の眼差しで士郎を見る。元々、甘いものはそんなに好まない士郎だが、店長である藍奈の好意は無下にはできない。



「…おいしいな。人気なのがよくわかる」
「でしょう?こうやってデコレーションするだけで、映え度が上がるんですよ~」
「君が考案したのか?」
「はい!スイーツだけでももちろんおいしいんですけど…こうやって付加価値を付けた方がお客様も喜んでくれるので、ひと手間かけてます」
「そうか、さすがだな」
士郎が褒めると、藍奈は「ありがとうございますっ!」と満面の笑みで応える。
提供するコーヒーやスイーツは会社で決めているが、各店舗の店長の意見も取り入れていて、要望があれば独自のブレンドもするし、店長自らメニューを考案することもある。カップやお皿などの食器についても同様だ。幅広い客層を惹きつける多彩なブレンドを用意しているレイニーセカンドは、スイーツをさらに映えるものになるよう、独自で進化させていた。それも、藍奈の手腕だろう。それを証明するかの如く、ここ数カ月の売り上げはかなり好調だった。
「こんなことができるのも、社長のおかげですよ。一介の店長の意見も取り入れてくださって、結構自由にさせてもらっているので…他のスタッフも、生き生きと働いています」
「そうか、花野のおかげだな」
「いえいえ、だから、社長のおかげですってば」
藍奈は、ふふっと花のように笑う。この笑顔に、スタッフも客も、引き付けられるのかもしれない。
「今後も、何かあれば遠慮なく言ってくれ」
「はい、ありがとうございます!」
士郎がコーヒーとスイーツを平らげて立ち上がると、同じく藍奈も立ち、店の外まで見送ってくれる。帰る時も店は満席だったし、テイクアウトの行列もできていた。報告書以上の成果を目の当たりにして安心した士郎は、車である場所に向かって用事を済ませてから会社に戻り、セカンドのカップの追加発注の件を渚に伝える。渚はすぐに対応し、3日後に納品予定だと伝えてきたので、納品され次第、セカンドに届けるように指示し、士郎はまた社長室の椅子に落ち着く。そしてまたため息をつく。藍奈に気を遣わせてしまったこともそうだが、昨夜のことで参っているのも確かだ。だが、考えても仕方ないこともある。士郎は切り替えて、仕事のことを考えることにした。

開店前に士郎から電話があって、それだけで嬉しくなっていた悠希が、鼻歌を歌いながら準備をしていると、その日一緒のバイトの女子が話しかけてくる。
「あれぇ?店長、なんかいいことでもありましたぁ?」
「え、どうして?」
「だって~ご機嫌じゃないですかぁ。あ、もしかして…彼女さんのことでも考えてたり?」
「えぇ?まさか、そんなことないよ。ほら、もう時間だから、早くね」
「はぁい」
もっと聞きたそうだった女子は、悠希に急かされて準備に戻る。悠希はというと、電話のこともあるが、昨夜の件を思い出し、高揚せずにはいられなかった。
『東城さんがあんなに俺のこと求めてくれて…最高の時間だったなぁ』
あんなに激しくされたことを思い出し、中心がうずくのを感じる。これから仕事だというのに不謹慎だが、思考は止められない。そんな状態のまま仕事をこなし、閉店時間を迎える。いつものように施錠して仕事を終えた悠希は、この前のバーに向かっていた。
「おう、おつかれ」
「疲れてないよ、今日はいいこともあったし」
店に入るなりご機嫌そうな悠希を見て、声をかけた丞は何かを察する。
「東城さんのことか?」
「もちろんそうだよ。開店前に東城さんから電話があってさ、それだけで高揚しちゃって」
「おいおい、お前…」
「ねぇ、これ最高じゃない?東城さんが、自分から動いて俺を犯してる…思い出すだけでもうっとりしちゃうよ」
カウンターで丞の隣に腰掛けた悠希は、「東城さんと俺だけが映ってるように、ちゃんと編集もしたし」と言いながら嬉しそうにスマホを見せてくる。そこには、丞が用意したカメラで撮られた、ここでの行為が映し出されていた。その日、直前まで店にいた丞の後輩が今目の前にいるので、音は消して再生している。
「来週東城さんに呼ばれたんだ。これ見せたら…どうなると思う?」
「…なぁ。こんな状態で、あの人がウチと取引をすると思うのか?」
「それは問題ないよ。東城さんは、何があっても会社の利益を優先する人だから」
「だからって、こんな脅しなんて…」
「いまさら説教なんて聞きたくない。わかってて協力した丞も同罪だからね」
「それは、そうだが…」
「あ、テキーラのショットください」
丞の話を無視するように、悠希はカウンターの中にいるバーテンダーに注文する。バーテンダーは軽く頷き、すぐに小さいグラスに入った酒を差し出す。悠希はそれをグイっと飲み干すと、「おかわり」といってさらにもう一杯。
「やっぱりテキーラはショットじゃないとね。丞も一緒にどう?」
「…俺はいい。それより、なんで東城さんに呼ばれたんだ?」
「知らないけど…きっとこの動画の件じゃないかな?あの人律義だから、確認したいんだと思う」
「自分が追い込まれるだけだってのに?」
「そうだね。正気に戻って、東城さんがどこまで覚えてるのかわらないけど…そこまでは考えてないんじゃないかな。まさか撮られてるなんて、思ってもいないだろうし」
「…脅して、自分のものにすると?」
「そう。計画通りでしょ?」
悠希は相変わらずご機嫌な様子で、またテキーラのおかわりをオーダー。三杯目も難なく飲み干し、また動画を眺める。
「そのくらいにしておけよ、明日も仕事だろ?」
「大丈夫。これ見ながら酔いたいから…」
そう言いながら、悠希は急にカウンターに顔を突っ伏す。持っていたスマホも落としそうになるところを、丞が受け止めてやる。
「お客様、大丈夫ですか?」
「いつものことだから、放っておけばいい。起きなかったら俺が連れてくから」
「わかりました」
心配そうに声をかけてきた後輩にそうと言うと、丞は丞で別の酒をオーダーし、テキーラのショット3杯で気持ちよく酔いつぶれた悠希の横で、ちびちびと飲むのだった。そしてこの日は悠希がなかなか起きないので、後輩に「すまないな」と言って、悠希を担いで連れて帰ることになる。

そして後日。悠希は本社に訪れていた。受付で名乗って社長室に通されると、そこにはいつも通りのポーカーフェイスの士郎がいた。
「おはようございます、東城さん」
「おはよう。座ってくれ」
「話って、なんですか?」
士郎に促されて座り心地のいいソファに腰掛けると、正面に座る士郎に声をかける。すると、珍しく口ごもるようにしていた士郎だが、意を決したように話し出した。
「この前、の、ことだが…」
「はい」
「あのバーで、私はお前を…。その、お前と、セックスした…のか?」
士郎が考えながら言葉を紡ぐたびに、ポーカーフェイスが崩れていく。それが楽しくて悠希はニヤけそうになるが、こらえながら、こう答える。
「…はい。セックスしました」
「っ、やはり…。いや、その…。私は覚えていない、が、お前を傷付けたのなら―」
目が泳いでいた士郎が謝ろうと顔を上げる前に、悠希が例の動画が映っているスマホを机に差し出す。今度は音声付きで。
「っ!」
あられもない喘ぎ声を発する悠希と、そんな悠希を後ろから貫きながら一心不乱に腰を振る士郎。そこには、士郎が自ら悠希を犯す様が再生されていた。
「こ、れは…っ」
「よく撮れてるでしょう?ほら、東城さんが俺を―」
「やめてくれっ!こんな…」
「やめませんよ、俺は。東城さんの心が俺に向いてなくても、止められない。それに、東城さんが覚えてなくても当然です。薬を盛って、俺とセックスするように仕向けたんですから」
「な…っ!」
「この薬、結構キツイみたいで…あのとき説明したんですけど、記憶、飛んじゃったみたいですね」
「っ、そんなことが、許されると…っ」
「あ、この前と同じセリフ。…許されるだなんて思ってません。俺は、東城さんを手に入れたいだけ」
衝撃的な悠希の告白に、士郎は愕然としていた。薬を盛ってまで行為に及び、そしてそれを撮影して脅している。そんなことはあってはならないし、この時の士郎は、折れるつもりもなかった。
下を向いていると否が応でも動画が目に飛び込んでくるので、士郎は顔を上げ、悠希を正面から見据えてハッキリと言い放った。
「…お前が何をしたとしても、私はお前の気持ちには応えられない。諦めてくれ」
「だから、止められないって言ってるじゃないですか。ホント、東城さんって頑固ですよね」
「お前がそれを言うのか?私の意思を無視して、薬を盛ってまで無理矢理…っ」
「無理矢理なのは、東城さんですよね?ホラ、これ…。どう考えても、東城さんが進んで俺を犯してますよね。…ねぇ、よく見てください」
「やめろっ!」
悠希が身を乗り出してスマホを士郎に近付けてくるので、士郎はそれを振り払う。その拍子でスマホがテーブルとソファの間に落ち、音量ボタンに触れたのか、さらに大きい音量であの時の行為が流れてしまう。
「あ、大きくなっちゃいましたね。俺はいつもイヤホンで聞いてるんです。でも東城さんがもっと聞きたいならこのまま…」
「いい加減に…っ!」



「ダメですよ、これは俺のですから」
スマホを取り上げようと士郎が手を伸ばすが、悠希はあっさりかわす。ループ再生された動画が、大きな音量で流れ続ける。力なくソファに座り直した士郎の隣で、スマホを近付けながら、追い打ちをかけるように耳元で囁く。
「…この動画、拡散されたくなければ、俺のものになってください」
「…っ、社長である私を、脅すつもりか…?」
「脅すだなんて、人聞きの悪いこと言わないでください。東城さんは、自ら俺を犯したから、自らの意思で、俺のものになるんです。俺の言ってること、わかります?」
「そんな、滅茶苦茶な話、誰が…っ」
「…へぇ。じゃあ、いいんですね?これ、奥さんや会社の人、世間に見られても…」
「っ!だ、駄目だ、それだけは…っ」
なおも拒否する士郎だが、自分のしてしまったことを晒されるのは耐えられないようで。俯きながら弱弱しく首を横に振って、「それだけはやめてくれ」と答える。
「…じゃあ、どうするべきか、わかりますよね?東城さん」
「…神楽井、こんな企みで私を手に入れたとして、満足なのか…?」
士郎の声は震えていた。弱みを握られてしまったという恐怖と、部下である悠希を犯してしまったという後悔が入り混じり、ポーカーフェイスどころか、声までも保っていられない。
「えぇ、もちろんです。どこまでもプライドの高い東城さんをどうしようもなくなるまで追い詰めて、俺のものにする…。こんな快感って、他にあります?」
「お前…っ」
「言っておきますけど、俺のものになるといっても、言葉だけじゃダメです。ちゃんと行動で示してくれないと、服従しているとはいえませんから」
「服従、だと…」
「俺のものになるということは、服従するってことでしょう?ただ、わかった、とか、言葉だけじゃダメです。たとえば、俺がセックスを求めたら応じるとか、態度で表さないと。東城さんは賢いから…俺の言ってること、わかりますよね?」
「………」
「服従」とはっきり言葉で言われて、いい気持ちはしない。悠希の言葉を聞きつつ、士郎はどこか絶望を感じていた。さらに、悠希は続ける。
「あ、もちろん言葉も大事ですよ。まずは言葉で屈服させて、そのあと、体まで俺のものにする…考えただけでゾクゾクします」
「…っ」
「あ、だからって、奥さんと離婚だなんて、考えないでくださいね?」
「!」
図星だった。悠希とこういうことになった以上、小夜子と共に過ごすことなどできない。妻を裏切ってまで結婚生活を継続するつもりはなかった士郎は、内心離婚を考えていた。しかし、それすらも見透かされている。
「罪悪感と良心に苛まれながら、東城さんがどうやって俺に応じるのか…楽しみで仕方がないので」
「お前、どこまで…っ」
「当たり前ですが、公共の場では、東城さんとは、上司と部下…あくまで仕事仲間として接します。でも、二人きりのときは…わかってますよね?」
「お前ほど頭のいい奴が、どうしてそこまで私を…」
「東城さんこそ、頭がいいんだから、もうわかってますよね?俺は、東城さんを自分のものにしたい。だから、手段を選ばないだけです」
悠希の執着がここまでとは、士郎も思っていなかった。しかし、行為を動画で撮ったり、それをネタに脅してきたり、悠希の行動は尋常ではない。
「それに…僕なら、東城さんの夢を叶えてあげられる」
唐突にそう言われ、士郎はポカンとしてしまう。まさかこの場面で、自分の夢のことを言われようとは。
「どうして、お前がそれを…」
「あのとき、言っていたじゃないですか。俺は、東城さんと交わした会話は忘れません。はじめて会ったときから、特別な存在だから…」
「あのとき…?お前は何を言っている?」
「東城さんは覚えていないんですね。でも…いいんです。俺が知っていれば、それで」
悠希はそう言って、やっと動画をストップさせる。ほっとしたのも束の間、念押しのような言葉を浴びせられてしまう。
「この動画がある以上、東城さんは、俺に逆はらえない…そうですよね?仮に、俺がここを辞めたとしても、あなたは俺からは逃げられない。それなら、会社の利益を優先すべきじゃないですか?東城さんなら、わかるでしょう?」
「………」
「答えてください。ちゃんと、言葉で」
士郎が沈黙しか返せないでいると、悠希は答えを求めてくる。
「…わかった」
そう声を絞り出した。もう、こう言うしかない。会社の利益を考えれば、当然の結果だった。
たとえ悠希を解雇して関係を絶ったとしても、動画を撮られている以上、どうしてもリスクが残る。それなら、今は受け入れるしかない。士郎はそう決断した。
「さすが東城さん。わかってくれて、嬉しいです」
「…だが、仕事はきちんとしてもらう。寺井酒造との取引も前向きに検討しているから、そのつもりで」
「もちろんです。…切り替えが早いんですね、東城さん。そういうところも好きです」
「…話は終わりだ。もう―」
「俺の用事は終わってないです。せっかく二人っきりなんだし、楽しみませんか?」
悠希がそう言って士郎の太ももに手を這わすが、やめさせようと咄嗟に手を掴む。
「っ、何を考えている?ここは会社だぞ」
「わかってますよ。でも…東城さんは俺に服従するんでしたよね?」
「っ!」
そう言われて士郎が動けないでいると、掴んだ手を逆に掴まれ、悠希の股間に持って行かれてしまう。
「わかります?俺の、もうこんなになってるの…」
「やめろ…っ」
悠希に服従すると決めたのは士郎自身だ。しかし、そう簡単に受け入れられるはずがない。反射的に手をどかそうとした時、社長室のドアがノックされる。
「三井です、失礼します」
二人分のコーヒーをトレイに乗せた渚が入ってきて、にっこりと笑って、コーヒーカップを隣同士で置いてくれる。
「あれ、どうしたんですか?親密そうですね」
「おつかれさまです、渚さん。東城さんに動画を見てもらっていたんです。新店の参考になればと思って」
動画と言われて、急に周囲の空気が薄くなったように感じる。動悸を抑えられない士郎が、顔面蒼白になって隣の悠希を見やると、悠希はすでにスマホを操作していた。
「まぁ、どんな動画ですか?私も興味があります」
「渚さんも見ます?これなんですけど…」
「よ、せっ、神楽井…っ」
「社長?どうかしました?」
明らかに動揺している士郎の声に、渚が心配そうに声をかけてくる。でも動画はもう流れてしまっていて、それを見た渚が声を上げた。
「あ、このインテリア素敵ですね!夜のバーの時に映えそうな照明もいいですね」
「でしょう?カフェバーって聞いて、店長を任せてもらえるってお話をもらったから、インテリア、色々リサーチしてたんです」
「神楽井くんは仕事が早いんですね。社長が見込んだだけのことはあります」
「やだなぁ、渚さん。何も出ませんよ?」
2人のやり取りを聞いて、士郎は心底ほっとしていた。と同時に、いまさら冷や汗が吹き出す。あの夜の行為の動画ではないかと思い、気が気ではなかったのだ。
「まだリサーチの途中なので、今度、資料にまとめてお渡ししますね」
「はい、よろしくお願いします。では、失礼します」
ぺこりと頭を下げて、渚が退室する。深い息をつく士郎の横で、悠希がニタリと笑っているのも知らずに。
「東城さん」
「っ!」
肩を触られながら声をかけられて、ビクッとしてしまう。
「東城さん、すごい汗…焦りました?まさか、渚さんにあの動画を見せると思いましたか?」
「そ、んなことは…」
「…いつものポーカーフェイスも好きだけど、今みたいなわかりやすい東城さんも、好きですよ」
笑いながら、士郎に抱きつく。
「東城さん、震えてます?それに、鼓動がすごく早い…」
体を密着させようとしてくる悠希に、士郎は何もできない。拒否しないでいること…それが今、士郎にできる唯一のことだった。士郎がなんとか耐えているのをいいことに、悠希はソファに座る士郎の膝にまたがって至近距離で向かい合うと、動揺からか目が泳いでいる士郎をまっすぐ見つめ、両手で頭を押さえて逃げられないようにしたうえで口付ける。
「ん、ふぅ…っ」
「っ…」
上を向かせて、深く口付ける。頭をがっしり掴まれているので逃げられないし、息もしにくい。苦しさに口を開けると舌が入ってきて、さらに深く貪られる。
「ぁっ、は、ふ…っ」
体を押し返そうとはするが、拒否してはいけないという思いがあるため大した抵抗にもはならず、戸惑いを隠せない士郎を尻目に、悠希は上からのキスをやめない。あまりの苦しさから姿勢を保てなくなって、ずるずるとソファに横になってしまう。そこでキスからは一旦解放されたが、すぐに悠希がのしかかってくる。
「っ、はぁ…っ」
「東城さん…もっと、キスしたい…」
片足を士郎の間に割り込ませて体を密着させ、またキス。その間にネクタイを緩めて肌を少し露出させると、今度はそこにもキスを落とす。
「も、よせ…っ」
さっきまで渚もいたし、ここは会社の社長室。こんなところでする行為ではない。士郎はどうしてもその考えを拭えず、つい「よせ」と言ってしまう。
「あれ、拒否していいんですか?」
「ここは、社長室だぞ…っ、こんなこと…」
「こんなことって?あの動画みたいなこと…ここでもします?」
「よせ、もう…っ」
「わかってます。また誰か来るかもしれないし、今は、キスだけですから」
悠希の言葉に明らかにホッとする士郎を、悠希は見逃さない。
「…今夜、俺の部屋に来てください。そこで続きをしましょう?」
「っ、わ、わかった…」
すかさず提案すると、抵抗はありながらも受け入れる様子の士郎に、悠希はほくそ笑んだ。それもそのはず、士郎は、悠希には逆らえない。
「髪、乱してしまってすみません。じゃあ今夜、待ってますね、東城さん」
今度はスッと身を引き、悠希は自分の服装の乱れを直してから社長室を後にした。
一人取り残された士郎は、考えを巡らせるが、辿り着くところは同じ。すべてを受け入れることはできないが、覚悟を決めて、従うしかないのはわかっていた。それでも、どうにかして逃れられないかと考えてしまう。答えが出るはずもないのに。
そして仕事が終わってから、士郎は車で移動し、重い足取りで悠希の部屋に行くのだった。

「東城さん、おつかれさまです。どうぞ」
インターホンを鳴らすと、Tシャツとゆるっとしたパンツを履いた、ラフな格好の悠希が出迎える。
「来てくれて嬉しいです。今日は、何か飲みます?コーヒーかお茶か、オレンジジュースもありますよ」
「…お茶を」
士郎が答えると、悠希は嬉々としてコップにお茶を注ぎ、出してくる。
「晩御飯は食べました?よかったら何か作りますよ、俺、実は料理も―」
「必要ない」
「…」
料理までしてもらういわれはない。悠希の申し出を断り、士郎はお茶を飲み干した。
「じゃあ…脱いでください」
「…っ」
「どうしました?」
「っ、わかっている」
少し低いトーンで「脱いで」と言われ、少しの間の後、士郎は従おうとスーツを脱ぎ始める。まずはジャケットとベストを脱ぎ、ネクタイを外してシャツも脱ぎ去る。
「全部ですよ、下も」
「…」
立ち上がってズボンと下着を脱ぐと、全裸になった士郎に、悠希が抱きついてくる。
「東城さん…」
全身を擦りつけ、悠希が名を呼ぶ。手で触ってはいないがあそこも擦れ、士郎が身を震わせる。
「っ」
「東城さんも、抱き締めて…」
士郎は手をどうしていいかわからず、下に垂らしたままだったが、悠希に言われて、戸惑いながらも悠希の背中に手をやる。細い体だと思っていると、またキスされる。
「んむ…っ、東城、さん…っ」
「ん、ふぅ…っ」
「今日は、ちゃんとベッドでしましょう…?」
そう言って寝室に誘われ、士郎を横たわらせてから悠希も全裸になる。



「これで、やっと…」
考えを巡らせる暇もなく、悠希が覆いかぶさる。肌同士をぴったりくっつけて、悠希がまたキスをしてくる。
「は…、んむ…っ」
「ふ…ぅっ」
今度は頬を両手で挟み、キスを繰り返す。触れ合った肌が、熱くなるのがわかった。
「舌、出して…」
「んぁっ、ふ…っ」
言われるがまま恐る恐る舌を出すと、すぐに絡め取られ、唾液が頬を伝う。深いキスをしていると、固くなった悠希自身が当たるのを感じた。
「俺の、もう勃っちゃいました…。東城さんのも、気持ちよくしてあげます」
「ひっ、ぁあっ」
キスしながら士郎自身を片手で触り、一方の手は胸に。器用に突起を弄び、どちらの動きも止めずに責め続ける。
「すご…、もうこんなになってる。もしかして、俺と一緒で興奮してました?」
「ちが…っ、や、あっ」
「違う」と言いたいのに、刺激が止まないので上手く答えられない。「一体どうなってしまうのだろう」という先の見えない思いでここに来た士郎は、悠希のテクニックにまたもやなす術もなく感じさせられてしまっていた。
「感じてくれて、嬉しいです‥。でも、もっと、ですよね」
そう言って身を離した悠希が、視界から消えてかがみこんだかと思ったら、ぬめりとした温かさが士郎を襲った。
「な…っ、あ、やぁ…っ」
「んむ…、やっぱり、大き…っ」
すっぽりと士郎自身を口でくわえ込み、出し入れさせる。急な刺激に、思考が追い付かない。
「はっ、ん、む…っ」
「んぁっ、や、やめ…っ、も…っ」
思わず士郎がイキそうになると、悠希はそれを見計らって先端だけを吸う。
「ひぃっ!な、だ、め…それっ」
「んく…っ、ふ…ぅっ」
そしてまたくわえ込んで舌で責める。
「い、イク…っ!」
再度士郎がイキそうになると、またそれを阻むかのように先端だけを吸い、今度は甘噛み。
「は…ぁんっ、な、なぜ…っ」
「まだ、イっちゃダメです。もっと我慢、してください…んむ…っ」
甘噛みを繰り返してからまた加えて、次は手でも責める。どんどん増してくる快感に士郎はすぐにまたイキそうになるが、その度に悠希は刺激の与え方を変え、達するのをストップさせてしまう。
「も、よせ…っ、いっ、イク…っ」
「ダーメ。まだまだ…」
「んく…っ、ひぃっ、ぁは…っ」
ずっとイケずにわけがわからなくなってきている士郎が、たまらず腰をくねらす。それも見逃さない悠希は、言葉で指摘する。
「東城さん、自分から腰、動いてますよ。気持ちいいでしょう?イキたい…ですか?」
「そっ、んな、こと…、な…ぁっ」
「…イキたくないなら、このまま続けますね」
「そんな…っ、はぅっ、あぁ…っ」
一度言葉で認識させられると、どんどん腰が動いてしまう。自分のイイところを探すように、士郎はどうにかしてイキたいと考えてしまっていた。
「イキたいなら、俺がイカせてあげます。だから、ちゃんと、言葉で言ってください…」
「も…っ、は、んん…っ」
もう耐えられないといった様子の士郎だが、それでも体を震わせるだけ。悠希はそれを楽しむように、加減をしながら刺激を与え続けている。
「またイキそう…。お願い、してくれたら、すぐにイカせてあげるのに…ぁむ…っ」
何度絶頂を止められただろうか。全身から汗が吹き出し、体中で「イキたい」と叫んでいる。でも「イカせてほしい」とは言えず、士郎の意識はせめぎ合っていた。
流されてしまえば楽になれる。一瞬そう思ったが、プライドが許さないのか、理性がそれを拒む。
「ほんっと、強情ですよね、東城さんは。…早く挿れたいし、今日はもうイカせてあげますね」
「んっ、イク…っ、あぁぁ…っっ!」
悠希の方が待ちきれなかったようで、士郎から口を離さないまま手でいじると、すぐにイッてしまう。悠希の口の中で果て、放たれたものは悠希がゴクリと飲み込んだ。
「はっ、は…ぁっ」
「…すごく濃い。たくさん出ましたね」
悠希は口からこぼれそうになったのを手で拭って、それも味わうように舐め取る。
「我慢できない…っ、挿れて、東城さん…」
「く…っ」
一度イッたがまだ元気な士郎のものを自らにあてがい、士郎の胸に手を付いて体重を落とす。先端が入ると手を離し、自身の体重をかけるからすぐに奥まで満たされる。
「ん、入って、くる…っ、ぁ、は…ぁっ」
「く、ぅあ…っ、ん…っ」
「すご、前より、大きいかも…っ、んぁ…っ」
にちゅ…と音を立てて、全部くわえ込む。
「も、これ、だけで…イキそ…ぉっ」
「ふ…っ、あ…、は…ぁっ」
「うご、いてぇ…っ、東城さん…っ」
悠希がそう言いながらゆさゆさと腰をゆすると、それに合わせて士郎が下から突き上げる。お互いが快感に流されつつある瞬間だった。
「イイ…っ、もっと…ぉっ、奥…っ」
「くぅ…っ、ぁっ」
どちらともなく体が動き、揺れている。いつの間にか士郎は悠希の腰を支え、自ら打ち据えていた。
「ふっ、く…っ」
「ぁあっ、イイ…っ、と、うじょう、さん…っ」
悠希の中は熱くて狭く、みっちりと絡み付いてくる。少し動くだけで体にビリッと電流が走るような感覚があり、やみつきになるようだった。
「いっ、イクぅ…っ、やっ、あぁ―――っっ!」
「ん…っ、く…ぅっ」
「はっ、は、ぁ…っ、もっと、イカせて…っ」
士郎のものもまだ萎えず、悠希は外聞も忘れて、もっとイキたいと腰を振り続ける。
次の瞬間、視界が回ったと思ったら、体勢が反転していた。悠希はつながったまま押し倒されていて、悠希の両足を持って、士郎がまた奥へと入ってくる。
ちょうど悠希の頭がベッドヘッドにある枕に当たっていて、これ以上の逃げ場所はない。もっとも、悠希に逃げるつもりなんてさらさらないのだが。
「んぁうっ、や、奥、ふ、かい…ぃっ」
「く…っ、ん、んん…っ」
「あ、は…ぁんっ、い、イイ…っ!東城、さんので、満たされ、てる…っ」
薬を盛った時のように、士郎が自ら進んで動いている。そのことに悠希は優越感を覚え、体中でそれを受け止める喜びを感じていた。
「っ、ふ…っ、くっ」
「やぁんっ、も、っと…ぉっ、来て…っ」
士郎の動きが早くなる。絶頂が近いようだ。
「一緒に、イキたい…っ、お願い…っ、ぁあ…っ」
「ふ…っ、は…ぁ、イ、ク…っ」
「俺、も…っ、イク…っ!あっ、あぁぁ…っっ!」
白濁したものを勢いよく吐き出し、悠希は全身を震わせて達する。士郎も悠希の中で果て、ぶるりと体を震わせながら余韻を感じていたが、少しした後に自身を引き抜く。
「ん…っ」
悠希は少しだけ声を上げ、四肢をベッドに投げ出してぐったりしていた。
お互いに無言で荒い息をしているが、士郎がベッドから降りようとするのがわかると、悠希が声をかけてくる。
「…東城さん、ごめんなさい」
「…?」
「俺、すごく嬉しかったんです。東城さんが、自分から動いてくれて…。だから、イジワルして、ごめんなさい」
「…」
意地悪とは、何度もイカせないようにしたことだろうか。士郎は一瞬考えた後、こう答えた。
「…いや」
「東城さんが俺を抱いてくれるなら、これからは、イジワルはしません。お互い気持ちよくなれれば、それで…」
「…もういい」
「…ふっ、うぅっ…」
「?」
悠希に背を向けて聞いていた士郎が、そのすすり泣くような声に振り向くと、悠希は顔を背けて泣いているようだった。
「…泣いているのか?」
「だって…東城さんに、嫌われたく、なくて…っ」
泣き声交じりの声に、士郎はつい心配になってしまう。自分を脅して抱かせた男なのに、どうしてだろうか。
「ごめ、なさい…っ」
「…もういいから」
近付いて、震える肩をそっと触ると、泣き顔の悠希が飛び起きて抱きついてくる。
「っ」
「東城さん…っ!」
まだ熱い肌が触れ合う。こんなときどうすればいいのかわからないが、士郎はとりあえず、悠希をあやすように背中をさすってやる。
お互い汗でベトベトだったが、今はそれも気にならない。
「…許して、くれますか?」
「許すもなにも…」
「…ちゃんと言葉で言ってください。俺のこと、怒ってません?許してくれますか?」
「…怒ってはいない。許すから、泣き止んでくれ」
「ありがとう、ございます。東城さん…」
士郎の言葉が余程嬉しいのだろうか、悠希はすりすりと顔を擦りつけてくる。
この行動に士郎は少し安心していたのだが、悠希の内心は違っていた。許してほしいだなんて微塵も思っていない悠希は、士郎に見えないところで、またニタリと笑うのだった。
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