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あだ名⑥
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2人の足が止まったのは、僕の席の前と僕の横の席。どうやら席がご近所さんだったらしい。
「イツメンと離れたのはやっぱ寂しーね」
「そうか?同じ学校だし嫌でも合うだろ」
「クールすぎぃ!!んもぉ、なんでそんなに冷めてる訳?クラス離れるとさ、俺なんてアイツら大丈夫かなー、とか思うのに」
僕の目の前に座る長身男子は、はいはいと言いながら肩を竦めた後椅子に腰を下ろし、
不意に此方を振り返った。
たまたま彼を見ていた僕と、振り返った彼の視線がぶつかり。
一瞬の沈黙後、
何故だか眉尻を下げて苦笑した。
「黒板見えそ?」
「ぇ、あっ、…だ、だいじょうぶ、です」
「そか。見えなかったらゆって」
不意に話しかけられて、若干声が震えた。
髪色茶髪だし長身だしイケメンだから、変に身構えてしまったのは仕方ない。
僕から見た普通とはちょっと違う人達。
世間一般でよく言われている、所謂不良。
それらに彼等は…当てはまるのかもしれない
それでも目の前に座る彼を怖いとは、思わなかった。
「ねぇねぇ、お隣さん!これからよろしくね」
机をトントン、と軽く叩かれ視線を向ければ…
太陽みたいに眩しい笑顔がそこにはあった。
横の席の金髪少年。
よろしく、と言いながら握手を求められて
彼の顔と手に視線が行ったり来たりを何度か繰り返した後、
そっと、差し出された手を握った。
「よろ、しく…お願いします」
「あははっ!なんで敬語?あ、俺の名前は優太。優しいの優と太陽の太、ね」
「あ、優太…さん?」
「えー、優太でいいよぉー!敬語は無しね?クラスメートじゃん俺ら。仲良くしよ」
ケラケラ、っと楽しそうに笑う優太に気付けば流されて。何故だか優太は僕の事を田中、ではなく「さとちゃん」とあだ名を付けてくれた。
⑥
「イツメンと離れたのはやっぱ寂しーね」
「そうか?同じ学校だし嫌でも合うだろ」
「クールすぎぃ!!んもぉ、なんでそんなに冷めてる訳?クラス離れるとさ、俺なんてアイツら大丈夫かなー、とか思うのに」
僕の目の前に座る長身男子は、はいはいと言いながら肩を竦めた後椅子に腰を下ろし、
不意に此方を振り返った。
たまたま彼を見ていた僕と、振り返った彼の視線がぶつかり。
一瞬の沈黙後、
何故だか眉尻を下げて苦笑した。
「黒板見えそ?」
「ぇ、あっ、…だ、だいじょうぶ、です」
「そか。見えなかったらゆって」
不意に話しかけられて、若干声が震えた。
髪色茶髪だし長身だしイケメンだから、変に身構えてしまったのは仕方ない。
僕から見た普通とはちょっと違う人達。
世間一般でよく言われている、所謂不良。
それらに彼等は…当てはまるのかもしれない
それでも目の前に座る彼を怖いとは、思わなかった。
「ねぇねぇ、お隣さん!これからよろしくね」
机をトントン、と軽く叩かれ視線を向ければ…
太陽みたいに眩しい笑顔がそこにはあった。
横の席の金髪少年。
よろしく、と言いながら握手を求められて
彼の顔と手に視線が行ったり来たりを何度か繰り返した後、
そっと、差し出された手を握った。
「よろ、しく…お願いします」
「あははっ!なんで敬語?あ、俺の名前は優太。優しいの優と太陽の太、ね」
「あ、優太…さん?」
「えー、優太でいいよぉー!敬語は無しね?クラスメートじゃん俺ら。仲良くしよ」
ケラケラ、っと楽しそうに笑う優太に気付けば流されて。何故だか優太は僕の事を田中、ではなく「さとちゃん」とあだ名を付けてくれた。
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