僕はただの妖精だから執着しないで

ふわりんしず。

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シナリオとの違い

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けれどシナリオ通りの未来とは大分異なる最期を、彼らは迎えた。

部位が切断されることは無かったが、数ヶ月苦しみながら死を迎えたとか。どうやら身体には良くない薬を過剰摂取していたらしい。それも長期に渡って。最後は臓器全てを穴から排出していて葬儀はご遺体無しで執り行われた。

攻略対象の彼の父、兄、そして宰相はほぼ同時期に亡くなり他殺の線も浮上したものの

数日も経たない内に騎士団らは公表した、



「薬物の多量摂取による自死だろう」と。

現国王の次に権力を持つとまで言われる彼等が、国政を揺るがす案件に目を瞑った。

多くは語られなかったものの、騎士団らの対応をみた貴族、一般人らの間で囁かれたのは…


触らぬ神に祟りなし、だったという。

人の口に戸はたてられぬ、とは言ったものの目に見えない恐怖から誰しもが異を唱える者は居なかった。


そして次期国王として、死んだとされていた攻略対象者ハゼスが実は代々国王の片腕として仕える側近の保護下にあった事が発表され

瞬く間に彼の姿絵が出回った。




父親譲りの金髪と、妖精の祝福を受けた赤い瞳・・・


何処をどう見ても整った顔立ちで、貴族令嬢は姿絵を見た瞬間黄色い悲鳴を上げたとか。




彼を保護しているロカの家に、ハゼス宛の恋文が大量に送られた。

というのはまた別のお話し。


『何もかもが……ちがう、』

ぽつり、と零したのは僕で思い出すのはゲームの中の彼。

僕が知っている彼は金髪金眼。

なのに彼の瞳は赤色と姿絵で知れ渡った。

絵師が描き間違えたのかはたまた何かのバグか、



それを確かめる為にも今日、ゲームの舞台である最初のイベント入学式を見てみる必要があった。






















ーーーーーーーーーー


番外編とかも色々描きたい。設定、長編じゃないのに完結してない。


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