僕はただの妖精だから執着しないで

ふわりんしず。

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その男は抑制石を掲げ、あろう事か大事な石の欠片を飲み込んだ。

「なっ……!?おまっ、ふざけるな吐き出せ!」

目の前の男が皇子である事を忘れ、勢いに任せ胸倉を掴んで揺さぶった。この男が命を落とす可能性など考える暇もなく、ただ貴重な石の欠片を飲まれたことに激怒した。抑制石を砕いて、手元にある欠片はたったの3つ。

1粒飲んで、効果が無かった時用にもう1つ。そして予備で保管する為のもう1粒。抑制石をそのまま飲んでも良かった。自分の身体がどうなろう、正直興味なんて無かった。

ただ、ふと頭を過ぎった。抑制石をまるごと飲み込んだとして、効果が無かった時の事を。代々受け継がれてきたこの石の変えは…無い。


命を落としてもいい。そう思ったのは、この心臓が止まった先で妖精さんに出会えればの話し。

きっと俺はかなりの親不孝者で、恩知らずだ。生きたくても生きていけれない人間がいる事は分かっている。別に環境に問題があった訳じゃない、寧ろ俺をここまで育ててくれた。なのにそれを自ら危険に晒している。

確実な方法で、

死ぬかもしれないやり方で。



1つの抑制石を飲みこむのではなく、砕く事で力を手にしようと考えた。

「苦しっ、……落ち着け、って」

「落ち着いていられるか。これがどれだけ大事な物だと思ってるんだ。

いっそ此処でお前を、」


お前の息の根を止めて欠片を取り出したいくらいだっ!

そう言いかけた時だった、





欠片を飲み込んだ皇子の身体が淡く光を纏った。















□□□

今更気づいた。皇子の名前…出してない様な
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