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その後

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結局ロカと泉で初めて出会った日から、早くも2日経っていた。あの日ロカと出会ったのが嘘だったかのように、あれから僕はロカと会ってはいない。

運が良いのか悪いのか、ロカの能力が僕と出会った次の日に…消えたらしい。


あ、『らしい』って言ったのは皆から教えてもらったからだ。ハイザァたちが大慌てで僕に知らせてくれた。最初はちょっとだけ吃驚したけど、

でも最初からロカが見えなくなるって知ってたから、


(能力消えるの…こんなに早かったんだ)

心の何処かですんなり納得できた。僕と会った次の日に力が無くなった、という事は


その日がロカの誕生日だったという事だ。

ゲームでは描かれていなかった僕達の接点
ただゲーム上では触れられていなかっただけで…もしかしたら元から設定されていた出会いなのか、


今となってはよく分からない。

ただ、…欲を言うなら、

『お誕生日おめでとう』

ロカの誕生日、皆で一緒にお祝いしたかったな、なんてそう思った。



いつもの寝床。

下には絨毯の様に敷き詰められた葉っぱの上に体育座りをして、

いつもの様に仲のいい皆と身体を寄せ合いながら楽しくお話ししている筈なのに


何故か少しだけ、

寂しさを感じた。








◽︎




『あ、…そういえばこの宝石って』

ふと思い出すのはプレゼントに貰った赤い宝石の事。この世界が何処か分かったお陰で、貰った宝石が誰の物か必然的に分かった。

寝床の隅っこに飾られていた綺麗な宝石

多分これは抑制石。


(主人公にロカが見せるシーンがあったなぁ…なんで、気づかなかったんだろ)

代々受け継がれるのは特異体質だけではなく、同時にこの宝石もまた受け継がれていた。

烏さんが僕にとくれたプレゼント

凄くすごく嬉しかったけれど、

その気持ちだけで充分幸せ。


ゲームの中でもロカは言っていた。この抑制石はとっても大事な物だ、って。

それなら、これは…僕が持ってちゃいけない物になる。



(返しに行かないと––––––––––––––)
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