僕はただの妖精だから執着しないで

ふわりんしず。

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1つ、我々は人であり獣の血を引くものである
1つ、我々は神と神が庇護している御使いに感謝するべし
1つ、異常な能力は受け継がれること
1つ、全てを平等に愛する為、無に帰すべし
1つ、決して驕ってはならず。
1つ、天秤が崩れる時赤く世界が染まるだろう。


「俺の家系は少し変わっていて、例えば…やたら鼻がきいたりとか。聴覚が異常なまでに優れていたり、症状はバラバラで俺の場合は〝目〟なんです」

小さな小さな妖精様に近付く許可を、他でもない妖精様に頂き、

泉を前に腰掛けた。今、その小さな守るべき存在は俺の手のひらに座っていた。

言葉が通じないこと。
家系でたまたま俺は妖精様が見えること。
家系での掟、全てを

ただ聞いて欲しくて。


「俺が生まれるもっと前、俺と同じように〝目〟が良い人が居たそうです」

言葉が通じないことは、残された資料で知っていた。ただ妖精様が認識できる、と。

けれどその人が亡くなってから何年も、何十年も、同じ〝目〟を持っている人は居たが

それ以来妖精様にあった人は居なかった。


神の御使い様、妖精様。

ずっと夢焦がれていた。
幼少期から聞かされていた妖精様のお話。
会えない可能性の方が高くて、

それでも会いたくて。


(でも実際会ったら会ったで……もどかしいな)

そばに居るのに言葉が通じないなんて。


もっと話したいのに。
もっと俺の話し、聞いて欲しいのに。
もっと妖精様の事を知りたいのに。
妖精様の話を沢山聞きたいのに。











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